クラゲのような君は僕を毒す
騒がしく煌めく夜の街で 僕は君と出会った
黄
黄
青
黄
僕はこういう他人の迷惑を 考えずに自分は大丈夫と過信し、 はっちゃける人が苦手だった
だって結局は、他人に助けてもらって 自分は1人でやっていけないと そこでやっと気づくから。
この人にも、気づいてもらおう。 自分が惨めだと感じないように。
青
青
家に帰った方がいいですよ?
黄
青
黄
頼んでないし...迷惑かけてないよ?
青
黄
はぁ..全然だめだ.. この調子じゃ埒があかないよ..
青
黄
青
不覚にもドキッとしてしまった
案外、そこまで酔ってないのか..? 他人に誘ってくる人はだいたい、 感謝、謝罪が出来ないと思うけど..
そんなことはさておき 知らない人と呑むことに なってしまった
普段ならダッシュで逃げるが、 なぜか今は無性に、誘いにのって しまいたくなった、
あの後、1杯どころで 終わるはずもなく今は2軒目に 向かっている途中だ
話すうちに、どんどん 見ず知らずの君のことが 知りたくなっていく。
黄
青
黄
いきなり口を開いたと思ったら なんてこと聞くんだ
青
黄
もう帰ろっかな..
青
黄
黄
ただ少し呑むだけだと思っていたら 結構仲良くなって 黄くん、青ちゃんと呼ぶように までなった。
自分自身、初めての人と 話す時カトコトになるのだが
なぜか黄くんには緊張しなかった
それどころか、もう随分前から 友達のような感覚にも 陥りそうになる。
黄
黄
青
青
黄
目の前にあったのは、 居酒屋でもなんでもなく ラブホだった。
青
黄
黄くんは、ぼくの手をとって 店に入った
どんどん事は進んでいき ついに部屋の中まで来てしまった。
黄
黄
彼は上目遣いで僕を見てきて、 可愛い顔と甘い声で 僕を誘惑してくる
多分だけどもう彼は既に 酔ってなんかないと思う
だけどそんな顔で言われて 我慢できるやつがいるのだろうか
僕は勢いよく彼にかぶりついた
部屋の中に甘い空気が広がっていく
この狭い空間のなかに2人きりで 密着する。 それがより僕の興奮材料になる。
いやらしい音が部屋中を包み込む
彼はまるでクラゲのようだ
ふわふわしていて、 今にもどこかへ、消えてしまいそうなほど儚い
でも綺麗なものほどなにかを 隠しもっている
僕は君の毒に侵されてしまったようだ
今日初めて出会った人と体を重ねる。 これほど、優越感と罪悪感に 浸り、傷つくものはないだろう。
でも、それを優越感だけで 終わらせられるほど、君は 魅力があふれている。
そんな君とは、今日を境に、 君と僕はセフレという関係になり 僕が望んでいる君との関係性には もうなれない。
でも君とだからこそ、 そんな関係も綺麗なもの として感じてしまう。
まぁ欲を言うなら、 君の隣にたって 君を守り愛し続けてみたい。
もし君が同じことを 思ってくれているのなら
クラゲがウミガメに食べられてしまう のと同じように、
君が、他のやつに食べられないように
僕は君専用の毒にでもなって 守るからさ。
それに君はどこかに いつか消えてしまいそうで どこかに行ってしまいそうだから
僕の手でしっかり躾してあげなきゃね
こう考えてしまう僕は もう二度と君からは 離れられない。
それほどまでに君の毒は 僕の体に染み込んでいたみたいだ。
end