秋彦逮捕のその日。

とあるニュースが、インターネット全体を騒がせることになった。

このニュースを知って、ネットでは犯人である秋彦に対して怒りの声が上がり、被害者を応援する声が飛び交った。

こんな過激なことを言う者まで出始めたのだから、あっきんのアカウントは、全てのサイトから削除された。

だがそれが発端（ほったん）となり、犯罪者を庇うな云々と言った、新たな対立が生まれてしまったのだが――それは別の話。

ネット民たちの怒りは、秋彦だけではなく、彼の悪行を許容してきたセラーノベルにも向き始める。

またしても、ユーザーの起こした一大不祥事に、セラーノベルは黙ってやり過ごす事など出来ないでいた。

この出来事は、SNSやニュースサイトで大きく取り上げられることになる。

そしてその影響は大きく……

―秋彦がいた教室―

秋彦の通っていた高校でも、なにやら落ち着きのないざわめきが、クラス内に満ち満ちていた。

秋彦の通っていた高校でも、なにやら落ち着きのないざわめきが、クラス内に満ち満ちていた。

日直の声と共に、生徒達は一斉に立ち上がる。

秋彦の消えた教室は、あっという間にいつも通りの活気を取り戻していた。

―少年院―

当然だが、世間が秋彦の罪に関心を寄せているなど、当の本人が知る由もない。

部屋に入った秋彦は、畳の敷かれた床に座り込み、ため息をついた。

長い長い回想を終えてようやく、彼は自分の犯した罪を思い出したのである。

――とまあ、この通り、秋彦は反省などしてはいないのだが。

イラストレーター達への恨みつらみを垂れ流しながら、秋彦は畳の上を転げ回り、天井を仰（あお）いだ。

こうして法務教官に連れられ、秋彦は長い廊下を歩いていく。

暗く、どこかよどんだ空気の、少年院。

彼はこれから半年、更生という名の自分を見つめ、罪を知る時間を過ごすのだった――