千秋の家に1台の車が帰ってきた
有明
え?
有明
千秋…!?
千秋が帰ってきた!
これはなにかの運命だろうか
でも話すなら、今しかない!
有明
お母さんごめん!
ちょっと行ってくる!
ちょっと行ってくる!
有明 母
あら?時間ぎりぎりだから少しだけよ〜
タッタッタッ
有明
千秋!!
千秋
有明!?
千秋
どうしたの?
有明
引っ越しの日が、明日じゃなくて今日だったみたいで…
千秋
え
有明
もう今出発しなきゃなの
有明
ごめんね
千秋
そうなのか…
急な出来事すぎて、驚いているけど とりあえず今の事情を話す
ごめん、千秋も困惑するよね
千秋
有明!あの、俺言いたいことがあるんだけ
有明 母
有明〜もう行くわよー
千秋がなにか言い出しそうにした時、 お母さんがちょうど私に声をかけた
千秋
ごめん
もう行かなきゃだもんな
もう行かなきゃだもんな
有明
こちらこそごめんね
最後に満面の笑みでこう言った
有明
絶対またどこかで会おうね
最後は絶対笑顔でいようと思って 頑張って涙をこらえた
千秋
…
これ以上いると泣き出しそうだったから、私は千秋に背を向けて、車へ向かった
ほんとは最後まで手を振りたかったけど そんなことしたら
離れたくなくて、辛くて、寂しい気持ちでいっぱいになっちゃうから
振り返らないようにした
千秋としばらく会えないという事実を 受け止めたくなかった
気分が落ち込んでる時は… 昨日作ったあれでも見よう
有明
ってない!?
私は昨日、千秋に渡そうと思って お揃いのキーホルダーを作った。
家に置いてきちゃったかな…
渡すことも出来ず、持ってくることも忘れてしまった。最悪だ…
落ち込みながらも、今は寝ることにした