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愛が重いよ、金満君。

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愛が重いよ、金満君。

14 - 自虐、下ネタは身内だけでやれ

♥

46

2024年06月25日

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悪魔

フッフッフ…

悪魔

俺の名は怠惰の悪魔ベルフェゴール。

悪魔

人間共と契約し、魂を引き換えに願いを叶える存在。

悪魔

フッフッフッ…今日はどいつを怠惰の果ての絶望へと堕としてやろうか…。

悪魔

フッフッフッ…おぉっと、獲物を発見。

悪魔

さぁて、仕事と行こうかな。

悪魔

フッフッフ…。

善光 優斗

はぁ〜、今日は良い天気だ。お散歩日和だなぁ〜。

フッフッフッ…

善光 優斗

ん?誰?…はぁ、また金満君?

悪魔

黒髪の短髪の少年が、俺の声を聞いて辺りを見渡している。さぁ、登場してやろうかな。

悪魔

「フッフッフッ…。」

悪魔

俺は屋根から飛び降り、華麗に少年の前に着地した。

善光 優斗

うぉっ!びっくりしたぁ。

悪魔

「フッフッフッ、やぁ、少年。」

善光 優斗

えと…誰ですか、何で屋根から飛び降りたんですか?

悪魔

「私は悪魔。君、いい目をしているね。」

善光 優斗

何で屋根から飛び降りたんですか?

悪魔

「一見普通の目だが、奥底に復讐の炎が見える。」

善光 優斗

何で屋根から飛び降りたんですか?

悪魔

「フッフッ、隠さなくていいんだよ。さぁ、話してごらん。その憎しみの人間を…」

善光 優斗

何で屋根から飛び降りたんですか?

悪魔

「しつこいなテメェ。もういいだろそれは。お前の何がそこまで質問させるに至るんだよ。」

善光 優斗

宗教は別のとこ信仰してるんで大丈夫です。それじゃ。

スタスタ…

悪魔

「待てよ。待て待て、待て待てっ!!」

善光 優斗

すみませんちょっと…宗教とかは、間に合ってるんで。

悪魔

「違うっ!宗教じゃない!!」

善光 優斗

いやけどさっき、悪魔だの復讐だの…

悪魔

「俺は!本物の!悪魔なのッッ!!」

善光 優斗

……あ、くま。あっ!熊って事ですか?!最近熊よく出るみたいですもんね。ニュースで見ましたよ。人間を食い物と認識した熊がいるって。

悪魔

「んなわけねぇだろ馬鹿。俺のどこをどう見て熊と間違えるんだよ。」

善光 優斗

人の味覚えた熊がいるなら、人間に擬態するタイプの熊も現れたかなって。だって、貴方見た目人間じゃないですか。スーツ着て鞄持って、ジム通うのが趣味の営業マンみたいです。

悪魔

「悪魔っつってんだろ。いてたまるかそんな熊。非現実的だろ。」

善光 優斗

悪魔よりはいそうですよ。

悪魔

「だーーーっ!んなこたぁ、どうでもいいんだよっ!!」

悪魔

「お前、誰か恨んでる奴いるだろ?!」

善光 優斗

まぁ、星の数ほど。

悪魔

「それは恨みすぎだろお前…。」

善光 優斗

すみません、ちょっと盛っちゃいました。30人くらいです。

悪魔

「いやぁ…それでも結構な人数だろ。」

善光 優斗

ぶち殺してくれるんですか?

悪魔

「え。」

善光 優斗

嫌いな連中、ぶち殺してくれるんですか?

悪魔

「フッ、フッフッ…フッフッ…アッハッハッハ!!」

悪魔

そうだ…やはり人間はこうでなくちゃなぁ…。クックック。

悪魔

「あぁ、勿論。さぁ、嫌いな奴の名前を!」

善光 優斗

名前ちょっとわかんなくて…。

悪魔

「フッフッ、写真や君との関係性を教えてくれたら問題無い。」

善光 優斗

あ、じゃあ…

善光 優斗

あそこのカーブミラーあるでしょ?

