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コメント
3件
天才というスタンプはないのでしょうか……
·͜· ︎︎♡
·͜· ︎︎♡
·͜· ︎︎♡
na .
ya .
ur .
·͜· ︎︎♡
·͜· ︎︎♡
学校1イケメンの王子様は
私のことが大好きらしい
❥𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡❥
私には、幼なじみがいる
運動も勉強も·····
なんでもできて、とびきり優しい幼なじみが。
同い年なのにどこか大人びていて、紳士で
まるで王子様みたいな人
ya .
大好きな声が聞こえて、瞼を開く
ゆっくりと広がっていく視界の真ん中に
綺麗な笑顔が映った
na .
名前を呼んだ私に、再び微笑むその人の名前は
赤宮ゆあん
私の幼なじみ
ya .
朝に弱くて、目覚めの悪い私をいつも起こしに来てくれる
まだ寝ていたくて、私はわがままを零した
na .
ya .
ya .
ゆあんくんのその一言は
私を一瞬で現実世界へと引き戻した
na .
朝の恒例になっている、ゆあんくんの決まり文句
本人は冗談で言っているんだろうけど
朝からすごく心臓に悪い
ガバッ!と勢いよく起きた私を見て
ゆあんくんはいたずらが成功した子供みたいに笑う
ya .
ya .
ざ、残念って·····
そんなこと、絶対に思っていないくせにっ·····
na .
ゆあんくんはいつも優しいけど
たまに意地悪だ
ya .
ya .
na .
na .
ya .
ya .
·····うっ
否定できなくて、返事に詰まる
na .
素直に頷くと、ゆあんくんはまたくすりと笑って
私の頭を撫でた
いつもの朝
ゆあんくんと私は、だいたい毎日こんな感じだ
寝坊助でドジで間抜けで·····
何にもできない私と、いつも一緒にいてくれるゆあんくん
私がどんなヘマをしたって
怒られたことは1度もない
優しい優しいゆあんくん
私はそんなゆあんくんが大好き
幼なじみとしても、ひとりの男の子としても__
でもそんなこと
ゆあんくんは知らないし、言うつもりもなかった
ゆあんくんにとって私は、妹みたいな存在
この恋は、誰にも内緒
na .
鞄を持って、リビングを出て玄関に向かう
母
母
母
家を出る間際
投げられた言葉に少しだけ肩を落とす
今日はひとり、か·····
na .
na .
でも、もう私も高校1年生で
寂しいだなんてわがままを言える年でもないし·····
我慢しよう
na .
玄関を開けて家を出ると
家の門の前でゆあんくんが待っていてくれた
同じ高校に通うゆあんくんは
登下校を一緒にしてくれる
急いで駆け寄った私を、
何故かじっと見ているゆあんくん
ya .
無言で見つめられ、首を傾げた
na .
ど、どうしたんだろう·····?
私、顔になにかついてる?
そんなに見つめられたら、顔に穴があきそう·····
ya .
·····え?
その言葉で、ゆあんくんが私の頭に付いたピン留めを
見つめていたのだと分かった
na .
na .
na .
ya .
ya .
ya .
不意打ちの言葉にドキッとし、思わず反応してしまった
か、わいい·····
深い意味がないことは分かっている
きっと道端で見かけた猫を見て、可愛いって言うのと同じ感覚だと思う
でも·····
ゆあんくんに言われると、うれしくて過剰に反応してしまう
na .
