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奴隷になった宝石

第13話 - “俺の気のせい？“No.IVモルガナイト⑥

2025年10月11日

#irxs

#桃赤

#白黒

#水青

奏雨

いらっしゃいませ

当店にお越しくださりありがとうございます

それでは注意事項のご確認をお願い致します

irxs nmmn 注意主従関係宝石要素,年齢操作があります IV×Ⅰ Ⅱ×Ⅴ Ⅲ×VI Ⅰ,Ⅲ,VI(赤,白,黒)→宝石 IV,Ⅴ,Ⅱ→人間 ※一部のメンバーさんの話し方が全く違います →主に黒,青苦手な方、地雷がある方はご注意ください ✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。宝石側の年齢 Ⅰ(赤)→8歳 Ⅲ(白)→7歳 Ⅵ(黒)→11歳 ✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。人間側の年齢 IV(桃)→19歳 Ⅱ(水)→22歳 Ⅴ(青)→16歳 ✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。

以上になります。それでは行ってらっしゃいませ

Ⅲ

おにぃさん…？

Ⅲ

おにぃさん、！

起きとったん〜？俺が居らんくても寝ぇよ

Ⅲ

んん〜おにぃさんが居らへんから起きた〜！

勢い良くベッドから起き上がっておにぃさんに抱きつく

暖かい肌と指先を頬に当てる。冷たい肌はじんわりと温められる。

Ⅲ

…おにいさん居らな…寂しくて起きてまうから一緒に寝よう？

……ん、…寝よっか

Ⅲ

……？

Ⅲ

おにぃさん嫌なことあったん？

ないよ…少し話しとったから…湯冷めしたんやと思う

Ⅲ

…っ………

顰め面せぇへんの。ホンマに何もやないよ
初兎の気にしすぎちゃうん？

Ⅲ

ちゃうもん。お兄さんに嫌なことされとるやろ？

Ⅲ

…自分嗅覚だけはええから誰と一緒に居ったのか分かるよ

衣服に染み付いた香りも、肌から香る匂いも分かる。香りが分からないとご飯を食べられないから。

毒の匂いも、不満の香り、嫌な香り、嘘の香りが匂うだけで直ぐに分かる

Ⅲ

お兄さんに嫌なことされたんやったら自分怒りに行くよ

”大丈夫”やって。初兎そろそろ寝るよ

Ⅲ

………う、ん

誤魔化す時の声。何も聞くなと言わずとも態度と匂いで分かる

一人寂しかったん……？

Ⅲ

んん…一人で居るのは慣れとるよ…

Ⅲ

怖くても眠れんくても、一人で居らな怒られるのが多かったよ

俺は怒らへんよ。初兎はちっこいんやから…はしゃいでええんとちゃ、う？

Ⅲ

そこまで小さない…よ？自分だってお兄さんの相手出来るよ

はいはい、初兎は子供なんやから…そんなこと言わへんの

初兎、急に抱きついたら驚くから止めような

今にも泣きそうなおにぃさんの胸元に唇を当て、肌に吸い付く

Ⅲ

おにぃさんの相手出来るもん…ないこさんより、自分のことだけ見てぇや

悪いけど…痛いの我慢しなね

Ⅰ

ひ、“っ…ご…主“人…様

Ⅰ

ぁ“、っつ“…ん“んっっ“！！

無防備な首筋を掴み、歯型がつくまで肌に噛み付く

人が嫌がることはしてはいけません。小学校で習うようなことをこの子に教えないといけない

ん、っ…っ、

首筋から流れる血を舐め取り、身体を引き剥がす

