みなみ
みなみ
委員長に誘われ
駅に向かう途中のファミレスに入った
女の子と二人きりでごはんを食べるなんて初めてで
変に意識して緊張してしまっていた
四人掛けの席に通され向かい合わせに座る
こんな近い距離で委員長と座るのも初めてだ
明日夢
委員長は実は男子の中で結構、人気があり
優しく素直な性格から竹を割ったような人だと言われ
一部の男子の間で"かぐや姫"と言うあだ名をつけられていた
俺はあまり興味がなかったから気にしていなかったけど
こうやって近くで見るとスタイルもよくてかわいくて
明日夢
心の中で頷いた
最初の印象は最悪だったけど
こんな風に俺のことを気遣って寄り添ってくれる
今の俺にとっては凄く頼れる存在だった
生活指導の誤解がなければ話すことはなかった
あの先生はちょっと苦手だけど
話すきっかけをくれたと言う意味では感謝している
みなみ
ファミレスを選んで正解だった
委員長のようにガッツリ食べれる自信がなかったから
明日夢
明日夢
みなみ
明日夢
みなみ
みなみ
明日夢
みなみ
みなみ
明日夢
結局、委員長はそれに大ライスと大盛りのサラダも注文
しばらくして注文品が運ばれてくると
店員が迷わず俺の前にミックスグリルを置こうとしたので
みなみ
笑顔で手を上げた委員長に店員が驚いていた
俺の目の前には一杯の山掛けうどん
委員長の目の前にはミックスグリルに大盛りのライスとサラダ
でもドリンクは烏龍茶で
みなみ
みなみ
あまり説得力のない言葉を自信たっぷりな表情で言われ
少し笑いそうになった
それでもカロリーを気にしているらしく
食べる順番の大切さなどを語りながら
あっと言う間に三種の肉は委員長の胃の中へ
食べ終わってからも
しばらくそこで話をした
学校のことや家でのこと
話しているだけで気が紛れて
不安な気持ちはすっかり薄れていた
みなみ
みなみ
明日夢
タイムマシーンの実証実験
何て言えるわけがない
明日夢
明日夢
明日夢
みなみ
俺が唯一、話せるのは……
明日夢
明日夢
じいちゃん
時計だと言うのに針も文字盤もなく
どこから見ても地球儀にしか見えない
でもどこかの国が朝六時になると
その国の国家が大きめの音で流れると言う仕組みだった
はっきり言って実用性はなく
じいちゃんがくれると言うのでもらって部屋に飾ってみたが……
夜中に突然、鳴り出すことが何度もあり
明日夢
丈太郎
それ以降コンセントは抜かれ
ただの回らない地球儀として部屋に置かれている
みなみ
明日夢
明日夢
明日夢
みなみ
委員長はケラケラと笑っていたけど
実際にあの音を聴いたら笑えなくなるだろうな
"大きめの音"と控えめに言ったが
本当は想像よりも大きい音だから
みなみ
明日夢
会話が一段落したところで
俺達は会計を済ませて駅に向かった
明日夢
明日夢
みなみ
みなみ
明日夢
深々と頭を下げる
みなみ
みなみ
頭を上げると委員長は顔を真っ赤にして照れていた
その様子が凄くかわいくて
とても優しい気持ちになった
電車の中でも話題が尽きることはなく
気がつけばもう柳駅に到着するアナウンスが流れていた
委員長はここから別の路線に乗り換えるらしい
明日夢
明日夢
普通に言ったつもりだったけど
寂しそうに聞こえたのか
みなみ
明日夢
みなみ
明日夢
みなみ
みなみ
明日夢
みなみ
明日夢
電車が柳駅に到着し委員長は降りたが
しばらくその場に留まり
俺の姿が見えなくなるまで手を振ってくれた
残された電車内で
明日夢
明日夢
謎のドキドキが止まらなかった