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かつ、かつ、という音が、 誰も居ない図書室に鳴る。
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雨にでも降られたのか、髪と靴からは 水が滴っている。
男とも女とも会釈できる姿形をした何者かは髪を弄りながら机と机の間を縫って 進み、足を止めた。
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ふと温度計を見やると、室内の温度は14℃ほどだった。
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かつり、とやや重い音が鳴ると、何者かは姿を消していた。
誰も居ない図書室に残されたのは、静寂と小さな水溜りだけだった。
濡れた髪も満足に拭かないまま、私は職員室のドアを開けた。
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マーチ
マーチ
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エイト
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エイト
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ツムル
ツムル
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つくづく、自分の運の無さには嫌気が差す。
ちらと机を見やると、目眩がしそうな程の資料の山があった。
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ツムル
マーチ
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マーチ
マーチ
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私は急いで机へ向かった。
さて、まずは本関連を終わらせないと…
鮫子
鮫子