起きた所悪いけど…そろそろ寝よっか

眠そうに服の裾を掴む子供。体を抱き上げ寝室に向かうと、嬉しそうに頬を緩める

…嬉しいの、？甘えん坊なりうらも可愛いね〜

Ⅰ

すぐ可愛いって言う…

八歳はまだまだ可愛い歳なんだよ

Ⅰ

ボク八歳じゃないです…そもそも宝石に年齢なんてないですよ

まぁま、りうらが八歳じゃなくても見た目的には八歳の体格……だしね〜？

Ⅰ

…ご主人様が悪いんだ、もん

Ⅰ

子供扱いされたくないのに……っ、っ

涙拭いたら……寝ようね

泣きじゃくる姿が年相応の子供で可愛いと思ったの内緒のお話

Ⅴ

…んっ、っ……

服の裾を強く掴み、熱を持った視線を向けてくる

分かりやすい表情で〖もっと〗と頬を緩める。気持ち悪いと思う反面、主人として正しく躾てあげないと

Ⅱ

…っ……首絞められて喜ぶのはいふくんくらいだよ

力を込めていた手の力を緩める。チョーカーを付け直し、衣服のボタンに手をかける

Ⅴ

…っ、…、？

Ⅱ

そろそろ新しい首飾り着けないと…取れそうだしね

Ⅴ

ん“っ…っほとけ…っ、“苦し、い“

Ⅱ

丁度良い所まで調整してるの…首の余裕はこれくらいでいいか

痛みに顔を歪ませる猫。首元にリードを付け、首を傾げる猫に声を掛ける

Ⅱ

さ、お散歩行こっか。久しぶりにお外の景色見に行こ〜！

Ⅴ

……っこの格好で行くん、は、っ……恥ずかしいん、やけど

Ⅱ

マゾだから平気でしょ。見られてもアクセサリーだって誤魔化しが効くでしょ

おずおずと小指を絡めては、満足した様子で微笑む

目が合うと、頬を赤らめてすぐ目を逸らす。そんな素直じゃない猫に、頬が自然と緩む

Ⅴ

嬉しそ“、うやな……？

Ⅱ

…別に、

Ⅴ

……ジロジロ見てなにぃよ、？コレ似合とらへん、？

Ⅱ

似合ってる

素っ気ない感想に、分かりやすく落ち込む猫に慌てて言葉を紡ぐ

Ⅱ

っ、…………前のは…犬の首輪…なのもあって…違和感あったけど

Ⅱ

前より…可愛いなぁ、〜って…見惚れて、…

Ⅱ

…た、だけ

Ⅱ

はい、っ、感想言うのはお終い、！！

Ⅱ

いふくん行こう

主人はいつも俺と歩く速度を合わせてくれない。玄関先まで歩かされるのが殆ど。

Ⅴ

なぁ、ほとけ…首苦“しい、

Ⅱ

…歩くの早かった、いふくん体力無くなったんじゃない〜、？

Ⅴ

無くなっとらへんよ、ん、…？俺の…靴…何処にしまったん

Ⅴ

…だいぶ前やけどまだ……

Ⅱ

必要ないから捨てたよ

Ⅱ

最近は外に出たがってるから履けそうなの…見繕ってる

Ⅱ

好きなの選んでいーよ

Ⅴ

…

選んでいいよ。そう許可を貰っても靴を選べない。

いつもこうだ。自分の意志なんてない。どれが良いか聞く度に深い溜め息を吐かれる

今回の主人はいつもと違う反応で、傍に座ってどの靴がいいかと一緒に悩んでくれるようだ。

Ⅱ

………足のサイズ分からないから…一回履いてみよっか

Ⅱ

靴紐は結ぶから一回履いてみて

Ⅴ

…っ、うん

靴を履いて恐る恐る主人の顔を覗き込む

靴紐を結び終えた主人は手を絡めて嬉しそうに頬を緩める

Ⅱ

…可愛いね

普段は冷たく素っ気ない主人。たまに優しくされるとどう反応したらいいか分からない

Ⅱ

ん、？？いふくんどうしたの…コレが良い、？

Ⅴ

……う、ん。コレ“が“いい

Ⅱ

そう。この靴履かない間は、僕の棚にしまうね

Ⅱ

(嬉しそうにしちゃて……本当単純なマゾ猫)

