幸。

いつも、男の子のノリで絡まれる

だけどそれは苦ではない

ちゃんと、ありのままの自分で男の子とも女の子とも話せるし関われているから。

そしてそれを周りも理解しているから。

少し前まで、女の子に気を使っていた私に

そうやって、私に勇気をくれたようたは、親友だ

友達よりも友達で

恋人よりも恋人で

家族よりも家族

みたいな、そんな存在

そうやって

思っていたけど

咄嗟に目を瞑る

途端に、ドサドサｯと、重く鈍い音がする

恐る恐る目を開けると

ギュッ…

あれ？

腕、掴まれてる

よーたの顔は耳まで分かりやすく赤くって

唇を強く噛んでいた

え？

あー

なるほど。

そういう。え。

どうして、

私なんかのどこが…

私にとってのよーたは親友で

いつも相談乗ってくれて

暇な時電話して

適当にご飯いってはしゃいで

そんな、

恋人みたいなんじゃないもん

どうして、よーたは、いつから？

よーたは今まで、私とどうやって関わってきたの？

よーたのことは好き、大好き

だけど、それは、恋愛じゃなくて

ああ

どうしよう

好きの意味が違うだけでこんなにも苦しいんだ

秘密にしようと思っていた

もうこのまま隠し通そうと思ってて

ずっと友達だと思ってた

けど、こんな時に限って

いっその事バレちゃえばいいのにって

態度に出して…中途半端すぎる、

ゆうきに、こんな顔させたくない

ゆうきはいつも通り、炭酸水みたいにはじけた笑顔で

明るく、、、

そんな顔しないでほしい…けれど、

させているのは俺で…

この先を言わなければ

ー いつも通り過ごせるのになあ ー

ちらりと顔を見る

ああ

本気だ

冗談でも軽くもない、ちゃんと、本気だ

…

どうしよう

この先、私の返事によっては

よーたと私は親友じゃなくて

「恋人」になるんだ

そんな顔、しないで

なんで私はこんな顔をよーたにさせちゃってるの…

私も…友達で…

いや

これからそういう風に見れるように意識すれば

何か変わるかもしれない

だって…

こんなにもありのままの自分を受け入れてくれて

好きと言ってくれる人なんて、他にいる？

自分を好きでいてくれる人を 同じように好きになれたら

絶対幸せじゃん

けど…

こんな中途半端な思いで応えられない…

なんで私が泣いてるの

よーた、本当に、

ありがとう。ごめん。

好き

それは、ひとつの、特定の意味なんかない

好き、それは、すれ違うもの

色や大きさはそれぞれで

それが合うか合わないか

私はよーたのことが好き

よーたは私のことが好き

意味は、違うけれど、

いつかきっと、2人とも、幸せになる

ちゃんと、同じ色で、大きさの好きと出会うことが

必ず、できる。

だからそれまで、幸せのために、明日へと進む