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復讐の百合 第2話

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復讐の百合 第2話

1 - 復讐の百合 第2話

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2021年06月07日

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未知子には、一人心当たりがあった。

未知子

…。

そうよ、あの女よ。

宝生グループの創始者、宝生隆の一人娘、宝生絵梨華よ。
昨年までアメリカの警察にいたみたいだけど、どうゆう訳か、神南南署に移動になって、重役ポストについてるわ。
署長を抑えて、全ての権限を握ってる。
まさに、鉄壁のお城ね。

未知子は、動揺が隠せなかった。 手と手を合わせ、震えを抑えた。

未知子

そう…。生きてたんだ。

そうなのよ。まさのまさか。
こんな所で会うなんて運命のいたずらよね。

それで、どうするの?
今日中に向こう方に連絡しないといけないんだけど…。

それとも、やめておきましょうか?
あまり乗り気じゃないみたいだし。
まぁ、同然よね…。
あの女がいるって分かったら行く気がなくなるのも。

お断りしておきますね。

そう言って、昭は椅子から立ち上がり、電話をかけようとした。 すると…。

未知子

待って。昭さん。

未知子

行くわ。

いいの?

未知子

行って、自分の目で確かめてみる。

わかった。
未知子がそこまで言うなら、向こう方に連絡しておくわね。

未知子

うん…。

そう言って、未知子は、写真に目をやり、決意を新たにする。 そこには、未知子と昭さん、そしてもう一人写っていた…。

未知子

昭さん、私…。

昭はその言葉の先を察して、未知子の見ていた写真を伏せた。

未知子、過去に縛られるのは良くないわ。未知子は、今この未来を歩んでるんだから。

未知子

…。

それとも何、あの人との約束を忘れたの?

未知子

それは違う、忘れてない。
あの時も、今も…。

すると、〝カランカラン〟と鈴が鳴り、一人の男が入ってきた。

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