悪魔

「ほう、あの場所に何かあったのかい?」

善光 優斗

場所じゃなくて。今、カーブミラーに僕映ってるでしょ。

善光 優斗

その僕の隣に立ってる奴嫌いだからどうにかして欲しい。

悪魔

「テメ頭カチ割ってやろうか。遠回しに俺に死ねっつってんのか。」

善光 優斗

僕嫌いな奴はちゃんと自分の手でぶち殺したい派なんで大丈夫です。それじゃ。

悪魔

「待て待て待て待て。」

善光 優斗

何かテレビの企画とかですか?実際に悪魔が現れたらどうするのかモニタリング!!的な。

悪魔

「違う違う!」

善光 優斗

水ダウですか?

悪魔

「違ぇぇよ!!番組が違うとかそんなんじゃねぇ!!」

善光 優斗

すみません、僕あんまりそういうのは…事務所がNG出してるんで…。

悪魔

「え?お前何?芸能人とかなの?」

善光 優斗

いえ、一般人です。

悪魔

「じゃあいいじゃん!何だよさっきの事務所のくだりはぁ!!」

スタスタ…

悪魔

「だぁーーーっ!!お前っ、お前勝手にどっか行くな!!」

善光 優斗

さっきから何なんですか一体!!貴方誰なんですか?!

悪魔

「だから悪魔だっつってんだろ!!」

善光 優斗

そういうのは高校までに卒業した方がいいですよ。

悪魔

「厨二的なヤツじゃねぇから!」

善光 優斗

もう僕帰ります!貴方みたいなタイプって、テレビで見る分には面白いけど、実際に絡まれたら恐怖ですよ!

悪魔

「ダメだっ!絶ッッッッ対帰らせねぇ!ここまで来たら意地でも絶ッッ対願い叶えさせて貰うからな!!」

善光 優斗

じゃあ帰らせて!!

悪魔

「言ったなテメェ、じゃあそれ叶えっからな。後で文句言うなよ。」

善光 優斗

やっぱやだ!!絶対魂とか命取る系だもん!やだよ怖いよ!

悪魔

「わかってんじゃねーか。なら早く願い事言えよ!」

善光 優斗

え、あの…本当に悪魔なんですか?

悪魔

「何度も言わせるなよ。モノホンだモノホン。」

善光 優斗

じゃあ…何か悪魔って証明してくれませんか?

悪魔

「フッフッ、願いはそれでいいのか?」

善光 優斗

あー、違うそういう意味じゃ無いです。

善光 優斗

僕と致しましては、貴方が本当に悪魔かどうかわからないので、信じられないし、願いも言えないと言いますか…

悪魔

「ほう、ならば人ならざる者の力を少しお見せしよう。」

悪魔

俺は生意気なクソガキに手を見せた。

ペリッ…

善光 優斗

「うっわ、何で爪剥がしたんですか?痛そう…。」

悪魔

「フッフッ、よく見ておけよ。」

悪魔

俺は爪が剥がれた親指を軽く握り込むと、すぐまた開く。

悪魔

「フッフッ、ほら。爪が元通り。」

悪魔

「血も傷の後も無い。まるで、無かったかのようだろ?」

善光 優斗

それ僕の身近に出来る奴いますよ。

悪魔

「マ?」

善光 優斗

そいつ両手自分で剥がしておいて、数日で完治してました。

悪魔

「ワーオ、オーマイガー。そいつ人間か?」

善光 優斗

ちょっと怪しい所はあります。

悪魔

「…………フッフッ、ならこれはどうだ?」

バサッ

悪魔

俺は背中から闇の様に暗い漆黒の羽をばさりと開いた。

悪魔

人間は驚いて声も出ない様だ。口をあんぐりと開けている。

善光 優斗

ほえ〜、すごいなぁ!それ作り物とかじゃないんですか?実際に空飛べたりするんですか?

悪魔

「フッフッフ、勿論。」

悪魔

俺は羽を広げ、大空に飛び立つ。

悪魔

あっという間に、あの人間が豆粒に見えるくらいまで飛んだ。

悪魔

「フッフッフ、
どうだクソガキ。流石に悪魔だと信じただろう。さあて、戻るか。」

悪魔

俺はゆっくりと下降していく。

悪魔

さぁ、あのガキにどんな願いをさせてやろ……ん?

悪魔

下降している最中に気がついた。

悪魔

…あいつ、いなくね?

悪魔

急いで辺りを探すと、少し離れた場所にいた。スタスタと歩いていやがる。

スタスタ…

悪魔

あんっっっの、クソガキャぁ…!

悪魔

「おいテメェ!何帰ってんだよ!!」

善光 優斗

え、誰?怖い。どちら様?

