注意！

こちらはnmmnです 「カゲロウデイズ」の 曲パロになります 流血表現や微グロ表現あり 諸々苦手な方はバック推奨 3時間で考察〜本書きまでしてるので 誤字脱字などは多めに見てください() 何でも許せる方のみどうぞ！

〜そらる side〜

8月15日

午後12時半、何をするでもなく、 まふまふと近所の公園を散歩していた

日陰にあるベンチにだらりと 座りながら、文句を垂れるまふまふ

その隣に座って、空を仰いだ

俺達引きこもりにはかなりキツい、 熱中症にもなりそうなほど、 眩し過ぎる日の差す今日

散歩に行こうとまふまふから誘いが 来たはいいものの、あの時断って おけばよかったと少し後悔する

さっきとは違って 楽しげな声を上げたまふまふ

その視線の先を見ると、真っ黒な毛の 野良猫が、こちらに向かって 歩いてきているのを見つけた

その黒猫は、まふまふの 足元までやってくる

ここまで人に懐いてるのも珍しい、 なんて思いつつ、戯れている 1人と1匹を眺めていた

不意に、猫を撫でながら、 まふまふがそう呟く

かと思ったら、突然猫がまふまふの 元を離れて、公園の外の道路へと 飛び出していってしまった

猫を追いかけて行ったまふまふを、 さらに俺が追いかける

猛暑の中、あいつの背を 追いかけて公園を出る

すると、まふまふが飛び出していった 先には、赤く光った信号機が、

ドンッ！！！

キキィーッ！！！

気づいた時には、俺の目の前を トラックが通っていて、何かが ぶつかる音、鳴き叫ぶような ブレーキ音が辺りに響いていた

辺りに立ち込める鉄の匂いに 混じって、僅かにさっきまで隣にいた あいつの、桃の匂いが香る

少し遠くには、真っ赤に染まって ぐったりとしているあいつがいた

混ざり合った嫌な匂いで、胃が ひっくり返るような吐き気に襲わる

ようやく落ち着いて、再び顔をあげた

……ぐにゃりと歪んだ、 現実とは到底思えない嘘のような世界

けどすぐに、これは陽炎だと、 暑さで現実に引き戻された

段々と、視界が暗くなって いくのを感じる

直前に見たのは、 嫌なほど晴れた水色の空

そして、煩い蝉の鳴き声を最後に、 俺の意識は途絶えた

目を覚ますと、最初に視界に 入ってきたのは、見慣れた天井

すぐに自室のベッドの上だと分かった

時計の針の音が鳴り響く中、 スマホを探して、画面を付けた

確か俺は、まふまふと公園を 散歩してて、途中見つけた黒猫を あいつが追いかけて、それで──

時間は、午前12時を少し過ぎた頃

外を見ると空はまだ 暗い青色に染まっていた

そう分かった途端、 一気に全身が脱力する

なんだ、ただの夢だったのか

じゃあ、あの事故は起きてなくて、 まふまふも生きてて……

安心で眠気が押し寄せる中、 耳の中では、あの煩い蝉の鳴き声が 鮮明に残っていた

8月15日

午後12時半、何をするでもなく、 まふまふと近所の公園を散歩していた

散歩中、日陰にあるベンチにだらりと 座りながら、文句を垂れるまふまふ

その隣に座って、空を仰いだ

俺達引きこもりにはかなりキツい、 熱中症にもなりそうなほど、 眩し過ぎる日の差す今日

散歩に行こうとまふまふから誘いが 来たはいいものの、あの時断って おけばよかったと少し後悔する

昨日、今と同じような、 まふまふと公園を散歩する夢を見た

さっきとは違って楽しげな声を 上げたまふまふの視線の先を見る

……すると、夢で見たのと同じ、 真っ黒な毛の野良猫が、こちらに 向かって歩いてきているのを見つけた

その黒猫は、まふまふの 足元までやってくる

不意に、あの夢の結末を思い出して、 嫌な想像をする

俺がベンチを立つと、まふまふも 黒猫から離れて俺についてきた

そのまま、2人で一緒に 公園の出口へ向かう

公園を出て道に抜けた時、 何か違和感を感じた

何故か周りにいる人が、 みんな口を開けて上を見上げている

同じように、俺も上を見上げると、

ガンッ！！！

俺の真横……まふまふの真上に、 何か大きな影が降ってきた

キャーッ！！！

恐る恐る、ゆっくりと隣を見やる

そこには、頭上から落下した 鉄柱に身体を貫かれたまふまふが

周りの人の悲鳴、夏らしい風鈴の音、 木々のざわめきでさえも、今の俺の 耳には、全て雑音にしか聞こえなくて

そんな時、視界の端に、 あの夢と同じような陽炎が映った

あれは、夢なんかじゃない

再び歪み始める視界の中、血に 染まったまふまふの横顔が視界に映る

こいつ……

目を覚ますと、最初に視界に 入ってきたのは、見慣れた天井

すぐに自室のベッドの上だと分かった

何度も同じ世界を繰り返して

どんなに手を尽くしても

まふまふは死んで

俺はループを繰り返す

ずっと繰り返し続けて、 もう何十年経ったのかも分からない

こんな、小説や映画なんかで よく見る、ループを抜け出す方法

とある可能性には、 とっくの昔に気がついていた

こんなよくある話なら

結末はきっと一つだけ

……ようやく決心がついた

もう、次の夏で終わらせる──

あの猫を追いかけるまふまふを 押し除けて、俺が先に信号に飛び出す

ドンッ！！！

瞬間、タイミングを狙ったかのように 走ってきていたトラックに全身を強く 打ち付けられ、身体は宙を舞った

衝撃で俺の体は軋んで、 視界の隅にいるまふまふの瞳には、 赤い血飛沫が映し出される

ドサッ

そうして地面に叩き落とされた時、 いつもの陽炎が姿を現した

遠くなる意識の中で、 奴に嗤って見せる

そして、俺の長い長い夏は、 ようやく幕を閉じた

目を覚ますと、最初に視界に 入ってきたのは、見慣れた天井

すぐに自室のベッドの上だと分かった

8月14日、午前12時過ぎを指す スマホの画面

“今回”は、トラックに撥ねられて 死んでしまったそらるさん

……彼の表情が笑っていたような 気がしたのは、きっと気のせいだろう

ただ1人、猫を抱き抱えてそう呟いた