リードを引っ張りながら夜の街を歩く。隣を歩く猫は嬉しそうに頬を緩めている

Ⅱ

……外嬉しい、？

Ⅴ

嬉しいちゃ嬉しい…で、も……俺の家ここら辺やったから

Ⅴ

…まだ外出るんは怖いかもしらへん

震える手を握り直す。「大丈夫」と伝わるように。僕は一度拾った猫を無責任に捨てたりしないよという意味を込めて、頭を撫でる

Ⅴ

なんや、wほとけから触ってくるん珍しいなぁ？？

Ⅱ

髪長いのが気になっただけ……髪結構伸びたね

Ⅱ

髪切るなら切るよ……

Ⅴ

俺はこの長さで…いいんよ…。俺よりほとけの方が髪伸びとるやん

髪を触れるだけの触れ合い。そう分かっているのに頬が赤色に染まる

手首に触れる手。真っ赤に染った耳を隠させまいと悪戯気に笑みを浮かべる

Ⅱ

……僕はこの長さでいいの…伸びても括れるし、……っ

Ⅴ

乾かすん面倒やっていつもボヤいとるやろ

Ⅱ

僕はこの長さで大丈夫だよ

Ⅱ

…いつまで手掴んでるつもり、？両手塞がれたら困るんだけど……

Ⅴ

照れとるの隠そうとしなくなるまでこのまま

Ⅴ

照れとる顔可愛いくて好きやのに何で隠そうとするん？

いつの間にか僕よりも背が高くなり、声も拾った当初より低くなった。加えて僕に拾われて数ヶ月で愛情表現が激しくなった

Ⅱ

、っ…っ、ふふ…くすぐったい､…

Ⅱ

、っや、っ、っ…ん、っ

手の甲を毛ずくろいするように舐められる。くすぐったいと口にしても止めてくれないのが猫の悪い所だ

吐息を吐いた後、絡めた手を離して、一歩先に歩みを進める

Ⅱ

いふくん…っ、待って、先歩かれたら困るっ、！？

歩幅が合わない猫との散歩をするといつも転んでしまう。

Ⅱ

……っ、……

Ⅱ

……っ“…こういうことがあるから…出来るだけ歩幅合わせて

血が垂れる膝を抑えながら立ち上がる。痛みに瞳を歪ませ、泣かないように歯を噛み締める。

Ⅴ

大丈夫か、

Ⅱ

いい、これくらっ、！？

Ⅴ

…さっさと帰ろうか〜ないこ起きとったら手当して貰おうな

おんぶ越しに見える高い景色。視界から見える青髪は、風に靡いてふわりと広がる

「大丈夫だから」。おんぶを止めてもらおうと口にする言葉を飲み込み、彼の背中に頬を付ける

皆……僕を置いて成長していく

Ⅱ

いふくん“は“置いてかないでね…

Ⅴ

？はっ、？なんの事かは知らへんけど俺が主人のこと置いてかへんよ

Ⅴ

気が変わらん限りは、ずっと傍に居るよ

Ⅱ

……約束だからね

Ⅴ

っ、はいはい

Ⅴ

少し痛いけど我慢してぇな〜

Ⅱ

…いいよ。これくらい自分で出来るよ

自分で出来る。主人はいつもそう言って俺からの好意を断る。

出来ないこがあっても、俺には弱い所を一切見せない。強い主人であろうとする

Ⅴ

……ほとけ痛いの嫌いやろ、？俺の髪掴むなりして我慢してぇな

Ⅱ

………っ“

リードを引っ張られ、首輪が音を立てて首を絞める。息苦しさに手が震えるが、歯を食いしばり手当を続ける

Ⅴ

っ、……よう我慢できたなぁ…包帯はこまめに変えような

Ⅴ

……っ……っ“

Ⅱ

…首締まって苦しいね〜？吐くなら全部吐いて

細かに震える手。主人は不安なことがあると俺に手を上げることが多い

Ⅴ

…っ、

リードを持っている手を離し、バランスを崩した俺をそのままベッドに組み敷く

見慣れた天井。手を上げられる恐怖はあるが、俺は今にも泣きそうな主人の頬を撫でる

Ⅴ

っ、何が不安なん…俺はほとけの物やってことの何が嫌なんよ

Ⅱ

……ただ…妬いてるだけ…僕の猫なのに、他の子に懐かれてるのが腹立つ

Ⅴ

ああ、りうらのことか…確かに変に懐かれとる……け、っ、ど

Ⅴ

っ、“あ“っ…ぅ、“っ“ま、“っ

Ⅱ

懐かれないように部屋にいるように言ったのにね〜

首輪を見て安心したのか、主人は締めていた手の力を緩める。

Ⅱ

(同じ境遇の人に優しくされて懐く気持ちはまぁ、理解は出来る)

