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主です。
主です。
全員
風が校庭の桜をかすかに揺らす午後。
要人は教室の隅の席で硬く拳を握りしめていた。
今日もまた、女子生徒の何気ない笑い声に心がざわついた。
視線が合っただけで、背中に冷たい汗がにじむ。 呼吸が苦しくなって、机に突っ伏した。
その時ーーーー
潤
耳に馴染んだ声がそっとかけられる。 潤だった。
誰よりも自分を理解してくれている、唯一の人。
潤
冷たい手のひらが、だんだん温かくなるように 感じて、要人の肩から力が抜けた。
要人
潤は微笑んだ。
潤
その日から、要人は潤を見るたび、 胸の奥がじわっと熱くなるようになった。
けれど――
要人
要人は絞り出すように告げた。
潤
要人
潤は黙っていた。
苦しいほど要人を想っていたから、 返せる言葉が見つからなかった。
別れを選んだわけじゃない。 でも、要人は潤の前からそっと姿を消した。
それから潤の中にある「要人」という名前は、 胸の奥で痛みを灯し続けていた。
主です。
要人
潤
主です。
主です。
全員