鳴海side
頭が締め付けられるように痛い。
食欲をそそる匂いがして 重い瞼を開けると、
見慣れた気弱そうな顔が 視界に入った。
稲世ラム
稲世ラム
鳴海弦
気怠い体で起き上がると、
ラムは土鍋から器に 粥を移していった。
自分の弱い所を 見せたくない一方で、
甘えたくなる衝動が湧く。
稲世ラム
稲世ラム
鳴海弦
稲世ラム
稲世ラム
稲世ラム
エサを待つ雛鳥のように 口を開けると、
意図を汲み取ったラムは 一口掬って息を吹いて冷ました。
稲世ラム
鳴海弦
稲世ラム
鳴海弦
稲世ラム
嬉しそうに微笑む その顔に胸が弾んだ。
粥を綺麗さっぱり完食すると、 また眠気に襲われた。
稲世ラム
稲世ラム
鳴海弦
咄嗟に細い手首を掴む。
コイツが断れないことは わかっている。
鳴海弦
稲世ラム
座り直したラムの片手と ボクの片手の指を絡める。
鳴海弦
稲世ラム
鳴海弦
ラムは何も答えない。
仕事で仕方がないのも、 ラムの意思じゃないのも分かってる。
でも、それでも、
鳴海弦
こんな弱いボクを 見せたくないのに、
ボクの弱いところを 受け入れて欲しいと思ってしまう。
矛盾してる。
分かってる。
鳴海弦
頭がボーッとして 意識が遠のく。
稲世ラム
稲世ラム
鳴海弦
最後に見えたのは 寂しそうに微笑むラムだった。
ラムside
私が鳴海隊長に出会ったのは 3年前の冬。
鳴海弦
鳴海弦
稲世ラム
鳴海弦
稲世ラム
怪獣の攻撃から 私を担いで避けてくれた鳴海隊長。
今と変わらない 俺様気質ならぬボク様気質だけど、
実力は尊敬してもしきれない。
何だかんだ言いながら 仲間や市民の命最優先の姿に
私は憧れて、
実務経験とトレーニングを経て 小隊長になった。
稲世ラム
稲世ラム
稲世ラム
これが私が防衛隊で 命懸けで仕事をする理由だ。
コメント
1件
いつも自信満々な彼も弱ってる鳴海隊長も愛します🫶🏻️︎💞