テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

数日前、夜のこと

蓮華は、山深くの静かな闇の中を歩いていた

その先に現れたのは、白い裾を引きずるように歩く男

鬼舞辻無惨だった

蓮 華

呼びましたか。無惨様

鬼 舞 辻

来たな、蓮華

鬼 舞 辻

" 上弦の零 "として、お前に与える任務がある

蓮華は表情を変えずに膝をつく

無惨の声は、絹のように滑らかで、氷のように冷たい

鬼 舞 辻

鬼殺隊に、妙な動きがある

鬼 舞 辻

柱たちが集まり始めている気配がある

鬼 舞 辻

その兆しを潰せ

蓮 華

...誰かを殺せと言うことですか?

鬼 舞 辻

そうだ。敵の牙は、芽吹く前に摘むものだ

鬼 舞 辻

特に、あの「 時透無一郎 」

鬼 舞 辻

あの少年は、いずれ厄介になる

蓮華の目が揺れた

鬼 舞 辻

殺さなくても良い。壊せ。それが、お前に出来る最も美しいやり方だろう?

返事はなかった

無惨は冷ややかに微笑む

鬼 舞 辻

出来ないとは言わせないぞ

鬼 舞 辻

蓮華。私のお気に入りの、花

ぱた、と音をたてて、黒い花弁が地に落ちた

それは血でも涙でもなく、ただ命令の影だった

蝶屋敷

芙梛は何事も無かったように、薬の仕分けをしていた

だが、彼女の仕草はどこかぎこちなく

薬草を握る手がほんの少し震えていた

背後に気配を感じて、振り返る

そこには無一郎がいた

時 透

芙梛、最近...変だよ

芙梛はにこりと笑ってみせる

芙 梛

え?変じゃないよ、芙梛はいつも通り

時 透

そう

時 透

...でも、匂いが少し違う

芙 梛

...

時 透

血の匂い。だけど、人を殺した匂いじゃない

時 透

...芙梛、自分で自分を壊そうとしてない?

芙梛の目が僅かに揺れた

芙 梛

( 無一郎...やっぱり鋭い

芙 梛

( 何かを察してる。でも、それを言葉にしないで、ただ問いかけるなんて

芙 梛

...ふふ。そんな怖い顔しないでよ。芙梛は何処にも行かないよ

時 透

嘘でも、そう言ってくれるのは嬉しい

時 透

でも嘘は嫌い

芙 梛

...優しいね、無一郎

芙梛はそっと彼の頭を撫でた

その指先が、今にも凍りそうなほどに冷たいことに

彼は気付いていた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その夜

芙梛は自室で、一人静かに座っていた

机の上には、一枚の薄い紙

そこには、無惨からの命令が書かれていた

『 時透無一郎  破壊 』

芙梛は指でそれをなぞりながら、ぽつりと呟いた

芙 梛

どうすればいいの、これ...

芙 梛

こんなの出来るわけないよ...

言葉とは裏腹に、その目には涙が無かった

ただ、冷たい夜風が障子の隙間から入り

芙梛の花の髪飾りを揺らしていた

 □ ■ □ 

1000👍達成しました~‼️ ありがとうございます🥹🙇‍♀️ これからも沢山出していくので👍いっぱいお願いします🙇‍♀️🙏

鬼 と 人 間 は 結 ば れ な い 。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,043

コメント

1

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