悪魔

「とぼけてんじゃねぇよアホンダラァッッ!!お前何帰ってんだよ!」

善光 優斗

いやだって、空飛んでどっか行ったから。

悪魔

「お前が実際に飛べるかどうか聞いたんだろうがっ!!!」

善光 優斗

あぁ、ちょっと浮く程度でよかったのに。

悪魔

「知るかよっそんな事っ!!なら最初からそう言えやっ!!」

悪魔

「ぜぇーーーっ、ぜぇーーーー…。」

善光 優斗

そんなに怒らなくても…。

悪魔

「いい加減にしろよお前!!ぶん殴るぞっ!!」

善光 優斗

あ〜、ごめんなさい。勘弁してください。

悪魔

「ったく、早く願い事言えよ。言わないとマジでぶっとばすからな。」

善光 優斗

えー、でも願い事言ったら殺されるんでしょ?ヤですよ。

悪魔

「別に願い叶えてすぐ死ぬってわけじゃねぇから。」

善光 優斗

え?そうなんですか?

悪魔

「願い叶えた後、お前が寿命を終えた時、魂の所有権が俺に移るだけ。」

善光 優斗

魂の所有権?

悪魔

「そ!魂は普通死んだらあの世に行くんだ。」

善光 優斗

天国とか地獄?冥界とか。

悪魔

「う〜ん、ちょっとその辺は説明がややこしいなぁ…。まぁ、一旦は神様の物になるって思ったらいい。」

善光 優斗

うん。

悪魔

「けど、俺達悪魔は、願いを叶えた魂は神様の元へ還るんじゃなくて、自分の物にできんのよ。」

善光 優斗

んー…、けどそれなら、願い叶えた後すぐ殺して自分の物にするとかしないんですか?

悪魔

「んー、しない理由と出来ない理由がいくつかあるんだよ。」

善光 優斗

理由?

悪魔

「そ!じゃあまず何で出来ないかっていうと、悪魔は私情で人間殺しちゃダメなんだよ。」

善光 優斗

え?悪魔なのに?何で?

悪魔

「悪魔だから悪い事ばっかすると思うじゃん?けど俺らも神様には逆らいたくないのよ。だから、私情で人間殺しちゃダメってルールが出されている以上、守らないと後々面倒なんだよ。」

善光 優斗

ほー。

悪魔

「例えば契約で、『魂即払い』とか、『殺して欲しい人間がいる。』とかなら大丈夫なのよ。けど、契約に無い勝手な私情だと、ペナルティくらって仕事しばらく出来なくなるとかあるんだよ。」

善光 優斗

なるほど…。じゃあ何ですぐ魂回収にしないんですか?契約の時にすぐ回収するってしておけば、セーフなんでしょ?

悪魔

「それは”しない理由“だな。何で即回収にしないかって言うと、例えば、お前が大金持ちになりたいと願うとしよう。」

善光 優斗

……あ、あー。

悪魔

「おっ、察した?」

善光 優斗

言ってみてもいい?

悪魔

「いいぜ。」

善光 優斗

即回収にしたら願いの幅が狭まるから。

悪魔

「That'sright!」

善光 優斗

自分が即死んでも叶えたい願いならいいけど、人生変えたくて願い叶えて貰って即死ぬんじゃ、叶えて貰う意味無いから誰も契約したがらないのか。

悪魔

「正!解!!そうなんだよ、だからすぐに回収しない。俺は基本的に寿命後に魂を回収する。」

善光 優斗

なるほど…そんな理由が…。

悪魔

「ちなみに、『大量に人間殺してぇ。』って願いを叶えたとするじゃん。じゃあその殺した大量の魂。どうなると思う?」

善光 優斗

……もしかして…願い叶えた悪魔?

悪魔

「正解正解!!そうなんだよ。だから悪魔は、心に復讐心とか持った人間狙いがち。後は厨二病を一線越えるレベルで拗らせてる奴とか。」

善光 優斗

だから僕選ばれたのか。イケメン枠で。

悪魔

「復讐枠なお前。なぁ、お前過去に何かあったろ?言ってみ?嫌いな奴。」

善光 優斗

んー…、話戻るんですけど、そもそも何で魂欲しいんですか?

