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ガタンゴトン…

宍戸 雪実

小さな町の電車の中で 高2 宍戸雪実 は揺られていた。

宍戸 雪実

(私…)

____呪われているのかな。

宍戸 雪実

陽菜…

__幼馴染みの島村陽菜がおかしくなってからもう1ヶ月。

島村 陽菜

私、東京行ってくるわ
会いたい人がいるの

陽菜は1ヶ月前、そう言って出かけてから一時行方不明になった。

行方不明から数日後、陽菜は東京近くの樹海で、男女数名とさ迷っているところを保護された。

発見当時の陽菜ら男女数名が着ていた衣服は血だらけで、鑑定の結果、血液は東京都在住の女性のものだと判明した。

その女性は現在も行方不明のままで、陽菜達は何かの事件への関与を疑われた。

__しかし、陽菜達は記憶を失っていた

事件についての記憶だけではない。 自分の名前すら分からなかった。

血液の主である女性の遺体も発見されていない上、関与を疑われる人物らが記憶喪失のため、操作は難航している。

__陽菜は、現在も入院中だ。

宍戸 雪実

(陽菜…一体何があったの…?)

宍戸 雪実

(陽菜は少し口が悪いところがあるけど、根は優しくていい子だから、絶対、絶対…人を殺したりなんかしない)

…お見舞いに行った時の陽菜の顔を思い出す。

どこか怯えていて、どこか悲しそうで、 どこか怒りを宿していて

陽菜は、そんな顔をしていた。

__もう、昔の陽菜はどこにもいないのかもしれない。

宍戸 雪実

(お姉ちゃんも、そう…)

宍戸 雪実

(皆、私の前からいなくなる)

2年前、突然姉の 幸(さち) が 失踪した。

陽菜と違い、お姉ちゃんは未だ見つかっていない。

どこかできっと生きている__

そう信じてはいるものの、

心のどこかで……

宍戸 雪実

(はは…身近に2人も原因不明の行方不明者がいるなんて、本当に呪われているのかな)

___いっそ、呪われて死ねたら……

宍戸 雪実

…どんなにいいことか

幼い頃お母さんが家を出ていき、私とお姉ちゃんは、お父さんと3人で暮らすことになった。

お父さんはろくに働きもせず、酒に博打の毎日を送っている。

時には酔った拍子に暴力も ふるわれる。

自分の娘が行方不明なことも心配していない。

…私とお姉ちゃんは支えあって生きてきた。

だけどお姉ちゃんはいなくなってしまった。

そんな時にそばにいてくれたのは陽菜だった。

私は…その2人を失った。

私にはもう何も残っていない。

電車が停止する。

プシュー…

扉が開くと同時に私は電車を降りる。

宍戸 雪実

…帰りたくないな

じゃあ帰らなければ?

宍戸 雪実

…え?

宍戸 雪実

振り返ると、顔にスプレーをふきつけられた。

宍戸 雪実

(なにこれ涙が止まらない…!催涙スプレー!?)

痛みで思わずしゃがみこむと、口を布で塞がれる。

必死で抵抗しようとするも、

ここは田舎の小さな駅。

周りには誰もいない。

宍戸 雪実

(……意識が)

宍戸 雪実

(…私、どうなるんだろ、死ぬのかな?)

宍戸 雪実

(なんでだろ、今になって怖くなってきちゃった)

宍戸 雪実

(…お姉ちゃんも、こんな思いしたのかな?)

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

ん……

雪実はうっすらと目を開けた。

宍戸 雪実

ここは…?

4畳半程の無機質な小さな部屋の 簡易ベッドに雪実は寝かされていた。

まだ顔は少しヒリヒリと痛み、頭は ボーッとしている。

宍戸 雪実

病院…なわけないよね

起き上がり周りを見回すが、タンスクローゼットと小さなミニテーブルしかなかった。

雪実はベッドから降り、タンスクローゼットの中を確認した。

雪実好みのシンプルな服が数着入って いる。

ミニテーブルの上には紙が数枚と、 鍵が置いてある。

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

な、なにこれ…地図…?

