あの日、俺の青春の全ては終わったと思う
目の前であいつが飛び降りた、あの日から
周りは誰もあいつの事を教えてはくれなかった
1番の親友、あいつを理解しているのは俺だけでいいと言う自惚
だが、それでもあいつの心の支えとなる事は出来たはずなんだ
だが誰も教えてくれはしない
まるで周りが皆嘘をついているような感覚
望ましくはなかった
あいつが好きだと言った場所を巡る度に出てくる喪失感
辞めたいのに、辞めれなかった
もう生活の1部になった
あいつは作曲が好きだった
俺はサックスを吹けたからあいつが持ってくる曲を吹いては、小さな演奏会をしていた
吹き終わった時のあいつとの満足感が好きだった
あいつの作曲は天才的な物だったと思う
でも決して感想は言ってくれなかった
それでもあいつが満足そうに笑う顔で、充分に満たされたんだ
元々サックスが好きだったわけじゃない。重いし、首も手も痛くなる。どちらかと言われると、嫌いだった
あいつのおかげで好きになったんだ
でももう二度と吹くことは無い
あいつを思い出したくないからだ
あいつを切り離して、徹底的に過去に嘘をついた
だから、この未来は今までの俺を否定する事なのかもしれない
Nakamu
smile
仕方がない、予想のしようがないから
…すまん、言い訳だ
Nakamu
smile
Nakamu
smile
言い間違え、なんで知ってんだよ
Nakamu
いや、俺が吹けるのを知ってるのは…
…
Nakamu
smile
…明日学校へ行くのが憂鬱だ
smile
Nakamu
入った瞬間近くに駆け寄ってくる
犬か…?
Nakamu
smile
smile
Nakamu
smile
やる気も無いし
smile
Nakamu
smile
おいそれと復活できるなら苦労は無い、悲しんでもない
そんな簡単じゃない
smile
Brooook
smile
意外な登場人物に驚いた
Brooook
Brooook
ニヤ、と、悪い笑いの彼が何かを言う
…聞きたくはない
Brooook
Brooook
smile
あいつが遺した…曲…?
きりやん
smile
きりやん
smile
きりやん
きりやん
smile
きりやん
きりやん
smile
smile
きりやん
きりやん
smile
きりやん
きりやん
きりやん
直ぐに作曲に戻ったきりやんが言う
さっぱり理解ができない
きりやん
きりやん
smile
その問いには答えず、カリカリと鉛筆を動かす 曰く、シャーペンとかは二流、らしい
smile
きりやん
smile
きりやんの楽譜なんて読めたもんじゃないと当時は呆れたが今となってはそれしか読めない
何も、読めないんだ…
差し出された楽譜を見てみたが、そのまんまあいつの楽譜だ
Brooook
smile
まるで暗号を解読するみたいにすらすらと音を読み上げていく
Nakamu
smile
Brooook
Brooook
smile
眉間を掴み、唸りながら返事をする
Brooook
smile
ポロッと言ってのけたそいつに思わず口がこぼれる
Brooook
smile
あいつは死んでいる 信じても信じたくなかった事実は既に現実だった
Brooook
Brooook
さも申し訳なさそうに言う
Brooook
と思ったのもつかの間満面の笑みでそう言われた
Nakamu
Nakamuも宇宙人を見たような感じになっている
smile
捻り出した第一声はすぐに消えた
Brooook
満面の笑みで楽譜を掴む姿は狂気そのものだろう
Brooook
Brooook
smile
ハナから知っていたが
こいつはもう狂ってる
smile
Nakamu
smile
Nakamu
Brooook
Brooook
smile
Brooook
smile
放課後直帰は無理そうだ
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
後ろで流石だねなどと言っている奴はほっといて
とりあえずソファの上で寝転ぶ
全く便利な音楽室だな…
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
首元に冷たいパレットナイフが当たる
smile
Brooook
首の違和感が消える
smile
Brooook
smile
Brooook
昔から全く変わってなくて恐ろしい
通報してやる…
smile
Brooook
smile
Brooook
Brooook
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
その時は多分、暗い目だった
Brooook
Brooook
smile
ふ…ふぅぅ…ふぅぅん…
smile
Brooook
Brooook
smile
Brooook
Brooook
ふ菓子を貪りながらそういう
というより、リードセットまでしてあったぞ…
こいつは一体、どこまでよんでいるんだろうか
Brooook
smile
Brooook
smile
昨日死に物狂いでスパルタ練習したおかげでとんでもない実力となった
…はずが無い
今日は特別にbroookと俺が休みらしいので(broook家に)帰ったらすぐに練習だ
smile
Nakamu
smile
Nakamu
smile
Nakamu
smile
Brooook
Nakamu
Nakamu
smile
Nakamu
smile
Nakamu
smile
smile
Nakamu
smile
smile
Nakamu
Brooook
Brooook
smile
Brooook
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
Brooook
smile
今はあいつは下にいるし、少し吹くだけだ
Brooook
きらきら星なんて二度と聞かないと思ってたんだよ 僕は
Nakamu
Brooook
smile
Brooook
Nakamu
Nakamu
smile
Nakamu
Brooook
Brooook
smile
Nakamu
あ、おはようございます!
