この作品はいかがでしたか?
102
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夏祭りから数日後、世間はお盆休みに突入していつもは静かな村も帰省してきた人達でいつもりより騒がしくなっていた。
もちろん、うちの家も例外なく母親が故郷であるこの村に帰省してきている。
母
文月
母
母
文月
自分ではそんな気はしないが、きっとそうなのだろう。 俺はこの村に来て充実した日々を送っているし好きになってしまった子もいる。
如月
母
文月
母
文月
文月
心の内を読まれたような二人の発言につい吹き出してしまった俺は慌てて勉強をすると言って自分の部屋に逃げ込んだ。
母
如月
母
如月
母
その日の夕方、母さんが帰ってきた事を聞いた皐月さんが夕食に招待してくれ俺達3人は皐月さんの家に向かった。
弥生
母
弥生
皐月
母
皐月
母さんが弥生達に一通りの挨拶を済ませている間、俺は皐月さんに言われて先に庭でバーベキューのための火起こしをしていた。
文月
祭りでのあの出店の事を思い出しながら少しぼやきながら炭に火を付け準備を進め、ようやくそれが終わった頃に皆んながやってきた。
皐月
母
弥生
皐月
皐月さんの一声でバーベキューは始まり網の上に肉やホタテ、皐月さんやウチの畑で取れた野菜達が並ぶ。
皐月
母
皐月
文月
皐月
そう言われて皐月さんが差し出した紙コップにビールが並々と注がれる。
皐月
文月
勧められたビールを一口口にしたがなんとも言えない苦味に到底グイッとはいけずコップをテーブルに置く。
弥生
皐月
弥生
文月
そんな事がありながらも夕食は楽しく終わり火の消えそうなバーベキューコンロを囲んで大人達は世間話に移っていた。
母
文月
弥生
文月
弥生
文月
おばあちゃんを連れて帰った俺は弥生に言われた通りバケツに水を入れて彼女を待った。
文月
俺の予想通り弥生が花火を持ってウチの家にやってきた。
文月
弥生
ただ、俺の予想した花火はスーパーなんかで売ってる手持ち花火のセットだったが弥生が持ってきたのは玩具屋やドンキ等で見かける打ち上げ花火や噴射花火が入った特大セットだった…。
文月
少し不安そうな顔をしていた弥生に笑顔でそう返した。
弥生
俺の返答にパッと笑顔で答えてくれた弥生は打ち上げ花火もあるから家の近所は危ないと近くの河原に移動する事を提案し俺達は移動する事にした。
辺りは家もなくほとんど真っ暗で光と言えば街灯と持ってきた懐中電灯ぐらいであった。
文月
弥生
そして、俺達はちょうどいい場所を見つけて花火を始める事にした。
文月
弥生
文月
弥生
文月
そして、最初の噴射花火に火を付けた。
文月
ブシュュュ!という音と共に赤い火花が噴き上がる。
弥生
文月
一つ目の花火が終わると同時に次の花火に火を灯していく。
次々に打ち上がり吹き出す花火に俺達は童心に帰ってはしゃぎ回った。
そして、ふと俺の中にある思いがよぎった。
想いを告げるなら今ではないか。
その思いに急に我に返った俺は弥生を見る。
弥生
最後の打ち上げ花火を手に持って少し残念そうにしているが彼女のすごく楽しそうにしている。
そして、暫く棒立ちだった俺に弥生が声をかけてきた。
弥生
文月
さっきの思いに打ち上げ花火どころではなくなった俺の心は慌てふためいている。
そして、最後の打ち上げ花火が上がり手元にある数本の線香花火でこの幸せな時間は終わりになる。
そうして、急激に早くなった心臓の動きをなんとか制する様にして俺は覚悟を決める。
残り2本となった線香花火に火を付ける前に俺は弥生に想いを伝えようと顔を上げた時…。
弥生
文月
意を決し喉まで来ていた言葉は弥生の一言でどこかに消えてしまった。
弥生
文月
何故か謝ってしまった。 線香花火のか細い光に照らされる弥生の表情が暗いものに見えてしまったから…。
弥生
そして、さっきの表情は嘘みたいに明るい顔を見せる弥生であったが。 やはりどこか寂しそうであった。
弥生
文月
弥生
文月
弥生
文月
弥生
そして、俺が弥生に気持ちを伝えられないまま二人きりの花火が終わる。
その後、片付けをして家路に着くがいつも会話の絶える事のなかった俺達はほとんど無言のまま弥生を家に送って行った。
コメント
8件
伝えろよ!あと一週間だろ!←自分ができないことを押し付けるな
最終回楽しみ〜!! ハッピーエンドだといいな〜( ˙࿁˙ )ᐝ
文月の恋が実事を願う(。>人<)