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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

陽介

僕ね、原爆で死んでないんだ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

そうなんですか…?

陽介

運良く生きていてね、

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

そっそんなことが…

陽介

広島会社に行く途中に交通事故にあっただろう?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

あ、はい…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ほんとに知ってるんですね…

陽介

あの時、僕が仁奈ちゃんを引いたんだよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

えっ?

陽介

仁奈ちゃんがまだ吏人のことで悩んでるから。

陽介

助けてあげられるかと思って。

陽介

未来の僕は警察署行きだけどね( ˊᵕˋ ;)

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

そんなっ!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

でも、なんで死んだら過去に行けるって知ってたんです?

陽介

僕も人を助けようとしたんだ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

どーゆーことですか…?

回想

陽介

(あいつが死んだから、僕は生きる価値がない…

陽介

(あいつがいないと僕は何もできないんだ。

陽介

(あいつがいないと…

ドンッ!

回想終わり

陽介

ある親友のことを考えてたんだ。

陽介

そしたら、仁奈ちゃんみたいに僕も引かれたんだ。

陽介

骨折さ。

陽介

それで、過去に行くことが出来た。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

その親友はどうなったんですか?

陽介

それは、仁奈ちゃんが吏人を助けるのに成功出来たら言うよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

あと、警察署行きって…

陽介

もし仁奈ちゃんがここで過去をかえれば、僕が仁奈ちゃんのことをひかないで済むだろう?

陽介

だから、そこら辺の細かいことは気にしなくていいよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ありがとうございます。

陽介

さあ、これから、吏人を助けるためにどうする?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

えっと…

陽介

家族のことも考えてたよね?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

そうなんです…

陽介

僕もやってみたよ、でも、原爆を止めることは出来ない。

陽介

何とかして、家族と吏人を助けるんだ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

学校の帰りに叔母と出かけるんです。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

その時に家族と吏人を連れていけば…

陽介

そうしてみれば?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

でも、陽介にいち…

陽介

僕のことはいいよ、過去と同じことをすれば助かるからね。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ほんとに?

陽介

うん。

陽介

だから、気にしない!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

うん。

陽介

じゃあ、それまでは普通に過ごしていいからね。

陽介

大事に過ごすんだよ、残り4日間を。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

はい…!

陽介兄ちゃんが生きてたんだ。

背中を押された気がする。

吏人と家族を

助けられるかもしれない。

いや、

助けてみせる!

8月2日。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

吏人〜!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

おはよう!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

おはよ、仁奈!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

なんか体調悪いんだよねー

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

大丈夫?

良野 吏人 ─リョウノ リト─

うん。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

無理だったら、保健室行くんだよー!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

うん!

一日はあっという間に終わった。

陽介

仁奈ちゃん!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

陽介兄ちゃん!

陽介

今日、どうだった?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

あっという間に終わりました…

陽介

それでいいんだよ、ただ毎日を大切にね?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

はい!

8月3日 8月4日

どんどん過ぎていった。

8月5日の帰り道。

良野 吏人 ─リョウノ リト─

じゃあ、明日ね!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

吏人…!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

ん?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

吏人のことがずっと好きだったの…!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

吏人は、どう思う…?

良野 吏人 ─リョウノ リト─

僕も仁奈のこと、

良野 吏人 ─リョウノ リト─

大好きだよ。

風が強く、柔らかく吹いた。

風の真ん中に

笑っている吏人がいた。

吏人がいて良かった。

そう思った。

過去と同じで

吏人は学校を休んだ。

私は、吏人の家に行って

揚げパンを渡した。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

吏人〜!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

お、仁奈。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

今日、給食揚げパンだったよ!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

持ってきてあげたから食べてね!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

ん、ありがと!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

あとさ、今日、休んだけど出かけられる?

良野 吏人 ─リョウノ リト─

いいよ、内緒ね〜

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

うん!

これで、吏人を助けられる。

あとは、家族…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ちょっと来て!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

うん!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

お母さん!

お母さん

なに?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

今日、おばあちゃんと家族で出かけよう!