基礎合奏します?
打楽器運ぶの手伝ってー!
Nakamu
最近は聞き慣れた景色だ
smile
Brooook
器用にリードをセットし、サックスを構える
部長、nakamuの合図で基礎合奏が始まる
nakamuのトランペットがとても器用に全体を操る
Broookのクラリネットが全体の基盤となる
俺のサックスが乗っかり更に音が高まる
本当にこれでいいのか
上手く乗っけられているみたいだ
本当に俺がしたいのは、これなのか━━━
ピーーーーーー!!!!
smile
甲高いリードミスの音が響く
Brooook
Brooook
smile
smile
Nakamu
smile
Nakamu
smile
何やってんだ、俺
Broookやnakamuに心配かけた 迷惑かけた
あいつが見たらどう思う
鼻で笑われるか
俺らしくないな
…
考えても、意味の無い答えばかりだ
Brooook
ガヤガヤ
ジュース下さーい
チケットですこれ
あちらへどうぞ〜
smile
Brooook
smile
Nakamu
静かに楽器を構える
サックスの暖かい音で曲が始まった
今日は俺、nakamuにとって、曲を吹く最後の日になるだろう
卒業した後吹奏楽を続ける気は無い
部長として過ごした日々を振り返る
何の変哲もない日々に突如として入ったスパイス
Brooook
それは紛れもなく最後の思い出として刻まれることだろう
最初はこんな曲、って思ってたしsmileに好印象もなかった
話す用があれば話すし用がなくて話さなくていい状況なら話さない
そんなもの
だからどうでもよかったんだ。サックスを使える、とか
でも必死で練習をしてるsmileをみてさ
自分を恥じた
この曲に全力で取り組んでくれてるんだって
こんな曲に
自分は部長だからってタカをくくっても
何も知らなかった
知らないみんながいた
ねえ、きりやんは見てるかな
きりやんの曲でさ、救われたんだ。俺
だから精一杯贈るよ
きりやん達に
不思議と疲れも息苦しさも、トランペットの重さもなかった
この曲が終わったらきっと、この輝きに二度と触れることは無い
だから部長として1人の人間として、nakamuとして
この時間を素晴らしい物にしよう
それで誰かが幸せになるような未来があるのなら
託していこう
後輩へ、この曲を
この、幸せを
自分の持つクラリネットを思わず握りしめる
息に、指に、力が入る
この音色がずっと壊れることがないように願う
嬉しかったんだ
smileと一緒に過ごせた日々が
きりやんの訃報は長いこと知らなかった
教えてくれたのはnakamuだった
僕は元々クラリネットなんてやるつもり無かったんだよ
でも、きりやんのためにもう一度楽器を持った
今この場に立っているのはきっと
nakamuとsmileのおかげだ
本人達は知らないと思うけど。
僕はきりやんとお別れしたくてこの曲を吹くんじゃない
きりやんとまた会いたいから吹くんだ
執着とかじゃなくて
でも、もしかしたらきりやんと吹っ切れるためかもしれないのかも
僕が僕として生きるために
これが終わっても吹奏楽は続ける気だ
でも、もうクラリネットを手にすることは無いだろう
nakamuに教えてもらったトランペット…
きりやんが大好きだった楽器だ
だからあの輝きは僕が受け継ぐ
絶対に絶やさない
僕がそこにいる限り、絶対に
クラリネットを握りしめる手が少しだけ緩まった
ようやくこの日が来た
もしかしたら来てしまった、というのが正しいのかもしれない
何度夢に見たか分からない景色が
今俺の立つ場所に詰まっている
一つだけ、たった一つだけあいつに聞きたかったことがあった
お前の本心…
本当に俺はお前を満足させられていたのか
それが心残りだった
もう二度と会うことは叶わない
それでも、2人、いや、3人で過ごした記憶が消えることは無い
そう願っている
サックスで1音1音きりやんの遺した思いを奏でていく
これがきっと最後なのだと分かってしまっている
俺の中にあるきりやんはきっとこれでお別れなのだと
あいつの気持ちがどうとか
そういうのが欲しいんじゃない
これは悲しい別れじゃなくて
これからの未来を俺自身が踏み出し描いていくための
第1歩なんだ
サックスの音が心做しか跳ねていく
まるでかつてのあの時みたいに
暖かく、幸せな
曲だった
文化祭が終わり、各々に別れが告げられる
帰り道、ふと考えた
smile
記憶を探ってみる
smile
途端、暖かい風が吹いた
smile
Broookも、あいつも、一体どこまでよんでいたのか
smile
ゆっくりと背伸びをし、呼吸をまるで吹奏楽部のように吸って吐く
smile
だからこそ、その意味を知るのは俺だけでいい
smile
なんだか、新しい青春が始まる気がした
━━━Someday is the sun
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