悪魔

「あぁ、それは悪魔にとって人間の魂ってのは、食料だったり、通貨だったり、加工して道具にしたり、で生活に必要なんだよ。」

善光 優斗

地獄に落ちる、とかじゃないんですね。

悪魔

「フハッ!おっっっ前、悪魔と契約するって業を犯しといて、天国や地獄に行けると思うなよ!悪魔と契約した人間は、どんな極悪な願いでも、万人を救う善に溢れた願いでも、悪魔と契約した時点で輪廻転生は無い。罪も徳も、清算する事無く終わる。それが、悪魔と契約するってこった。」

善光 優斗

…けどそれなら、さっきの大量殺人の件と若干矛盾しませんか?あの人達は、契約に巻き込まれただけじゃないですか。その人達も輪廻転生から外れるって事でしょ?

悪魔

「お前なかなか鋭い質問するな。まぁ、確かに、巻き込まれ損だな。これに関しては、そういうルールだから。としか言えねぇわ。」

善光 優斗

なんだかちょっと理不尽な…

悪魔

「そんなもんよ。神からも悪魔からみても、人間を個人個人としてあんま見てねぇからな。種としてみてる。理不尽な存在なんだよ俺達は。」

善光 優斗

へぇー、聞いてると面白いなぁ。自分の知らない世界というか。工場見学してる気分。

悪魔

「そうかそうか、お前察しが良いから説明しやすいな。せっかくだからもうちょい喋ってやんよ。」

善光 優斗

えーっとじゃあ、もし悪魔と契約したけど願い叶えて貰えませんでした。とか、どうなるんですか?

悪魔

「あーっ!お前痛いところ突くなぁ。けど実際にあんのよそれ。」

善光 優斗

悪魔だから何でも出来るわけじゃないんですね。

悪魔

「若い悪魔にありがち。『何でも叶えます!』っつっといて、やっぱ無理でしたパターン。」

善光 優斗

あぁ、それなら人間の世界もそうかも。『確実』とか、『絶対』とか使っちゃうと下手したら詐欺とかになっちゃうし。

悪魔

「契約前なら願いを断れるが、引き受けた以上は、何が何でも完遂させてねぇと、これが一番厄介。もし叶えられなかったら八割ぐらい力持っていかれる。弱い奴なら消えるだろうな。」

善光 優斗

持っていかれるってどこに?

悪魔

「さぁ?わからん?持っていかれるより、消失するっていう表現の方がいいかもな。」

善光 優斗

ん……、力奪われるとまずいんですか?悪魔社会は力序列とか。

悪魔

「まぁ、そうなりがちだな。もともとのポテンシャルは多少あるが、やっぱ魂食いまくってる悪魔はちゃんと強い。願い叶えまくって、魂食いまくってる悪魔ほど、いろんな願い叶えられる力も身につけるし。だから力が無いと、願い叶えらんねぇわ、魂回収出来ねぇわ、強くなれねぇわ、周りに舐められるわの、負の連鎖だな。」

善光 優斗

へぇー、じゃあ願い叶える前に他の悪魔に妨害くらうとかは?

悪魔

「良い質問。あるんだなそれが。」

善光 優斗

やっぱあるんだ。

悪魔

「さっき話した内容と関連するんだが、もし願い叶えられなかったらペナルティくらうだろ?」

善光 優斗

力が消失しちゃうあれ?

悪魔

「そうそう。それ目的にする悪魔とか、後は願いを叶えてる最中に別の悪魔に邪魔させるような願いするとか。」

善光 優斗

それって、魂の所有権どうなるんです?

悪魔

「魂の所有権は、基本願いを叶えた悪魔。まぁ、悪魔同士で譲渡とかも無い話では無いな。」

善光 優斗

なるほど〜、じゃ願い事キャンセルするってなったら、他の悪魔に頼むしか無いのか。

悪魔

「んまぁ、多少は他にも方がある。難しいけど。」

善光 優斗

えっ、どうするんですか?

悪魔

「まぁ願い叶える前なら死なれるともう回収出来ねぇわ。無効になっちまう。後は、成立前に悪魔本人と交渉してキャンセルしてもらうとか。けどこれはほぼ無理。俺ならしない。後契約後に、神様だの天使だのに仲介に入って貰って、回収権を神様んとこに戻すとかな。その代わり、地獄行きは確定だが。」

善光 優斗

今悪魔と喋ってる僕が言うのもだけど、そんな簡単に神様会えるもんですか?

悪魔

「意外とね、反省する心見せたらひょっこり出て来てくれる。俺も昔若い頃、3、4件ぐらい権利手放したことあるし。」

善光 優斗

え、じゃあみんなそれするんじゃないですか?