きっとみっともないくらい赤くなっている顔を
隠すように俯いた
学校に近づくと
生徒たちの視線がゆあんくんに集中する
女の子はみんな、目をハートにしてゆあんくんを見ていて、
それに少しだけ胸が痛んだ
ゆあんくんは人気者
かっこよくて、勉強も運動もできて
優しくて·····
みんなゆあんくんを好きになる
見た目も中身も
まるで絵本の中から飛び出てきた王子様みたい
赤いメッシュが入った黒髪の綺麗な髪に
透き通るような赤色の瞳
すらりと伸びた長い手足
何を着ても様になる、モデルさんのようなスタイル
神様が丁寧に作りあげたような
綺麗すぎる容姿
ファンクラブだってあるみたいだし
校内ではアイドルのような存在だ
モ ブ(使い回し)
モ ブ(使い回し)
モ ブ(使い回し)
周りから飛んでくる声に
ゆあんくんは笑って返していた
ゆあんくんの笑顔に、「きゃー!!」という黄色い声が
そこかしこからあがる
モ ブ(使い回し)
モ ブ(使い回し)
女の子たちが、ゆあんくんの方を見てそう言っているのが聞こえた
うん·····すごくわかる·····
ゆあんくんは、ほんとにかっこいい
どんなときも、いつだって、一番かっこいい
こうやって騒がれているのだって、いつもの事だ
別に、ゆあんくんを独り占めしたいだなんて思っていない
でも·····こういうとき
ぼんやりと考えてしまうんだ
ゆあんくんは好きになってくれた女の子の中から
いつか彼女を作って
私から離れていくのかな·····って
そう考えると、胸が苦しくてどうしようもなかった
隣を歩きながらじっと、ゆあんくんの横顔を見つめる
恋人になりたい
だなんて、
わがままは言わない
でもせめて·····
ずっと幼なじみとして、ゆあんくんの近くにいたいよ
ya .
ya .
そんなことを考えていると
突然ゆあんくんが私の方を見た
バレていないと思っていたから
驚いて変な声が出る
na .
na .
恥ずかしくて、慌てて視線を逸らした
ya .
ya .
深く聞いてこなかったことにホッとして胸を撫で下ろした時
肌を刺すような冷たい風が吹いた
na .
今日は中に着込んできたけど
まだまだ防寒不足だったみたい
冬休みが終わり、冬本番の今の寒さは凶器だ
2月はもっと寒くなるって言ってたけど·····
今年の冬を乗り越えられるかな·····
ya .
私を見て、ゆあんくんが心配そうに言う
na .
ゆあんくんには心配かけたくないから
笑顔でそう答えた
するとゆあんくんが突然
自分のマフラーを鞄から取り出した
そしてそのマフラーを、私の首に巻き始める
·····え?
きゃぁーー!!❤
女の子たちが、目をハートにしてこちらを見ている
ya .
自分のマフラーを私の首に巻いて
満足気に微笑んだゆあんくん
笑顔も行動も
全部がスマートで
本当に王子様みたいだなと改めて思った
na .
ya .
ya .
ポンっと頭を撫でられ、それ以上何も言えなくなる
na .
素直にお礼を言って
ゆあんくんが貸してくれたマフラーをぎゅっと握った
マフラーからふわりとゆあんくんの匂いがする
na .
na .
na .
なんだか幸せな気持ちになって
思わず笑みがこぼれた
ya .
·····ん?
na .
視線を感じて隣を見ると
ゆあんくんがじーっと私を見て固まっていた
私の呼び掛けに、我に返ったのか
ハッとした表情をして、いつもの優しい笑みを浮かべたゆあんくん
ya .
ya .
そう·····?
あ、もしかして
寒さでぼーっとしちゃっていたのかもしれないっ·····
今更返すって言っても、きっと断られるだろうし·····
明日からは、自分でちゃんとあったかいマフラーをしてこようっ·····
ya .
ya .
さっき、うちのお母さんにでも聞いたのかな
ゆあんくんの言葉に首を縦に振る
na .
na .
ya .
ya .
na .
思わぬ提案に、目を見開いた
ya .
ya .
ゆあんくん·····!
na .
ya .
お泊まり·····
久しぶり·····
今日はひとりで寂しいなぁと思っていたから
こんな展開になるなんて·····!
na .
頬がゆるむのを抑えられなくて
きっと今
だらしない顔をしているに違いない
ゆあんくんと、ずっと一緒にいられる
今日はいい日だっ·····
ya .
·····え?
na .
na .
こっちを向いて、ぼそりと何か呟いたゆあんくん
小さい声だったから聞き取れなくて、そう聞き返す
ya .
ya .
na .
その時私は
ゆあんくんの家にお泊まりできるのがうれしくて
はぐらかされたということに気づかなかった
ふふっ、楽しみだなぁ
…ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