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K
こんにちは
N
こんにちは
K
身体の調子は良いのですか?
N
うん!今日は凄く調子がいいの
N
外も天気が良いから、お出かけしたかったけどそれはダメだってママに言われて…
K
無理をしてしまうと、またこの前のように苦しい思いをしてしまいますから
K
その言葉どおりにするほうが、Nのためにもなるでしょう
N
そう、だよね…うん。だから、Kとお話したくって!
N
今日は、どんな話してくれるの?
K
今日は、どんな話が聞きたいですか?
N
Kの話は、どれも面白いから
N
なんでもいい
K
そうですか…
K
では、改めて今わたしがいる場所の話をしましょう
N
うん
K
わたしが今いるのは
K
地球から遠く遠く離れた場所です
N
どのぐらいなの?
K
たしか、数万光年と
N
光で数万年?
K
そうです
K
わたしはここで、毎日、地質調査をしています
N
ち、しつちょうさ?
K
人間が住むためにはなにが必要か
K
どういった土地なのかを、調べる為の仕事です
N
人は住めるの?
K
おそらく、住めないでしょう
K
到達するのにも時間もかかります
N
住めないの?
K
ええ。おそらく
K
今の技術では、お金と時間がかかりすぎる
N
そっか…
N
面白くないね
K
面白くない?
N
だって
N
せっかくKが調べたその星に
N
私はどうせ、行けないし…
N
元気だったとしても、行けないんでしょ
K
もしもNがこれからも元気に生きていくのなら
K
来れるかもしれませんよ
N
ホント?
K
この星は、人間が住むには適性がない
K
来るにも、今のワープ航法では時間が掛かる
K
ですがこれから技術が発達したら、もっと身近な星になるでしょう
N
じゃあ、私はKに会える日が来るのかな
K
それは、わかりません
K
わたしにも、寿命がありますから
N
Kも、死んじゃうの?
K
ですが、わたしの記録はたくさん残ります
N
Kが居たっていう、日記みたいなもの?
K
そうですね、近いものです
K
わたしが見た数々の奇跡を、あなたに見てもらうことができる
N
きせき…どんなの?
K
地球では見ることが出来ないオーロラや
K
不思議な物質でできた星もありましたね
N
私はね、こうやってKと話が出来ることが
N
とても奇跡だと思うの
K
そう言ってもらえると、とてもうれしいです
N
あの時も
N
すごい変な鳥の写真を送ってたのよね?
K
ええ。とても興味深い生物だったので
K
ちゃんと送信したはずだったのですが
K
おそらく、磁気嵐などの影響で、送り先が間違ったのでしょう
N
あの写真今もとってあるよ!
N
すごく、好き
N
宝物だから、誰にも見せないの
K
それはうれしいですね
K
あの低確率の事象によって、わたしはNとこうして話す事ができた
K
これは人の言葉を借りるなら、奇跡に等しい
N
うん、そうだね!
K
数多の宇宙における偶然の事象は
K
まさに奇跡でした
K
それらを見て、記録して、送り続けてきたわたしだからこそ
K
この出会いは奇跡だと言いたい
N
なんか、いつものKじゃないみたい
N
疲れてるの?
K
わたしはアンドロイドですから、疲労はありません
K
たぶん、Nの感じるそれは…
K
N、あなたの名前を、教えて下さい
N
私は
N
ナミっていうの
K
ナミ……そう、ナミ、ですか
N
うん
K
ナミ。もっと早く、名前を聞けばよかったですね
K
おそらく、今日の会話がわたしとナミの
K
最後の会話になるでしょう
N
え?
K
わたしはすでに、寿命を終えようとしている
K
すでに活動限界を迎えようとしている
K
そんなアンドロイドなのです
N
うそ
K
本当です
K
まだ計算上、大丈夫だと思っていました
K
が、どうやら内部的に損傷を受けているようです
N
もうKと、話せなくなるの?
N
うそでしょ?
K
ナミ
K
あなたは、まだこれから未来がある
K
だからこそ一つ、約束してほしいのです
N
やだ
N
Kと話せなくなるなんて…やだよぅ…
K
そう、話せなくなります
K
ですが、一つだけ方法はあります
N
方法?
K
あなたの未来に託したいんです、その方法を
N
なに?
N
私の未来って…