Ⅴ

何処行くん、？

Ⅱ

…ないちゃんの顔見に行くだけだよ

Ⅱ

不眠症の薬飲ませないと眠れないと思うから

Ⅴ

…

Ⅴ

さっさと戻って来てよ、？…待っとるから

Ⅱ

…………はいはい、善処します〜

……やっと寝たか

すやすやと寝息を立てる子供の頭を優しく撫で、部屋の扉を開ける

そろそろ来る頃だと思ってたよ。いらっしゃい〜

Ⅱ

………

りうらは寝ましたよ。すやすや寝てて可愛いでしょ〜？

ほとけっちなら褒めてくれると思ったのになぁ

態とらしい言葉。素直に褒めて欲しい。そう言えばいいのに、言えない自分が嫌い。

Ⅱ

屈んで

っ、！はぁ、〜い

Ⅱ

いい子だね〜子守りちゃんと出来て偉いね〜

頭を撫でる手が優しくて暖かい。頬を緩めると、更に頭を撫でる彼の手が好き。

頬を擦り付けるといつも驚く。驚きながらも頭を撫でる手を止めない

Ⅱ

満足した、？

満足しました〜頭撫でたら薬頂戴〜！

Ⅱ

薬飲んで寝ようか。眠れない時はいつでも呼んでね

ん〜貰ったお薬飲んだら眠れるよ？

Ⅱ

………そうだっけ？

おたくの猫ちゃんのお陰かも、…

Ⅱ

いふくんが？部屋から出ないように行ってるはずだけど…

不思議そうに首を傾げる彼。首に触れにこりと微笑む。すると彼は直ぐに分かったのか声のトーンが下がった

意外と可愛い声で鳴くんだね〜

あ、ほとけっちの前だと違うのかな

Ⅱ

言わなくていい。子供は薬飲んでさっさと寝な

……はぁ、い〜

Ⅱ

体冷やさないようにね…それじゃあおやすみ

Ⅴ

…、？っ、ん…〜っもう朝か

カーテンから差し込む光に目を覚ます。上半身を起こそうと布団を畳む。

Ⅴ

(ほとけは……戻っとらへんか)

戻っているんじゃないかと期待していた自分を叱責し、膝の上に乗っているりうらに視線を向ける

Ⅰ

……ごめんなさ、っ…！！

Ⅴ

りうらもう起きたんか、おはようさん

Ⅰ

…おはようございますっ、！

Ⅴ

(何怖がっとんだか…)

様子を伺っていると、りうらがおずおずと口を開いて話し出す

Ⅰ

いふさん…お部屋の…虫、逃がせられますか？

Ⅴ

…ないこに、

言いかけた言葉を飲み込む。虫を殺める彼の姿が簡単に想像できたからだ

Ⅴ

…何処に出たんか聞く前に、その服装どうしたんよ

丈のあっていない男物のシャツ。小柄なりうらには服の大きさがあっていない

Ⅰ

ボクが太ってしまいましたので、ご主人様が新しいお洋服用意してくださいました

Ⅴ

……丈詰めようか

Ⅰ

…？ご主人様が成長するからこの長さで良いって…

Ⅴ

歩く時転びよったやろ…立って、丈確認するわ

Ⅰ

……

Ⅴ

虫逃がしてからしようか。ちょっと待ってぇな

Ⅴ

虫外やったからもう降りてええよ

頭を撫でてから下ろす。子供の身体に合っていないシャツを詰める為に、裁縫道具を取り出す

Ⅰ

……お裁縫出来るんですか？

Ⅴ

生活する上で必要最低限のことは出来るよ
りうらにも教えたろか？

Ⅴ

裾上ならりうらでも出来るよ

裾上の長さを図り、チャコペンで印を付ける

膝上くらいの長さなら転ばないだろうと服の裾を上げようと手を伸ばす

Ⅰ

自分で捲れますよ、少し……待ってくださいね

Ⅰ

いふさん…捲り終わりましたので、確認お願いします

Ⅴ

長さはこれくらいなら少し裾上げたらええな

マチ針を裾に付け、針に糸を通す。じっと見てくるりうらに「興味があるんならやってみるか？」と声をかけた

Ⅰ

お裁縫の経験がないので失敗しますので……いふさんのやってる所見てます

Ⅴ

最初は失敗してなんぼやろ。見とるから一回やってみ

Ⅴ

指刺さんようにしてほしいけど、最初は刺すもんやから怪我せんようにな

Ⅰ

はぁい……

Ⅰ

…こう、ですか？

Ⅴ

ん…？そうそう通せたなら縫ってみようか

瞳を見開いて驚く子供の表情に笑みをこぼす。感情表現の乏しい俺より表情の豊かさは見ていて飽きない

Ⅴ

(困った顔せんでええのに)

