これはとても哀しく
とても切ない
美しい恋の物語。
ユキ
主人
そういい、くしゃっとユキの頭を撫でた
そしてユキは窓の近くに行った
主人
ユキ
主人にはこの声がきっと届いてないだろう
ユキの瞳には雨上がりの景色が映っていた。
雫がしたたる紫陽花、ゲコッゲコッと元気に鳴く蛙、どれもユキの心を奪われるものだった。
ユキ
ユキは、そっと窓に触れてみた。
どうせ私は外に出られない運命なんだ。
そんな事を思っていると窓の外にフラフラと歩いている少年がいた。
その少年は私に気づいたのか、窓に向かって走ってきた
少年
ユキ
少年
ユキ
少年
ユキ
少年
そういい、彼は紫陽花の茂みに消えていった。
主人
ユキ
木製のドアの向こうから龍之介さんが上品に歩いてきた。
龍之介さんというのは隣の家の秋川さん一家の一人息子。 とても上品で顔立ちもよかった。
ユキ
龍之介
龍之介さんはユキの家に来た時にいつも面白い話をしてくれた。
龍之介
今日も九州一周旅行をした話、森を探検した話など、色んな話をしてくれた。
龍之介
ユキ
龍之介さんは木製のドアの向こうへと姿を消した。
ーー翌日ーー
ユキ
主人
そういい、いつものようにまた頭をくしゃっと撫でた。
そして、彼は来たのかなと窓へ向かった。
すると昨日のようにフラフラしている彼がいた。
そして、彼はこちらに気づいたのか窓の方へ走ってきた。
ユキ
少年
ユキ
その後は他愛もない話をしていた。
好きな物の話、趣味の話、龍之介さんほどではないけど、とても楽しい一時を過ごせたと思った。
少年
ユキ
そして彼はまた紫陽花の茂みへと消えていった。
それからというもの毎日毎日、2人は話していた。
でも、決して話題が無くなることはなかった。
そんなある日のこと。
少年
ユキ
少年
ユキ
少年
ユキ
少年
ユキ
ユキは、瞳に少し涙を浮かべた。
そして、紫陽花の花に目線をやり
ユキ
少年
ユキ
そういい、紫陽花の茂みへと消えていった。
その日から彼が窓に来ることはもう無くなった。
ーー数日前ーー
龍之介
ユキ
龍之介
ユキ
龍之介
ーー現在ーー
ユキ
ユキ
主人
ユキ
龍之介
ユキ
龍之介さんの前でずっと我慢しておいた悲しみをぶちまけた。
龍之介
龍之介の金色がかった瞳にユキの緑色の瞳が映る。
そして龍之介さんはユキを励まそうと白い毛並みをペロペロと舐めた。
ユキはペタンと耳を折り曲げる。
そして、龍之介は溢れ出すユキの涙まで舐めとった。
主人
龍之介
その言葉に龍之介は元気に反応した。
そしてユキは主人の膝に飛び乗って、背中をさすってもらった。
ユキ
体全体を撫でてくれる主人に対して、ユキは甘え声でみゃお、と鳴いた。
コメント
1件
語彙力無いです!分かりにくくてごめんなさい!