悪魔

「チッチッチ、ちゃんとね、対策取ってんのよ。」

善光 優斗

対策?

悪魔

「俺さ、お前に名前名乗ってねぇじゃん。」

善光 優斗

あっ、本当だ。悪魔だとしか言ってない。

悪魔

「これ重要で、名前わかんないと権利戻せねぇのよ。いや、出来なくは無いけど、悪魔もめっちゃいるから誰と契約してるか調べるのに時間がかかって、その前に死ぬ。だからほぼ無理だな。」

善光 優斗

ヘぇ〜、悪魔ってなんだか会社みたいですね。

悪魔

「ハッハッ!まぁ、会社というよりは、ほぼ個人だな。フリーランスみたいなもんだ。」

善光 優斗

いやぁ、話面白かったです。また聞かせてください。それじゃ。

悪魔

「おう!またな!」

スタスタ…

悪魔

「待てや。違う、待て!願い言えや!!」

善光 優斗

え、今の帰る流れだったじゃないですか?

悪魔

「お前…あそこまで話させといて帰るのは流石にどうかと思うぞ。例えるなら、服屋で試着としいて何も買わずに出るみたいなもんだぞ?」

善光 優斗

えー、けど家電屋さんとかならセーフじゃないですか?

悪魔

「セーフじゃねぇだろこれは。お前流石に…、もうこの際適当に何か言えよ。」

善光 優斗

じゃあ願い事100個叶えて欲しい。

悪魔

「ちょ、お前それはズルいって、言う奴いるけどさぁ!」

善光 優斗

ん〜、別に特に願いとか。なんなら、何でも叶えてくれそうな悪魔みたいな奴知り合いにいるんですよ。って、あ!!

善光 優斗

別の人紹介しましょうか?

悪魔

「別の人間?……ほう、面白い。構わんぞ。」

善光 優斗

じゃあちょっと待ってて貰えますか?たぶん電話したらすぐ来てくれると思うんで。

悪魔

「いや、大丈夫だ。そいつの名前を言ってみろ。」

善光 優斗

え、じゃあ金満潤で。

悪魔

俺はポケットからス魔ホを取り出すと名前を入力する。

悪魔

目の前のガキは首を傾げているな。フッフ、悪魔の力を魅せてやろう。

悪魔

『"金満潤"呼び出し』

ボンッ!!

悪魔

呼び出しボタンを押すと、煙が上がり、そこから出て来たのは。

金満 潤

うっ、優斗……イクッ!!!

悪魔

………。

善光 優斗

……。

悪魔

……オ◯ニー中じゃん…。

善光 優斗

金満君。

金満 潤

ん…ん?ん?!?!優斗!!何でここにいるんだ??!!それに、ここはどこだ!?俺は家で仕事をしていたはずだ!!

悪魔

何だコイツ。

善光 優斗

金満君ねぇ…

金満 潤

はっ…まさか、俺の優斗への溢れんばかりの愛が、空間を超越したのか?互いが互いを求める、深い深い愛が、俺と優斗を引き合わせたのか?

善光 優斗

不快不快哀だよ。

金満 潤

優斗〜!会いたかった!!会えた嬉しさで今にもチ◯コが爆発しそうだ!!……優斗の中で爆発させちゃおっかなぁ。

善光 優斗

悪魔さん。こいつです。さっき言ってたの。ちょっと人間かどうか怪しいけど、こいつでも願い叶えて貰えますか?

悪魔

「あ、あぁ。出来るよ。」

金満 潤

ん?…誰だお前。

悪魔

「失礼、俺は悪魔。魂と引き換えに、願いを叶える存在。」

金満 潤

……ほう。本物の悪魔を見たのは初めてだな。

善光 優斗

金満君信じるんだ。意外だね。

悪魔

「フッフ、何で本物だと?」

金満 潤

見た目は人間に限り無く近いが、俺の眼は誤魔化せないぞ。まず筋肉のつき方。肌の質感、うっすらと見える血管。人間のものじゃないな。あとは、鼓動、心拍数、臓器の音に、僅かだが体臭がおかしい。

