テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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夢々、君へ揺れ

第44話 - 失せない夢

250

2024年03月30日

#一次創作

#ファンタジー

#夢

#理想

#運命

#青春恋愛

四阿朧

芽生

おはよ、十和

十和

おはよう芽生

十和

…結構、いつも通り？

芽生

うん…なんか、何したらいいのか分かんなくて

芽生

でも雨莉ちゃんがメイク用品とか持って来てくれるらしい

十和

へえ、良かったね

芽生

うん

十和

…楽しみ？

十和が柔らかい表情で、私のことを見つめる

芽生

うん！

十和

俺も

十和

…ほんと、引っ越さずに済んで良かったね

芽生

まあね…ふつうにあのときは昂ってたけどさ、今考えたらすごいよね

十和

うん…てか芽生のお母さんってなんかすごい人なの？

芽生

え？なんで？

十和

知り合いに家借りてるから引越し取り消せるとか

十和

仕事場も、やっぱ本社行きませんが通じるなんて

芽生

あー…うん、まあね

芽生

お母さんは…ずっと頑張って働いてて

芽生

…ビジネスを通した人間関係なら、視野が広いし得意なんだよ

芽生

利益のある相手とはとことん仲良くなるし

十和

へえ…やっぱすごいね

芽生

うん…離婚してからずっと私を女手1つで育てて来てくれた人

唯兎くん

あ、いた芽生ちゃん

雨莉ちゃん

ねえ、めおめお今日夢見た！？

芽生

え？見てないけど

十和

見てないの？

芽生

うん、でもなんか嫌な感じじゃなかったからいいかなって

唯兎くん

うんまあ…なんかそれはわかるんだけど、何しろ経験あるじゃん、ちょっと心配した

芽生

そっか、ありがと

芽生

でもこのとーり元気です

唯兎くん

あはは、ほんとに元気だ

雨莉ちゃん

おっしゃー、めおめお準備しようぜ！

芽生

うん、する

十和

あ、そだ芽生

芽生

ん、わ

ぐ、と袖を引っ張られて、バランスを崩す

受け止めた拍子に、十和は耳元で言った

十和

あとで芽生の時間ちょーだい、できれば後夜祭前

芽生

…うん、わかった

芽生

（そっか、後夜祭もあるんだ）

芽生

（キャンプファイヤー、楽しみだな）

唯兎くん

…告白するんだ？

十和

へ？

唯兎くん

芽生ちゃんに

唯兎くん

…違うの？

十和

いや…違わない

十和

今から唯兎に言うとこだったんだけどな…

唯兎くん

バレバレー

唯兎くん

…ふーん、そっか

十和

…？唯兎はしないの？

唯兎くん

…うーん、したいけど、さ

唯兎くん

考え中かな…まだ、芽生ちゃんに何もできてないし

十和

え、そんなことないでしょ

唯兎くん

あるんだよ

唯兎くん

…ね、俺たちが夢を見なくなった理由ってなんなのかな

唯兎くん

雨莉は今朝も見たんだって

十和

あ、そうなんだ

十和

…なんでだろ？

唯兎くん

俺はさ

唯兎くん

芽生ちゃん、昨日もう"自分の世界"いらなくなったんじゃないかなぁって

十和

？

唯兎くん

夢の世界がなくても…芽生ちゃんだけの王子様がいなくたってもう、幸せになれる

唯兎くん

…そう思ったのかなって

十和

…お前は、それでいいの？

唯兎くん

どうだと思う？

十和

なんか、楽しそうだなって

唯兎くん

うん、せーかい

唯兎くん

俺はさ…芽生ちゃんの隣は俺だけがいいって気持ちもあるけど

唯兎くん

今1番に願うなら、芽生ちゃんがずっと笑っていられることだから

唯兎くん

…もう、夢の世界なんかに縛りつけたく無い

十和

縛りつけてなんか…なかったでしょ

唯兎くん

…ははっ

唯兎くん

俺の方が、ずっと夢の世界にいたがってたんだよ

唯兎くん

俺だけが居場所でいいと本気で思ってた

唯兎くん

違うんだ、今はさ

唯兎くん

芽生ちゃんが…いろんな世界を知って、楽しく幸せに過ごしてほしい

唯兎くん

もっともっと外の世界に連れ出してあげたいんだ！

雨莉ちゃん

じゃ〜ん☆

芽生

…

唯兎くん

わ、2人ともなんか分かんないけどすんごいね、似合ってる

十和

…ピカピカしてる

雨莉ちゃん

でっしょ〜〜！

芽生

雨莉ちゃんすごいね…私、こんなに上手なメイクできないや

雨莉ちゃん

ふふん♪

芽生

あ、そういえば結局昨日あのあと誰が私のシフト変わってくれたの？

雨莉ちゃん

あたしやった！接客めちゃくちゃ楽しかった〜

雨莉ちゃん

あたし今日も受付のシフト入っててさ！

雨莉ちゃん

めおめおといっしょだよ！

芽生

あ、ほんと？変わろうかと思ってたんだけどそれじゃ無理か

雨莉ちゃん

全然いーよほんとに楽しかったから

唯兎くん

俺らはシフトの時間違うね、それなら一緒に回るのは結構最後の方かも

雨莉ちゃん

まだ食べ物とか残ってるかな〜

十和

じゃ、俺もう初っ端だから行くね

芽生

またあとで

唯兎くんが一旦クラスの友達と回るというので、私たちはその間にもお店を回ることにした

雨莉ちゃん

え、これめっちゃおいしい！

芽生

それ市販のやつでしょ？

雨莉ちゃん

やめてー、見た目可愛いんだからいいじゃんっ

芽生

そういやフォトブースめちゃくちゃあるね

雨莉ちゃん

そだねー、みんな作りたいんでしょ

芽生

私たちもペーパーフラワーみたいなの作ったもんね…

雨莉ちゃん

あれ大変だったねー

雨莉ちゃん

あ、そういえば…

芽生

？

雨莉ちゃん

あれあるじゃん！四葉の…数字ペア探しみたいなの！

雨莉ちゃん

まだあるかな、見にいこーよ

芽生

あ、それの教室どこだっけ？

雨莉ちゃん

あっち！

夢々、君へ揺れ

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わ、凄く楽しそう……！！文化祭って一日中自由〜って感じがして凄く楽しいけど、自分の中でいろいろ整理出来た芽生さんはもっと楽しいんだろうな、って思うとこっちまで楽しくなってきちゃったよ✨✨ とりあえず、皆普段と変わらない日々を過ごしてて安心したよ……😌💭 そしてついに十和くんの告白……！！！唯兎くんも…って思ったけど、唯兎くんは自分の気持ちより芽生さんの笑顔を優先にするんだね……

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