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あおい
「夜、白鳥は人間の姿になり、」
あおい
「王子様と出会い、」
あおい
「叶わない恋をつむごうとする」
あおい
……
あおい
はぁ〜…
あおい
なんて神秘的なのかしら…
あおい
ねぇねぇ、
あおい
そう思わないの？
あおい
こう
こう
ん？あぁ、そうだな
あおい
も、またスマホ？
あおい
スマホやめないの？
こう
やめねぇ、
こう
俺に彼女ができるまでな、
あおい
はぁー
あおい
いつになることやら、
こう
なんだよ、俺にだって彼女くらいできるよ、
あおい
ケータイばっかしてたらできないよ！
こう
できる！
あおい
できない！
こう
できる！
あおい
できない！
こう
できるんだよ‼︎
こうが大声をあげた。
あおい
ビクッ…
あおい
あおい
もういい‼︎
あおい
こうなんて大っ嫌い！
バタン！
こう
こう
はぁー…
こう
やっちまった…
こう
なんでこうなったんだ…
こう
あおいに…
こう
嫌われちったよ…
こう
っ、ははっ、
こう
俺何してんだよ、
こう
悪いのは、全部俺じゃねぇか。
あおいは、家から飛び出した。
走って走って、どこまで来たかわからないくらいの場所まで来た。
そこは、海だった。
ちょうど、満月の日で、
月が反射して、綺麗だった。
あおい
あおい
うわぁ…
あおい
とっても綺麗…
あおいはしばらく、その美しい風景を眺めた。
そして、呟いた。
あおい
大っ嫌いなんて嘘だよ。
あおい
こう、大好きだよ。
こう
今の、
こう
本当か？
あおい
え⁉︎
そこには、こうがいた。
かなり探したのだろう。
肩で息をしていた。
あおい
こう…
こう
今言ったのって、本心か？
あおい
あおい
そう、だよ。
あおい
っあはは、これじゃ、あのお話とおんなじだね、
あおい
叶わない恋、つむげなかったな…
こう
好きだ。
あおい
え？
こう
お前が好きだ。
こう
今までのこと全部謝る。
こう
スマホもやめる。
こう
だから…
こう
嫌いにだけは、ならないでくれ…
あおい
こう…
あおい
私も、ごめん…
あおい
言い合いになった末に、あんなこと言っちゃって…
こう
こう
これでおあいこだな、
あおい
お互いに許し合おう。
こう
おぅ、
2人は、しばらく並んで、その風景を眺めていた。
ほんの数分の出来事だったけど、
長かった。
そして、口を開いた。
こう
あのさ、
あおい
何？
こう
俺らって、「カップル」、だよな？
あおい
あおい
初めてだから、分かんないけど…
数秒、沈黙が続いた。
そして、同時に口を開いた。
「あのっ！」
こう
あ、いいよ。
あおい
あのさ、カップルの記念に、散歩しない？
あおい
あのお話と、同じになるように。
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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