この作品はいかがでしたか?
2
この作品はいかがでしたか?
2
今日も僕は窓の外を見る
外には楽しそうに遊ぶ子供達が見られる
友達同士遊ぶ者…読書をする者
時折空を見上げる者……
その空は昨日と変わらない綺麗な空だ
あぁ…綺麗な空だ
でもそれだけ……
”綺麗”なだけだ
その空の下僕は暮らせない
あの陽の光を…
空から落ちる自然の泪を……
僕はこの体に受けたことは無い
陽の光がどれほど暖かいのか…
空の泪がどれくらい冷たいのか
僕はみんなと違う…
みんなのように外で遊ぶことは無い
同じ歳の子の友達もいない
ただ僕はベッドの上で空を見るだけ
硬い…硬い……空を見る
その硬い空に向け僕は手を伸ばす
触れる訳でもないのにその手を伸ばす
偽りの陽の光が僕を照らす
それは眩しいのに…暖かいのに……
僕の望む光とは違う…
もし今の状況が外ならば…
地平線だけが続く野原で1人
木陰の下寝そべりながら木々の間を抜ける
暖かな陽の光だったのならば……
今の僕との心境はどれくらい差があるのか
どれだけ自分の中で世界を作っても
本物を知らないから思うだけで終わる
感じることも出来ない
ただ視覚として捉えることだけ
時には聴覚として捉えそれを記憶するだけ
そう……それだけなのだ
また今日も自分の世界に溺れ日を閉じる
そしてまた次の退屈な”明日”を待つ
そのはずだった……
いつの日かのようにある1人の子が僕に向けて手を伸ばす
それはまるで僕を誘うかのように…
無意識だが僕はその子に向け手を伸ばす
正確に言えばただ窓に手を当てるだけだが
でも何故か…不思議とそんな行動をとった
それはきっと僕の中の願いからだろう
”この檻を出て外に羽ばたきたい”
ペットとして飼われる鳥たちのように
檻の外に見える景色に憧れを抱くように
窓の外に見える景色に僕は憧れを抱く
それが叶うかどうか怪しいのに…
たった一つの…限りなくゼロに近いその
希望を持って僕は……
善
善
善
今日も私は外に行く
近くの公園で彼を見る
この公園のすぐ隣には病院がある
そしてそのうちの一つの部屋はこの公園がよく見える場所にある
その部屋に居る”彼”は外を見る
最初こそ気にしてなかったがふとその姿が目に入った
そしてその瞬間私は”彼”に恋をしたのかもしれない
それから私はその公園に行き彼を見る
彼はいつも外を見ていた
晴れの日も雨の日も
変わらず空を見ていた
時折私達のいる公園を見るけれど
すぐに視線をずらし空を見る
もちろん私の居る場所から彼が見えていてもくっきりと見えてるわけじゃない
そこに人がいて髪の長さ的に男の人で
歳は同じくらいなのかな? そんな程度だ
彼の視界に映る私もそうだろう
同じくらいの子供 このくらいしか認知してないだろう
私はそんな彼に惹かれた
ミステリアスとも取れるし哀しさの中に
そのミステリアスが見えたのかもしれない
惹かれた理由はたったひとつだ
彼はいつも空を見ている
そこに私は惹かれたのだ
彼の頭の中はどんな世界が広がってるのか
この空を見て何を感じているのか
”同じ空”の下に居るのに”違う空”を見る彼の心境はどんなものなのか
私の中でそんな想像が広がる
彼の居るその部屋に手を伸ばす
それは届くことは無い
それを知っていてなお私は伸ばした
この空よりも近いはずなのに
空に手を伸ばすこと以上に彼の居る部屋がとても遠く感じた
空のように確実に掴めないわけじゃない
それなのに掴めない…
そんな遠くに居る彼の存在が私にとって…
なにか大きな存在でもあった…
もともとここに来る理由は逃げる為だった
日々のストレスから逃げるためにここに来ていた
ここなら比較的人も少なくて
静かで癒される…
そんな場所だったからだ
ある時私が心のどこかに芽生えた感情
「鳥になって”外”に出たい」
そう思い手を伸ばしたその先に……
その先に彼がいたんだ…
彼も窓に手を付き私を見てから空を見た
その時不思議と彼と視線があった気がした
完全に私の思い違いかもしれない
でも、それでも良かった
その時の私の考えに賛同してくれた
当時の私はそう感じれたから
だから今も私はここに居る…
そしていつの日かのように彼に向け手を伸ばしてみる
いつか私の手に彼の手が…
彼の温もりが感じれる その日まで
希望
希望
希望
希望
コメント
2件
オチはないけれど見てくれた方々が自分たちなりの回答を見つけてたりして楽しんでくれると幸いです(ちなみに希望とかいて【のぞみ】ちゃんです