この作品はいかがでしたか?
152
この作品はいかがでしたか?
152
目を覚ました。
焦点がぼんやりして定まらない。
明るい……
部屋の中に柔らかな光に満ち溢れていた。
少しして
空っぽの枕が目にはいる。
ケイジがいない!
ワコははっとして起き上がった。
ケイジ(Κ)
ケイジはワイシャツにネクタイを締めている最中だった。
腕にはめた高級時計をちらりと見る。
ケイジ(Κ)
ケイジはワコの額に手をあてる。
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジは点滴を見やる。
ケイジ(Κ)
いたって真面目。
少しの後ろめたさも感じさせない。
横に腰掛け、ワコの腕に巻いたテーピングを外し始めた。
夕べ、ワコに触れた時と同じで
その手はまるで大切な置物を扱うがごとく、一つ一つが丁寧だった。
愛情に満ちたケイジの 眼差に
薄明かりの中、共に過ごした閨事のことが思い出され、
ワコは恥ずかしさのあまりうつむいった。
ワコ
ワコ
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジは笑うと
点滴パックを勢いよくゴミ箱へ放り投げた。
ワコ
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
コンコンと
ノックの音──。
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
コンコン
もう一度ノック。
ケイジ(Κ)
ケイジ(Κ)
ドアに向かって呼びかけた。
ケイジ(Κ)
ワコ
ワコ
ケイジはワコの額にキスしてから部屋を出ていった。
何だろ?
結婚の実感もないまま夫婦やるて……
15分後
ワコはシャワーどころか、バスタブに熱い湯を溜め浸かっていた。
本当に久しぶりの湯だ。
次第に頭がハッキリとしてきた。
監禁生活から一転
何もかもが180渡変わってしまった。
自分の記憶にある現実
ケイジの言った現実
どっちらか一方が真実だ。
あまりにもサイコパスであるKがリアルすぎて、ケイジの言うことが信じきれない。
いずれにしても
夫だと信じられる根拠が欲しがった。
屋敷の中を探索したら
何か思い出されるかもしれない。
ワコはすっぽり頭まで湯に浸かった。
部屋に戻ると
小さな丸テーブルの上に
朝食が乗っていた。
いつの間にかベットメイクまでされている。
あの人
ヨシエさんって言ったっけ。
ワコの中に彼女の記憶はなかった。
クローゼットを開ける。
身に覚えのない洋服たち──
ここにも記憶はない。
ワコ
ワコ
ヨシエ
わっ!!
音もなくは入ってきたヨシエにワコはドキリとした。
ヨシエ
青白い顔がすぐ後ろに立っていた。
ワコ
ワコ
無表情でどこか不気味。
ホラー映画そのままの家政婦だ。
ヨシエ
テーブルに置く。
ワコ
ワコ
ワコ
ワコ
ヨシエ
ヨシエ
ヨシエ
ヨシエ
ワコ
ワコ
ワコ
ヨシエは下がろうとしない。
きっと何かが足りない。
ワコ
ワコ
ヨシエ
ヨシエがドアノブに手をかけた。
ワコ
ヨシエ
ワコ
ワコ
ヨシエ
ヨシエ
ぴしゃりと言うと
ヨシエは部屋を出ていった。
……。
ワコ
ワコ
ワコ
ワコ
ワコ
うん
うん
ワコはバスローブを脱ぎ
適当に選んだワンピースを着た。
サイズはぴったり
あ……ここに靴がない。
ワコ
ワコ
ワコ
ややこしい
ワコ
ワコ
30分後
朝食を食べ、薬を飲み終えるとワコは証拠探しを始めることにした。
以外にも結婚式の写真はすぐに見つかった。
寝室用の隣にはケイジの書斎があった。
机の上の写真立て
そこにウェディングドレス姿のワコとタキシード姿のケイジが並んでいた。
ほっとするのも複雑だ。
ワコ
ワコ
ワコ
よくよく見てみたが首だけすげ替えた合成とは思えなかった。
ワコ
ワコはため息をつくと書斎を出た。
にわかに外が騒々しい
窓から外を見た。
庭の奥の離れ、古い病院のような建物が建っている。
回りを防音壁が囲み
重機による解体作業が始まっていた。
あれって・・・
もしも
仮にも
あそこに
監禁部屋があったとしたら
つづく
コメント
1件
妄想しまくり