悪魔

「フッフ、それで?」

金満 潤

……あとは俺の勘だ。俺の勘が、お前は人間じゃ無いと言っている。

悪魔

「やるなぁ。いやなに、勘で当てる奴はたまにいるが、ここまではっきり人間じゃ無い理由を言われるのは初めてだ。完璧だと思ったが、よくわかったな。」

金満 潤

コンピュータで測っても、見抜け無いだろうな。だが、俺には通用しない。お前の異質さは、俺じゃないと見抜け無い。

善光 優斗

ってか、金満君急に呼び出したのもこの悪魔さんの力だしね。

金満 潤

いや違うぞ優斗。それは違う。俺と優斗を今日引き合わせたのは紛れもなく俺と優斗の愛の力だ。愛の力が、空間を超越したんだ。

悪魔

「いや、俺の力…」

金満 潤

あ"?つまらん嘘を言うな。お前の下腹部に十字架のタトゥー入れるぞ。

悪魔

「それ十字架効く効かない関係無く嫌なんだけど。」

善光 優斗

金満君願い事叶えて貰いなよ。あ、僕関連はやめてね。

金満 潤

願い、願いかぁ…何でもいいのか?

悪魔

「あー、なんでもはちょっとダメなんすよ。」

金満 潤

じゃあ何ができるんだ?

悪魔

「フッフッフッ、お前の望みはなんだ。聞くだけ聞いて判断する。」

金満 潤

じゃあ時間を止める能力が欲しい。優斗の時間を止めて、その間に犯しまくるんだ。

善光 優斗

時間停止モノAVじゃん。やめてよ。

悪魔

「フッフッフッ、わかった。なら、この道具なんて…」

善光 優斗

わーーーっ!!待って待って!金満君本当にそんな願いでいいの?もっと会社大きくするとか金満財閥を発展させるとか、そういうのじゃなくていいの?

金満 潤

別にそれは願うまでもないだろう。俺の実力で実現できる。

善光 優斗

……けど死んだら魂取られちゃうよ。

金満 潤

すぐに奪ったりしないだろ?なぁ。

悪魔

「あぁ、寿命後だ。」

金満 潤

なら…。

善光 優斗

金満きゅん、僕世界征服したいな。僕の代わりにお願いしてよ。

金満 潤

優斗、大丈夫俺に任せなさい。その願いは悪魔に頼むまでもない。俺が叶えやるから。じゃあ悪魔願いを……

善光 優斗

わーーーっ!わーーーっ!!!っでもでも、願い叶えて貰うと輪廻転生出来なくなるらしいよ!僕やだよ金満君と離れ離れになるの。来世も、来来来世も、ずっとずっと一緒がいい!だから願い事やめよ!

金満 潤

優斗…!!

悪魔

「心配すんな。お前も後で願い叶えてやっから。俺の胃の中で再会できる。」

金満 潤

ふーむ、なら悪魔。俺と優斗を不老不死にしてくれ。

悪魔

「わかった、じゃあ…」

善光 優斗

わーーーっ!金満君他の願い、他の願いにしよっ!!

金満 潤

優斗、これ以外は特に無いぞ。全部自分で叶えられるからな。するまでも無い。

悪魔

「おっ、言うねぇ!主人公みたいなセリフ言うじゃん。」

善光 優斗

え〜…んじゃ帰る?

金満 潤

優斗の家行っていい?

善光 優斗

いいよ、次は急に全裸になったりしないなら。

金満 潤

え〜、それはどうだろうな。

スタスタ…スタスタ…

悪魔

「……おいゴラァ待てや。何回するんじゃこのくだり。」

善光 優斗

あー、悪魔さんもお茶飲んで行きます?

金満 潤

か、え、れ!!か、え、れっっ!!

悪魔

「行くかボケェ!お前もその帰れコールやめろ!!」

善光 優斗

あぁ、お茶の他にもコーヒーとか紅茶もありますけど…。

悪魔

「お茶が嫌いとかそんなんじゃねーよっ!!願い!願い言えよ早く!!ここまで願い無しで拘束されたの初めてだぞっ!」

金満 潤

俺は一刻も早く優斗の家でイキたいんだ。お前にする願いは無い。あばよ。

悪魔

「……おい、お前ら…ここまで俺の時間奪っておいてそれは無いだろ…。早く願いを言え、言わないなら…どうなるか教えてやろうか…?」

善光 優斗

か、金満君…。なんだかまずそう…。

金満 潤

ふーん、なら俺から一ついいか?

悪魔

「ほう、いいだろう。言ってみろ。」

善光 優斗

金満君大丈夫?

