少女
ねぇ、夏生くん
私あそこで待ってるね
私あそこで待ってるね
夏生
え、君は誰?
あそこってどこ?
あそこってどこ?
少女
じゃあね
夏生
まって行かないでっ!
─────────────────
夏生
っていう夢を見たんだ
祐輔
知ってんのかよ、その子
夏生
知らねーよ
夏生
でも懐かしい感じがした
祐輔
どんな子?
夏生
顔は見えなかったけど、白いワンピースに麦わら帽子被ってたよ
祐輔
白いワンピースか…
祐輔
エロいな…
夏生
おいっ!何言ってんだか
祐輔
悪ぃ悪ぃ
祐輔
ま、明日は凛と茜と海に行くんだし楽しんでいこーぜ
夏生
うん
夏生
じゃあ、また明日な
祐輔
おう
また明日~
また明日~
──────────────── その日の夜
少女
夏生くん
夏生
君は、昨日の
少女
私あそこで待ってるから
夏生
あそこってどこなの?
少女
私と君の思い出の場所よ
夏生
君と俺は知り合いなのか?
少女
そうだよ
少女
じゃあね待ってるね
夏生
待って!まだ聞きたいことがあるんだ!
────────────────
夏生
はっ!
夏生
誰だ、誰なんだ!
夏生
覚えているようで誰かわからないなんて
夏生
とりあえず、海行く準備しないと
────────────────
凛
もー夏生遅いよ~
茜
夏生くん、調子悪そうだけど大丈夫?
夏生
あ、あぁ
祐輔
こいつさぁ、夢に出てくる女の子の事考えてんだよ
夏生
おい、お前
凛
なにそれ~
何変な妄想してんの~
何変な妄想してんの~
夏生
変な妄想なんかしてねーよ
祐輔
ま、夏生のことなんかほっといて遊びに行こーぜ
凛
そうだね!
凛
夏生、テント立てといてね
祐輔
よろしく~
茜
よろしくお願いします
夏生
おいお前ら!
てか、茜まで~
てか、茜まで~
凛
じゃーねー!!
─────────────────
夏生
いやぁ、よく遊んだな~
凛
そうだね~疲れたや~
祐輔
シャワー浴びて着替えてこようか
茜
そうだね…
凛
じゃあ女子あっちだからまたここで
祐輔
おう
──────────────── 20分後
祐輔
俺、4人分の飲み物買ってくるわ
凛
じゃあ手伝うよ
祐輔
そうか、ありがとう
茜ちゃんは?
茜ちゃんは?
凛
それがどっか行っちゃったんだよねー
祐輔
おい、夏生探してこい!
夏生
俺?
祐輔
お前しかいねーだろ
夏生
分かったよ
夏生
茜~、どこいったんだ
少女
…
夏生
あれは、夢の中の…
少女
…
夏生
あ、あの
少女
はい?
夏生
き、君は?
茜
あ、なんだ夏生くんか~
夏生
茜、その格好
茜
変、かな?
夏生
いや、そうじゃなくて
俺の夢に出てきた人にそっくりで
俺の夢に出てきた人にそっくりで
茜
そうなんだ
夏生
うん、似合ってる
茜
ありがとう
茜
…
夏生
…
茜
ねぇ、夏生くん
茜
私のこと覚えてない?
夏生
え?
茜
この場所も覚えてない?
夏生
ここは昔から来てるけど…
茜
そっか、私のことは覚えてないんだね
夏生
会ったことあるっけ?
茜
私の名字、高橋でしょ?
夏生
うん
茜
森下茜
って覚えてない?
って覚えてない?
夏生
えっ、茜ちゃん!?
この海でよく遊んだ
この海でよく遊んだ
茜
そうだよ
茜
私ね、病気だったんだけど夏は熱中症とかで患者さんが増えて病院が忙しくなるから
茜
よく抜け出してこの海に来てたんだよね
夏生
その時に俺と会ったんだ
夏生
本当に会えたんだ
夏生
あの少女は君だったんだね
茜
夏生くんの夢の中の少女は知らないけど、思い出してくれて嬉しい
茜
私、去年病気直して、まだ激しいことをしたら発作でちゃうんだけど
夏生
来て大丈夫だったのかよ!
茜
言い訳ないじゃない
夏生
なんで来たんだよ!
茜
だってやっと退院して、夏生くんと同じ学校に転校して仲良くなって、海に行けるっていうからそんなの行くに決まってるでしょ
茜
ゴホッゴホッ
夏生
おい、茜?
顔色悪いぞ
顔色悪いぞ
茜
大丈夫、だから
茜
嬉しかった、夏生くんと思い出の場所に来れて
夏生
俺も茜と来れて嬉しかった
茜
そっかありがとう
ゴホッゴホッ
ゴホッゴホッ
夏生
やっぱり調子悪いって
茜
うっ
夏生
茜、茜!
茜
ごめん、ちょっとダメかも
茜
せっかく会えたのにね
茜
ごめんね
夏生
俺がもっと早く思い出してれば!
茜
ありが、と…
夏生
茜、待って!
待ってくれー!
待ってくれー!
茜は俺の腕の中で息を引き取った 俺は茜を無理やり連れてきたような気がして、罪悪感が消えなかった 葬儀にも行けなくて、学校にも行けなかった 茜が亡くなって1週間後
夏生
ん~ん~
少女
夏生くん、夏生くん
夏生
っ!
少女
いつまで落ち込んでるの?
夏生
茜か!茜だろ?
少女
かもしれないね
夏生
もう一度顔を見させてくれ
少女
できないよ…ごめんね
夏生
茜、会いたいよ
少女
それは出来ないんだよ
次私と夏生くんが会うのは、夏生くんに大切な人ができて、その人との間にかけがえのない宝物ができて
次私と夏生くんが会うのは、夏生くんに大切な人ができて、その人との間にかけがえのない宝物ができて
少女
その宝物が大きくなって、夏生くんたちがおじいちゃんおばあちゃんになって天国に行ってもいいって思えてからだよ
少女
その時まで私と夏生くんは会えないんだよ
夏生
やだよ、茜が大切な人だよ
少女
ううん、私より大切な人を見つけるの
夏生
…
少女
泣かないで、決して夏生くんのせいじゃない
夏生くんや凛ちゃんや雄輔くんと会えてよかった
夏生くんや凛ちゃんや雄輔くんと会えてよかった
少女
短い間だったけど
ありがとう
ありがとう
少女
最後にこれ
夏生
これは
少女
私のお気に入りのブレスレット
少女
大事に持っててね
夏生
うん
少女
夏生くん大好きだよ
夏生
ありがとう
俺も大好きだよ
俺も大好きだよ
少女
じゃあね、夏生くん
────────────────
夏生
っ!
夏生
ブレスレットっ!
よかった、ありがとう茜
よかった、ありがとう茜






