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数日前、夜のこと
蓮華は、山深くの静かな闇の中を歩いていた
その先に現れたのは、白い裾を引きずるように歩く男
鬼舞辻無惨だった
蓮 華
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
蓮華は表情を変えずに膝をつく
無惨の声は、絹のように滑らかで、氷のように冷たい
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
蓮 華
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
蓮華の目が揺れた
鬼 舞 辻
返事はなかった
無惨は冷ややかに微笑む
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
ぱた、と音をたてて、黒い花弁が地に落ちた
それは血でも涙でもなく、ただ命令の影だった
蝶屋敷
芙梛は何事も無かったように、薬の仕分けをしていた
だが、彼女の仕草はどこかぎこちなく
薬草を握る手がほんの少し震えていた
背後に気配を感じて、振り返る
そこには無一郎がいた
時 透
芙梛はにこりと笑ってみせる
芙 梛
時 透
時 透
芙 梛
時 透
時 透
芙梛の目が僅かに揺れた
芙 梛
芙 梛
芙 梛
時 透
時 透
芙 梛
芙梛はそっと彼の頭を撫でた
その指先が、今にも凍りそうなほどに冷たいことに
彼は気付いていた
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その夜
芙梛は自室で、一人静かに座っていた
机の上には、一枚の薄い紙
そこには、無惨からの命令が書かれていた
『 時透無一郎 破壊 』
芙梛は指でそれをなぞりながら、ぽつりと呟いた
芙 梛
芙 梛
言葉とは裏腹に、その目には涙が無かった
ただ、冷たい夜風が障子の隙間から入り
芙梛の花の髪飾りを揺らしていた
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