あれから少しして、
ソファから降りようと体を持ち上げる。
ソファの下には橙が横になって 寝ていた。
俺は使っていた毛布を橙に軽く掛けて あげた。
橙は寝返りを打って 俺の方に顔を向けた。
睫毛は長くて
肌も綺麗。
おまけに顔も小さい。
普段顔をあまり見ないからか、
「整ってる顔だな」
と少し嫉妬した。
俺はその場にしゃがんで
橙の頬に手を当てた。
橙は少し口角を上げて、
幸せそうに笑った。
「もう怒られないのかな。」
そんな期待が膨らんだ。
リビングを出ようとドアノブに 手を掛ける。
でもそれより先にドアが開いた。
俺より10cm以上高い身長。
スラッとした見た目。
黄くんだ。
俺は身を引いて黄が通れる様にする。
そうしないと怒られるから。
でも黄はいつまでたっても足を 動かさない。
不思議に思った俺は俯いた顔を上げる。
その瞬間、
体が重くなって倒れ込んでしまった。
固く瞑った目をゆっくりと開ける。
横に大きく映るのは、
ふわふわな黄色の髪。
耳から聞こえるのは、
静かに啜り泣く声。
黄は俺の耳元で、
と繰り返し呟く。
驚きと恐怖が俺を襲う。
俺も精一杯の声で黄に話し掛ける。
我に返ったかの様に黄が離れて俺と 目を合わす。
黄は泣きじゃくった子供の様な 顔になっていた。
1度深呼吸をして足を動かし、 黄は正座に座った。
戸惑いを隠せない俺は目が あちらこちらに泳ぐ。
でもそれを無視して黄は話す。
黄の目に涙が溜まる。
俺は何も言えずただ黙り込むだけ。
黄がそこまで思ってくれていた事にも 罪悪感を感じた。
何を言っていいか分からない俺は、
と思っている事をありのままに伝えた。
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コメント
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5678にしたよ!
怖い怖い、4444になっとる
もう、皆♡早いんだって () 僕の押す分残しといて ☆ () 今から押してくるお☆