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ある日の休み時間。
千帆
友達
千帆
千帆は後ろの席にいる地味なクラスメイトの机に、わざと飲み物をこぼした。
千帆
そのクラスメイトは廊下から雑巾を持ってきて、床と机を掃除し始めた。
千帆
千帆は小さく呟いて教室を後にしてトイレに行く。
千帆
派手なメイクを直し終え、教室へと戻る。
先生
千帆
先生
千帆
友達
千帆
友達
千帆
友達
千帆
友達
サイトへの行き方は、自身のメールアドレスに 「うわさ流し」という件名でメールを送ること。
興味半分で家に帰ってやってみた千帆。 数分後、知らないアドレスからメールが届き、 それにはリンクが貼られていた。
千帆
『うわさ流し』というサイトに行くことができた。
サイト
サイト
記入欄に適当に入力し始める千帆。
「明日の授業が全部自習になるらしい」
特に期待はせず、千帆はパソコンを閉じた。
翌日、千帆は驚きで教室前で立ち尽くしていた。
黒板には「本日自習のみ」と書かれてある。 昨日あのサイトに書き込んだことが本当になった。
千帆
同じ噂は連続では流せず、 投稿自体も一日一回しかできない仕様になっている。
千帆は一日一個書き込みをするようになった。
「自販機のお釣りがしばらく残っているらしい」 「明日〇〇が○○の前で滑ってこけるらしい」 「学食が一週間タダになるらしい」
千帆
千帆は飽き始め、 自分に有利になるような事象を交代で書き続けていたが、 最近違和感を感じるようになった。
友達
先生
友達
先生
この一週間後、千帆の友達は退学処分となった。
千帆
自販機で飲み物を買ったとき、お釣りが出てこないことがしばらく続いた。
千帆
生徒がたくさんいる中で盛大にこけてしまった。
千帆
それだけではない。違和感はもっと強くなっていく。
千帆
学食のおばちゃん
千帆は学食のおばちゃんに文句を言い続けるが、 もちろん軽くあしらわれてしまった。
千帆
この憂さ晴らしにまたサイトに書き込む千帆。
「○○高校の飯島千帆以外の生徒が雨に濡れるらしい」 「掃除当番が飯島千帆に回ってこなくなるらしい」 「○○のペンが全て出なくなるらしい」
その内容は徐々にハードなものになっていった。 しかし、一か月後になるとまた不幸ばかり起こる。
千帆
メイクが崩れ、学校に着いてからメイクを直す羽目に。
クラスメイト
千帆
クラスメイト
千帆
掃除当番表には千帆の名前しか載っていなかった。
千帆
気が付けば持っている全てのペンのインクが出なくなっていた。
千帆
おかしいことには気づき始めていた。 しかし、千帆は重要なことに気づかない。
「嫌いな奴の友情が壊れるらしい」 「○○先生が謹慎処分になるらしい」 「道端で知らない人がカツアゲに遭うらしい」
ストレスが溜まり続ける千帆。 書き込みもエスカレートしていく。
友達2
千帆
友達2
千帆
千帆は友達と口論になった。
友達2
千帆
友達に思いきりビンタをかました千帆。
千帆
友達2
うずくまる友達に、千帆は容赦なく暴力を加えていく。
先生
先生が止めに入る。 それでも暴れ続けた千帆は一週間の自宅謹慎となった。
千帆
千帆は爪を嚙みながら近くのコンビニまで歩いていた。 その時、大柄な男と肩がぶつかった。
男
千帆
男
千帆
無理やり財布を取られてしまった。 千帆はその場にへたれこむ。
千帆
ぶつぶつ言いながら家に帰り、部屋に引きこもった。
千帆の母
千帆
完全に引きこもりになってしまった千帆。
千帆
暗い部屋で一人、泣きながら愚痴ばかり吐く日々。
千帆
おもむろにパソコンを起動する。 開いたのは『うわさ流し』だった。
「飯島千帆を不幸にした奴は殺されるらしい」
千帆は勘違いしていた。 注意事項をよく読まずに書き込んでいた千帆が気づくはずもなかった。
サイト
サイト
サイト
書き込み投稿した内容は変更不可だ。
千帆
ふらっと外に出た千帆。 背伸びをしながらその辺をぶらぶらと歩いていた。
千帆
信号待ちをしていた千帆の背中を、誰かが押した。 勢いよく道路に飛び出した千帆は……。
周りの人
周りの人
周りが騒がしくなる。 そんな中、にこやかに千帆を送り出す者がいた。
???
フードを深く被った何者かは、静かにその場を立ち去っていった。