宍戸 雪実

処刑場って……

宍戸 雪実

こっちの紙には私の名前があるし…私の今いるこの部屋のこと…?

宍戸 雪実

鍵には名前が彫られている。

宍戸 雪実

ご丁寧にどうも

宍戸 雪実

…って、そんなこと考えてる場合じゃない!

宍戸 雪実

本当に…訳が分からない。

雪実はじっと扉を見つめた。

宍戸 雪実

開く…かな?

宍戸 雪実

とにかく外に出てみないと…

雪実はドアノブのサムターンを回す。

カチャリ…

宍戸 雪実

あ、開く…?

雪実はそのままドアノブを捻った。

ギーー…

扉は音をたてて開いた。

宍戸 雪実

な、なんだ…出れるのか…

扉の隙間からそっと廊下を覗く。

部屋にある地図通り、目の前に扉が 4つ並んで見えた。

宍戸 雪実

他にも…人がいるはず

地図と鍵を持ち、静かに外に出る。

…廊下には誰もいない。

心臓の鼓動の音だけしか聞こえない。

ふぅ…

雪実はそっと胸をなでおろした。

ドアノブに鍵を差し込む。

カチャリ…

そのまま鍵をポケットに 滑り込ませる。

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

異常に何も聞こえない。

宍戸 雪実

(もしやここにいるのは私だけ…?)

雪実は目の前の扉の前に立った。

宍戸 雪実

(地図の通りなら、ここは名塚祥太っていう人の部屋のはず…)

コンコンコン…

…反応は無い。

宍戸 雪実

(寝ているのか、もう起きて1階に降りたのか…それとも…)

__それとも……

指先が急に冷たくなる。

宍戸 雪実

(ま、まさかね…)

宍戸 雪実

(で、でも…)

扉1枚隔てた先に死体があるのを 想像し、身震いする。

雪実は思わずドアノブに手をかけた。

宍戸 雪実

開かない…そりゃそうか…

___どうか生きていますように。

雪実は顔も素性も知らない相手の 無事を祈った。

宍戸 雪実

(こんな所でフラフラしてても埒が明かないよね…)

雪実は廊下を歩く。

左に曲がると、地図通り階段が あった。

足音をたてないようそっと降りる。

宍戸 雪実

(ここが1階…)

宍戸 雪実

宍戸 雪実

宍戸 雪実

私の左にある部屋が部屋2…

雪実はドアノブに手をかけた。

宍戸 雪実

あ、開かない…

宍戸 雪実

鍵がかかっている…?

途端に怖くなった。

さっきから異常に何も聞こえない…。

宍戸 雪実

(他の部屋を探そう…)

部屋3を確かめるために廊下を歩こうとすると、右手側の廊下に光がもれているのが見えた。

宍戸 雪実

…大広間

_大広間に誰かがいるのかも。

心がパッと明るくなったが、すぐに 恐怖に震えた。

宍戸 雪実

(もし…私をここに連れてきた犯人がいたらどうしよう…)

心臓の鼓動と共に呼吸が乱れる。

__死にたい、と思っていた自分が 嘘みたいだ。

心のどこかで生に執着している事が 分かる。

ついに扉の目の前に着いてしまった。

宍戸 雪実

(…ここでうじうじしてても変わらない)

雪実は勢いよく扉を開けた。

続く

〜 後書き 〜

前回の善悪デスゲームにたくさんの ♡をありがとうございました!

少し進化?した善悪デスゲーム Ⅱを 楽しんでいただけたら嬉しいです。

そして、別作【裏TELLER】を テラコンで優秀作品に選出していただけました!

2作の神作品と並べさせていただけるだなんて、、_|\○_

皆様のおかげです。 本当にありがとうございました!

それでは、善悪デスゲーム Ⅱ 本編も よろしくお願いします<(_ _*)>

拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました!

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