金満 潤

大丈夫、だいじょーぶ。俺の願いは…

悪魔

「ほう、お前の願いは?巨万の富か?永遠の天下?やまない名声?絶対的な権力か?さぁ!お前はこの俺に、何を望む?」

金満 潤

ふっ、どれも不要だ。全部自分で叶えられる。俺の願いは…

金満 潤

俺と優斗を笑わせろ。

善光 優斗

????

悪魔

「………へ?」

金満 潤

俺と優斗を大爆笑させて欲しいんだ。

悪魔

「……え?お前そんなんでいいの?」

金満 潤

あぁ。その代わり、変な能力や薬や道具使うのは無しだ。コントや一発ギャグ。お前の笑いの技術と才能で、俺たちを抱腹絶倒させてくれ。

悪魔

「ほう、面白い。いいだろう、契約成立だ!」

善光 優斗

金満君大丈夫なの…?

金満 潤

大丈夫大丈夫。会って数分だが面白く無さそうだろ?大丈夫大丈夫。

悪魔

フッ…あまいな。この俺を誰だと?怠惰の悪魔べルフェゴールだぞ。女悪魔と遊んだ数は数知れず、後輩からも慕われ、飲み会では俺がいないと盛り上がらないパーティの王のこの俺が、たかがクソガキ二人笑わせるなんて、赤子の手をひねるようなものよ!!

悪魔

「えー、じゃあ『ショートコント、悪魔召喚』」

悪魔

『この山には恐ろしい悪魔がいるらしい…一体どこに…』

悪魔

『グワァ!ガオッー!!って、これは悪魔じゃなくて、熊やないかいっ!!』

金満 潤

…………。

善光 優斗

…………。

悪魔

「………って、熊やないかーい…。」

金満 潤

……優斗、行こうか。

善光 優斗

うん。

悪魔

「待って!待って!!すみません待って!!!」

金満 潤

この山あたりからオチがわかってつまらなかった。

悪魔

「るっせぇ黙れ!って、違う!!もう一回!もう一回だけやらせて!!」

善光 優斗

金満君どうする…?

金満 潤

わかった。おい、もう一回やってみろ。

悪魔

「オーケーオーケー、サンキュー。では、『一発ギャグ、召喚の音がおかしい悪魔』」

悪魔

『にゅぽつてん』

金満 潤

………。

善光 優斗

………。

悪魔

「………にゅぽつてん。」

善光 優斗

……まぁ、うん。

金満 潤

どうするんだこの地獄みたいな空気は。

悪魔

「え?面白くない??これ友達とかにやったらめっちゃウケるんだけど。」

善光 優斗

まぁ、悪魔と人間じゃちょっと価値観とか笑いのツボとかが、ね……。

金満 潤

身内ノリやネタをよく初対面の俺たちに出来たな。

悪魔

「ちょっと、本当、ラス一。もう一回だけさせて!本当にもう最後!」

金満 潤

何でここまで必死なんだ。

善光 優斗

契約成立した上で叶えられないとペナルティくらうんだって。

金満 潤

なんだそんなことか。知ったこっちゃないな。

悪魔

「ずびばぜんっ!!お願いじまずっ!!本当に、あと本当にラスト一回!あと一回だけチャンスをいただけないでしょうか?」

善光 優斗

どうする金満君。

金満 潤

時間がもったいない。行くぞ優斗。

悪魔

「お願いっ!!一生のお願いっ!!!」

善光 優斗

悪魔も一生のお願い使うんだ…。

金満 潤

チッ、鬱陶しい。ならキャンセルする。契約は無しだ。お前の契約を無かったことにしてやる。

悪魔

「いや、それはそれで俺のプライドがちょっと…。」

善光 優斗

面倒くさいなアンタ。

金満 潤

ほう。なかなか良い精神じゃないか。気に入った。なら、この俺が抱腹絶倒爆笑満点大笑いのネタを一つ教えてやろう。

善光 優斗

金満君すごい!そんなの知ってるんだ!!

