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愛紗
丈太郎
愛紗
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
そっとキスをして車を降りる
丈太郎
愛紗
丈ちゃんに会えるのは凄く嬉しいけど
別れの瞬間はいつも寂しくて
走り去る車を見送りながら
愛紗
いつもそんな風に思う
愛紗
丈ちゃんと付き合って七ヶ月
喧嘩もなく順調に続いているけど
七ヶ月で恭也さんと別れてしまった経験から
愛紗
そんな不安が付きまとっていた
丈ちゃんとはいずれ結婚する運命だし
明日夢がいるから大丈夫だとは思うけど
デートの終わりはいつも
愛紗
そんな言葉が頭をよぎる
でも数時間後には
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
丈太郎
家に着くと必ず連絡をくれて
"またね"って言ってくれる
そのたった一言で私の中の不安は消えていく
いつも願うのは
丈ちゃんとの明るい未来
永遠にこの幸せが続いてほしい
そう思った瞬間
震えたスマホに驚いた
愛紗
波瑠
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不在着信
驚きすぎて固まっている間に着信は切れた
愛紗
突然の波瑠からの着信
波瑠は恭也さんのことが好きだったから
恭也さんを拒絶した私のことが許せなかった
私の言葉は全く届かず
もう二年くらい何の連絡もなかった
メールアドレスも変わっていたし
もう電話も来ないと思っていた
どうしよう？
かけ直した方がいいかな？
でもどんな言葉を言えばいいかわからない
あんなことがなければ友達を続けていたかもしれなけど
波瑠はわかってくれなかった
私の気持ちを無視してシンガポール行きを勧めてきた
丈ちゃんのことを報告しても
きっと喜んでくれない
だって波瑠は……
私が恭也さんを裏切ったと思っているから
波瑠
わからない
波瑠
わからない
波瑠
波瑠の言葉が理解できない
波瑠
波瑠は気づいてたのかな？
いつも名前で呼んでいたのに
いつの間にか"あんた"に変わっていた
波瑠
波瑠は状況を理解していなかった
だからあの出来事を"キスくらい"と言った
自分勝手で自分本意で
私の気持ちを完全に無視した最低なキス
私にとっては今でも忘れられないことなのに
それを"キスくらい"何て言ってほしくなかった
丈ちゃんは逆にいつも私のことを考えてくれる
たまに不意打ちされてドキドキすることもあるけど
私のことを気遣ってくれるし
私が嫌がるようなことは絶対にしない
丈太郎
愛紗
丈ちゃんの唇がそっと触れる
愛紗
信号が変わる直前だった
隣の車の人に気づかれたかもしれない
そう思うと恥ずかしくて
丈太郎
愛紗
丈太郎
でも嬉しくてたまらなかった
突然の波瑠からの着信は
そんな嬉しい気持ちも吹き飛ばす程
私の心を酷く動揺させた
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