お母さん

いいわね、呼んでくるわ。

これで全員があつまった。

陽介兄ちゃんは平気なんだよね…

そして私達は原爆の被害を受けずにすんだ。

良野 吏人 ─リョウノ リト─

良かった…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ね…

やっぱり2回目でも

恐ろしいものは恐ろしい。

お母さん

ほんと、こっちに来てなかったら、死んでたところね。

叔母

仁奈、吏人くん。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

はい!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

はい!

叔母

大事なことがあるよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

え…?

叔母

陽介兄ちゃん、亡くなったって…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

な、なんで…?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

なんでよっ!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

仁奈!

良野 吏人 ─リョウノ リト─

落ち着いて!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

気にしないでって言ったじゃん!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

陽介兄ちゃんが死んだら、

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

みんな助けたって意味ないじゃん…

良野 吏人 ─リョウノ リト─

仁奈…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ううっ…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

うわぁーん…

なんでよ、陽介兄ちゃん。

助かるから平気って

言ったじゃん。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

っ………!

上司

小鳥遊さん、平気?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

あ、はい…

上司

長いこと寝ていたから、不安になっていたよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

すみません…

上司

良かった…

陽介兄ちゃん…

陽介

あっ、仁奈平気!?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

えっ?

上司

あなたの知り合いって言うから呼んだんだよ。

陽介

大丈夫?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

え、陽介兄ちゃん?

陽介

そうだけど?

陽介

あ、久しぶりだね!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

なんで生きてるの…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ううっ…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

良かった…

上司

ちょっと出るね。

陽介

ありがとうございます。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

なんで、陽介兄ちゃん

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

心配したじゃん…!

陽介

仁奈。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

なに…?

陽介

吏人はいないよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

え…?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

助けたよ!

陽介

家族もいない。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

そんな…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

陽介兄ちゃんが生きたかったから!?

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

だから、なかったことにしようとしたの!?

陽介

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

答えてよ…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

陽介兄ちゃんはそんなことする人じゃないよね…?

陽介

過去を変えることは出来ないんだよ。

陽介

何をしても…

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

え…?

陽介

変えられない。

陽介

過去は。

陽介

今仁奈は、生きているんだ。

陽介

けど、吏人は死んだ。

陽介

この世には居ない!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

陽介兄ちゃん…

陽介

重く受け入れるんじゃなくて、今でも上から見守ってくれてるって考えてよ!

陽介

前見てよ!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

っ………

陽介

今でもきっと吏人は、仁奈のことを見てるよ!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ごめん、吏人…

私は、窓から上を見上げた。

陽介

きっと吏人は、笑ってるよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

私、前向く!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

いつまでも引きずらないで、前に進むよ!陽介兄ちゃん!

陽介

うん!

陽介

僕も親友を過去に行って助けようとしたんだよ。

陽介

けど助けられなかった。

陽介

過去は変えられないって僕の先輩から言われたよ。

陽介

それで僕も前を向こうって考えた。

陽介

その時、吏人のことを引きずってる仁奈を見たんだ。

陽介

助けてあげたいって。

陽介

僕はね、吏人を助けたい気持ちもあったけど、

陽介

仁奈を今の状態から助けたかったんだ。

陽介

そうやって仁奈といるうちに、

陽介

自然と好きになってたんだ!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

陽介兄ちゃん…

陽介

吏人はなんて言うかわからないよ。

陽介

けど、仁奈には幸せになって欲しいって言うのは

陽介

僕はも、吏人も思ってると思う!

陽介

僕と、

陽介

僕と…!

陽介

付き合ってくれ!

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

はいっ!

私は、涙を拭いながら、

陽介兄ちゃんにそう言った。

そして、陽介兄ちゃんは、

私にハグをしてきた。

陽介

仁奈、ありがとうっ。

陽介

あの時の明るい仁奈に戻ってるよ。

小鳥遊 仁奈 ─タカナシ ニイナ─

ふふっ、陽介っ!

私も負けずに

強くハグをした。

♡ぎゅー(((。•ω•(ω•。 )))ーっ♡

上を見上げた。

すると、強く柔らかい風が

空を通った。

「仁奈が笑顔になって僕は嬉しい。」

吏人の声が聞こえた。

その声は、

私をあの時の私に

戻してくれるような

明るい声だった。

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