金満 潤

あぁ、万国共通。泣き顔も笑顔に、なんなら笑いすぎて涙が出るほど大爆笑間違い無しのネタをお前に授けよう。

悪魔

「ははーーっ!!金満様!!ありがとうございます!ありがとうございます!」

金満 潤

構わん構わん。耳を貸せ。

悪魔

「はっ!」

ごにょごにょ……

悪魔

「……まじっすか!?これで大爆笑間違い無しっすか?!」

金満 潤

あぁ、もちろんだ。このネタは不意打ちにくらうとなお面白いからな。今日は俺たちは帰る。俺が言った通りにするんだぞ。

悪魔

「ありがとう!ありがとうございます!!神!!金満様!!」

善光 優斗

悪魔が神、崇めちゃったよ…。

金満 潤

よいよい、ではさらばだ。

悪魔

「ははーーーっ!」

善光 優斗

「えー、けど大丈夫かなぁ…。」

PM17:30

渋谷スクランブル交差点

悪魔

フッフッフッ。フッフッフ。

悪魔

俺の名は怠惰の悪魔ベルフェゴール。

悪魔

人間共と契約し、魂を引き換えに願いを叶える存在。

悪魔

俺は今、スクランブル交差点のど真ん中にいる。まるで魔法陣から召喚されているようだ。フッフッフ。

悪魔

何故こんな人通りの多い場所に立っているかって?フッフ、それは今からこの場にいる人間共を大爆笑笑い死にさせるためさ。

「なぁ、あの中心に立ってる奴…」

「お母さんっー!変な格好ー!」 「しっ!見ちゃダメよっ!!」

悪魔

フッフ、何人か俺の存在に気がついたようだ。さぁ!時は来た!!人間共よ!!足が震え上がるほど笑い、悪魔の笑いを脳に焼き付けろ!!!

悪魔

『フッフッ、アッハッハッー!!!我は地獄より地上に降臨した…』

ボロンッ!!

悪魔

『サタンなりっっっ!!!!!!』

「………。」

悪魔

「ん?んん、あれ?」

通行人

キィィィヤァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!

通行人

露出狂だっっ!!露出狂がいるぞっっ!

通行人

警察!!誰か警察呼べっ!!

悪魔

あっっっっれ?あれあれあれれ?想像してた反応と違うぞ?聞いてた話と違うぞ?あれ?

警察

動くなっっ!!!動くと打つぞっ!!

警察

こちらA班。至急、応援お願いします。

悪魔

「いや、ちょっ…待って俺悪魔で…」

警察

はいはい、あくまで〜とか、言い訳は署で聞くから。

悪魔

「いやあの本当に…」

警察

抵抗するなっっっ!!打つぞっっっ!!!

悪魔

「抵抗してねぇだろ、ってか何でコイツこんなに打ちたがるんだよっ!!」

警察

いいからそういうの。早く、パトカー乗って。

悪魔

「いや、ちょ…こんなのこんなの……」

悪魔

「あんまりだああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァ…!!!!!!!」

善光家 リビング

「えー、続いてのニュースです。渋谷のスクランブル交差点で、局部を露出した男性が逮捕されました。男性は自称営業職で、調べに対し『騙された。言われた通りにやれば大丈夫だと言われた。』との事です。警察は他の人間の関与が無いか調べています。」

「コメンテーターの皆様、どう思われますか?」

「どうせ配信界隈の迷惑系とかでしょ?いやー、そこまでして有名になりたいんですかね?自分の子供が、こんなバカな事してたらぶん殴りますよ。ハッハッ!」

「いえ、これは性欲に狂った男の犯行です。こういう男がいるから、我々女性達は日々怯えながら暮らしています。やはり、男と女で住む場所を分けるべきでしょう。」

「おっ、出たなツイフェミ。頭ハッピーお花畑の考えを公共の電波に乗せるのやめろよ。」

「それはLGBT差別ですか?多様性のこの社会で男の意見を男性器を押し付けるかのように、女に意見を押し付けるのやめてもらえませんか?」

「おい、誰だよこんなバケモンよんだのはよぉ。」

「あなたも以前、SNSで女性アナウンサーへの容姿いじりで炎上してましたよね?」

「あの程度でぎゃーぎゃー言う世間がおかしいんだよ。ったく、終わった話また蒸し返してんじゃねーよ。これだから女は……」

「キィィィィィ!!!その発言!!明らかに差別ですよね?!?!だいたい男は……」

「はぁぁぁぁ???これだから女はすぐ感情的になるよなぁ!!アナウンサーさん、どう思いますこれ?」

「モンスターは身近に潜んでいるというのがよくわかりますね。さて、次のニュー…」ブチッ

善光 優斗

……どうせ金満君の事だから、こうなるってわかってたよ…。

愛が重いよ、金満君。

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