白尾さんちのお姫様

No side

朝

nkm）ｶﾞﾁｬ

nkm）ﾎﾞﾌｯｯｯｯｯ

主人公side

なぜか寝起きドッキリ（？）をしにきたなかむ兄と一緒に一階に降りると、きん兄とシャケ兄がもう起きていた。

シャケ兄は少し怒っているみたいだ。

◯◯）なでなで

なかむ兄が見えなくなるのを見届けて、教室に入る。

私の席に既に陣取っていた友人が手招きをしていた。

　そう 私とお兄たちに、血の繋がりはない。 私たちは、親同士の結婚によってできた、義兄妹なのだから。

遡ること、約半年前＿＿

まだお金に余裕がなく、母と私はボロアパートで暮らしていた。

高校からは学費を負担しなければいけない為、母は仕事を以前の倍に増やしていた。 日に日に痩せていく母を見て、私も何かできることはないかと、週3でバイトをし始めた。

いい話のはずなのに、何故か母の表情は深刻そうだ。

お母さんが幸せなら、いいよね。 男嫌いなんか、近付かなければいいんだし アレルギーじゃないんだから

例の新しい兄弟達とは、お互い高校生で忙しく、顔を合わせることなく母の結婚式の日になってしまった。

奥の部屋に続くドアから顔を出したのは、右目が前髪で隠れた、可愛い雰囲気の男の子だった。

nkm side

新しくできた妹は、あまり俺の事をよく思っていないようだ。

でも、すごく可愛い。

整った顔立ち、艶のある長い黒髪、大きな瞳を囲う長い睫毛… 全てが完璧だ。

俺は結婚式で彼女を一目見た時から、自分だけのものにしたいと思っていた。

そして、今日、少しだけだけど彼女と喋って確信した。

俺は彼女に一目惚れしている。

いつか絶対、俺だけのものにしたい。

ただ、今の彼女の様子を見ると、もう少し仲を深めるべきだろう。

他の“やつら”に先を越されないようにしないと。

彼女の部屋の扉を閉め、そこに背中をつけると、俺は無意識にそう呟いた。