Ⅴ

手本は見せるよ。見えやすいように近くおいで

Ⅴ

縫う前に玉留めして…裾を三つ折りにしてまつり縫いするだけ

Ⅴ

手本も終わったし、やってみようか

深刻そうな表情を浮かべ、黙り込む子供。どうしたのかと問いかける前に、子供は恐る恐る口を開く

Ⅰ

不安なのでいふさん一緒にしてくれますか？

Ⅴ

えーよ、手少し借りるな

膝に座らせ、小さな手に自分の手を重ねる。見えやすいようにゆっくり針を動かす

ひと針、ひと針、ゆっくり手と針を動かす。観察しているりうらは口数が少なく大人しい。

普段からこういう態度なら扱いやすいのにと関係の無いことを考える

Ⅴ

んで、玉結びしたら終わり。出来そうか？

Ⅰ

多分…出来ます。いふさんありがとうございます

Ⅴ

(思ったより……体と手が小さい…)

華奢な子供なのは変わらないが、服のサイズと”体”に感じた微かな違和感

ないこの可愛がりようも、牽制するような声にも納得がいく

Ⅴ

(でも、俺には関係ないか。りうらなのは変わらん…)

Ⅰ

、？

Ⅰ

…っ

不思議そうにこちらを見る。目が合うと慌てて前を向き、裁縫の手を進める

Ⅰ

…っ、た…

Ⅰ

すみません、いふさん絆創膏を、

Ⅴ

っ…

血液が出ない変わりに、指から溢れ出る内包物を舐めとる。

Ⅰ

っ…美味しくないですよ…

Ⅴ

どっかの誰かさんがよう怪我するからいつもの癖でな…

Ⅴ

ん、止まったし、絆創膏貼ろうか

Ⅰ

いふさんありがとう…

Ⅰ

……ございます

Ⅴ

(子供やなぁ)

優しくされることに慣れていない子供は、触れられただけで頬を赤く染める

ないこがからかいたくなる気持ちが少しだけ分かる気がする

頭を撫でると、子供扱いされていると思った子供は、不貞腐れたように、頬を膨らませる

Ⅰ

んぅ、…頭撫でないでください

Ⅴ

真っ赤な顔もべっぴんさんやなぁ〜

Ⅰ

……ご主人様も、いふさんも、すぐ子供扱いする

Ⅴ

(まだ子供やしなぁ…)

りうらをからかうのを止め、そろそろリビングに行こうとすると、タイミング良く扉が開く

Ⅴ

(ほとけも起きたんかな)

Ⅴ

はいはい、起こしにこんでももう起きとる、よ

Ⅴ

…

おはよう、想い人なくてごめんね〜りうらのお迎え来たんだけど……りうらは、…

Ⅰ

ご主人様

Ⅰ

おはよう……ございます

そこ居たの〜？隅っこにいるのも可愛いね〜

Ⅰ

可愛くないで、す

手を掴んで逃げ場を塞ぎ、もう一度〖可愛いね〗と耳元で囁く

Ⅰ

………

言いたいことが言えずに黙り込む、遠慮がちな君の悪い癖も俺は好きだよ

言いたいことは言おうか。我儘も、おねだりもりうらにならされたい

両手を包み込む。安心した表情を浮かべる君が愛おしい

Ⅰ

…大したことじゃないので

…言えないことでも考えてるの、〜？

Ⅰ

…

Ⅰ

……しないの、かなって…思っただけです

頬を染めて呟かれた言葉に頬が緩む。ネックレスを軽く引き、頬に口付ける

Ⅰ

っ、…

耳、胸元、手の平、唇の順に口付ける。拒もうとする手を握る

手はお膝の上。そういい子、いい子

呼吸を整えながら俺を見つめる瞳が可愛らしくて、大切で頬が緩む

…………涎垂らしてるのも可愛いね

無防備な子供の服の間に手を入れ、柔らかな肌に触れる

服の隙間から見える肌。豊満な体を他者に晒され、頬を赤く染める

Ⅰ

…っ、ご主人様、…っ…恥ずかしい……です

腕の中で身じろぐ子供らしい抵抗。見られている羞恥心に耐えられず、拒絶の声をあげる

Ⅰ

……ご主人様、やだ、っ

声を上げるのは自由だよ。でも書類上、りうらは俺の所有物であり愛玩動物。

りうらそんなに嫌なの、？

りうらの瞳と表情が期待に満ちてると思うのは

俺の気のせい？？

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奏雨

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