じいちゃんのタイムマシーン

キキィィィィィィ！！

ドォォォォォォン！！

何が起きたのかわからなかった

激しい下腹部の痛みに襲われ

徐々に強くなる痛みで立てなくなり

歩道と車道のわずかな段差に躓いてしまった

更に腰が抜けたのか完全に立ち上がれなくなり

遠くから近づいてくる車の音に

これが明日夢の言っていた事故なんだと思った

近づいていたのは大型のトラック

あんなのと接触したら一溜まりもない

恐怖で全身が震える

それでもこの子を守りたくて

必死にお腹を庇いながら祈った

ドンッ！！

私は誰かに押されて

反対側の歩道に投げ出された

キキィィィィィィ！！

直後に聞こえたブレーキ音と

ドォォォォォォン！！

何かが激しくぶつかる音

お腹の激しい痛みと

投げ出された衝撃で受けた全身の痛み

やっとの思いで目を開ける

トラックにぶつかった衝撃で

吹き飛ばされた明日夢が倒れていた

全身を強く打ったのかぐったりしていて

出血もしているようだった

さっきまでの痛みが嘘のように

私は明日夢の元に駆け寄った

出血が止まらない

このままでは明日夢が死んでしまう

私が守ると決めたのに

私を守るために犠牲になるなんて

走ってくる丈ちゃんの姿が見えた

道の真ん中で斜めに止まった大型トラック

ぶつかった衝撃て飛ばされ道路に叩きつけられた明日夢は

トラックから離れた所に仰向けで倒れていた

道路に残ったブレーキ痕が事故の凄惨さを物語っている

丈ちゃんが明日夢に気づいて声をかける

出血が止まらず

苦しそうに息をする明日夢を見ているのが辛かった

いつもそうだった

明日夢はいつも私を励ましてくれた

泣いている私を抱きしめて慰めてくれた

明日夢は私に会うために

時空を越えると言う

まだ誰もしたことのないことをずっとしてきた

もしかしたら……

それは物凄く危険なことだったのかもしれない

それでもずっと……

私に会いに来てくれた

今だって私のために……

それなのにどうして……

どうして明日夢がこんな目に……

丈ちゃんはまだ気づいていないのか

この状況にただただ驚いている様子だった