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愛の証明 -ふたりでひとつ-

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愛の証明 -ふたりでひとつ-

3 - 愛の証明 -ふたりでひとつ- 第3話

♥

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2020年12月03日

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三上怜子

小畑さん!

俺は引き金を引いた──…

カチッ

ひぃいいいいー!

小畑里志

次は弾が入ってるかもな

三上怜子

…これはやり過ぎです

小畑里志

そうか…だからまだ俺に銃口を向けているのか?

三上怜子

先に拳銃をおろしてください

小畑里志

嫌だと言ったら?

三上怜子

小畑さんを撃ちます

三上怜子

私、射撃は満点なんで外しません

しばらく俺たちは睨み合った

小畑里志

三上、早く連れていけ

俺は銃を下ろす

三上怜子

…分かりました

小畑里志

きっちり締め上げて取り調べるぞ

三上怜子

──はい

【取調室】

小畑里志

名前は?

…村井康二

小畑里志

笹山あいなとの関係は?

村井康二

あいなとは──

ガチャ

三上怜子

小畑さん、笹山あいなの体内から違法薬物が検出されました!

小畑里志

やはりそうか

三上怜子

やはり?

小畑里志

村井、お前もやってるな?

小畑里志

顔を見ればすぐに分かる

村井康二

あいなに薬代を貰いに…

小畑里志

しかし笹山あいなは拒否した

小畑里志

なぜなら君島翔と付き合い始めたからだ

小畑里志

お前みたいなジャンキーと縁を切りたいと口論になって殺した

村井康二

ち、違う!俺じゃない!

小畑里志

さぞ腹が立ったろうな

小畑里志

薬代も貰えず、一方的に拒絶されてカッとなったか?

小畑里志

それか体にヤクでも残っててマトモな思考じゃなかったのか

三上怜子

だからあんな残忍な殺し方を?

村井康二

信じてくれ!俺じゃない!

小畑里志

それじゃ洗いざらい話すんだ

村井康二

あいなは、わざとだ

三上怜子

わざと?

村井康二

ああ、わざと──

君島翔に近づいた

三上怜子

つまりそれって…?

小畑里志

売名行為か

三上怜子

犯人はそれに怒って殺害した?

小畑里志

…君島に話を聞きに行こう

君島 翔

笹井あいなさんは、笑顔が素敵で演技にも真剣に取り組んで──

君島が記者会見を開いていた

君島 翔

まさかこんなことに…

三上怜子

泣いてる?

小畑里志

役者だからな

小畑里志

嘘泣きは得意だろう

伊東マネージャー

失礼なこと言わないで!

伊東マネージャー

あの涙は本物よ

小畑里志

ひょっとして、これをお膳立てしたのはあなたですか?

伊東マネージャー

悲劇の主人公ってとこかしら?

伊東マネージャー

使えるものはなんでも使う、それがこの世界の鉄則よ

三上怜子

映画で共演するんでしたっけ?

伊東マネージャー

すでに他の女優が配役されたわ

君島 翔

──彼女の分まで、精一杯演じたいと思います!

伊東マネージャー

ふふっ

伊東マネージャー

これで映画も注目される

小畑里志

それだけでおさまるといいが…

三上怜子

やっぱり、あの敏腕マネージャーが怪しくないですか?

三上怜子

君島を売り出すためなら、たとえ殺人でもやるんじゃ?

小畑里志

最初の被害者、倉田美保の捜査はどうなった?

三上怜子

はい、テレビ局で聞き込みをしたところ

三上怜子

タレントに手を出していたと

小畑里志

メイクだから声が掛けやすいのか

三上怜子

鏡越しに、よく流し目を送っていたらしいです

小畑里志

それで目をくり抜いた…

三上怜子

2人目は君島を酷評し

小畑里志

3人目は売名行為

三上怜子

やっぱりマネージャーでは?

三上怜子

動機は揃ってます!

小畑里志

それじゃ脅迫状のことはどうなる?

小畑里志

あれは君島本人を狙ったものだ

三上怜子

それは…捜査をかく乱するためとか?

俺は腕組みをして考え込む

三上怜子

小畑さん?

小畑里志

どうもそうじゃない気がする

小畑里志

なにかがおかしい

そしてその予感は的中する

「はいカット!」

三上怜子

凄い、本格的だわ

三上怜子

あっ、あの役者さんも知ってる!

それは映画の撮影中だった

三上怜子

(ニヤついてたら小畑さんに叱られる)

三上怜子

(あの人は仕事の鬼だ)

三上怜子

(壮絶な過去を乗り越えたから仕方がないのかもしれないけど…)

伊東マネージャー

ちゃんと捕まえてくださいね!

三上怜子

はい、あちこちに刑事を配置して見張ってますから

伊東マネージャー

あんなストーカーに、君島の映画を邪魔されたくないわ!

三上怜子

(凄い剣幕だわ)

三上怜子

(それも無理ないか)

私は新たに届いた脅迫状を確認した

三上怜子

いつもと違う…

『あの涙は一体なんなの!?』

『あなたの涙は私だけのもの』

『私があなたをスターにした』

『それなのに許せない』

『殺してやる!』

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺』

三上怜子

狂ってる…

三上怜子

でも小畑さんの言う通り、記者会見がストーカーを刺激したんだ

三上怜子

だから厳重に警備してるけど

三上怜子

肝心な時に、小畑さん何処に行ったの!?

「よーい、スタート!」

君島 翔

君を愛してるんだ!

三上怜子

(さすがに上手い)

三上怜子

(今のところ不審者は…?)

木の影に隠れて辺りを見回す

三上怜子

三上です、異常ありません

小畑里志

『小畑だ、こっちも異常はない』

イヤホンから小畑の声が聞こえてきた

三上怜子

小畑さん、何処に!?

小畑里志

『ちゃんと見張ってる』

小畑里志

『お前は集中しろ!』

三上怜子

(もっと優しく言えないの?)

三上怜子

(だから皆んなに怖がられてるのに…)

翔!

三上怜子

あれ?ここってキスするんじゃ?

三上怜子

あんな役者さん、予定に──!

年増の女が君島に向かって駆けてくる

ナイフを握りしめて

あなたは誰にも渡さない!

三上怜子

不審者発見!

三上怜子

だ、だめだ!間に合わない!

私はとっさに拳銃を引き抜いた

君島 翔

な、なんだ!?

私と一緒に死にましょう!

三上怜子

小畑さん!

三上怜子

君島が刺されます!

三上怜子

小畑さん!?返事を!

しょおおおおおおおー!

三上怜子

撃つしかない!

その時、君島の前にエキストラが飛び出した──…

三上怜子

あ、あれは…小畑さん!?

三上怜子

エキストラに紛れてたの?

三上怜子

でも、女がすぐそこに!

辺りが静まり返った

怖いくらい静かに…

三上怜子

お、小畑さん!

三上怜子

小畑さん…どうして!?

小畑里志

…………
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