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ここから本編入ります!! いちおワンク↓↓ 今回のメインカプ:akpr (軸は特に指定なし、2人は両思いで付き合っていた) ⚠️死ネタ要素ありです(グロ表現等はありません)!!⚠️ ⚠️R15要素あり(事後描写)⚠️ こちらはnmmn作品となっております。 ご本人方とは一切関係がありません。無断転載・拡散はお控えください。 地雷さん・作品を読んでいて苦手だと思った方はブラウザバック推奨
以上が大丈夫な方のみの閲覧をお願いしますっ!!
主。
8月も中旬に差し掛かり、世間一般にお盆と呼ばれる時期になった
お盆というのは、ご先祖様などの死者の魂が 現世に一時的に戻ってくる時期のことで、 人々は習慣としてそれらの魂たちを出迎える準備をする
ほとんどのお店が閉まり、なんだかもの悲しい気持ちになるこの季節だが、 オレは一年の中ではお盆が一番好きだ
少し不謹慎に思われるかもしれないが、 これにはお盆が好きになってしまっても仕方ない理由がある
Ak
オレがそこまで考えたところで、 夏風がオレの横を通り抜けてキミが現れる
オレの姿を見て嬉しそうに若葉色の瞳を細めた大好きなあの子が、 夢見る乙女のような声でオレの名前を呼んだ
Pr
Ak
オレがお盆が好きな理由、それは、、、
夏風が、死者の魂を現世に運んでくれるからだ。
__1日目。
Pr
Pr
Ak
Ak
オレが笑いながらそう言うと、Prーのすけが楽しそうな笑い声を上げる
オレが普段過ごしている場所からこっちにくるのは割と大変なのだが、 もう見ることができなかったはずの大好きな恋人の笑顔が見れるのだから これ以上の幸福はない
Pr
Ak
いろいろなものが混ざった複雑な感情を覚えたオレが 少し下を向きながら答えると、Prーのすけは大切なものを繋ぎ止めるように オレの手をぎゅっと握る
このままオレたちの手がずっと繋がっていれば 目の前の彼といつまでも一緒にいられるのにと思ったが、 それが叶わぬ願いであることだってわかっていた
Pr
Ak
Ak
Pr
いつまでも変わらない無邪気な笑顔を浮かべた Prーのすけの楽しそうに輝く瞳を見ながら、 オレは1年ぶりのショッピングデートを謳歌した
__2日目。
お盆の週の3日目は、 オレたち2人でPrーのすけの家を掃除するのがお決まりだった
Pr
Ak
Pr
Ak
Pr
Prーのすけの両親は村を離れる時に家を売ることも考えたらしいが、 “息子の意思”を尊重して毎年掃除をすることで 家を綺麗に保つことを条件にこの家を残してくれた
やはり親心としても、確かにそこにあった 息子の青春の記憶を残してあげたかったのだろう
オレの家だった場所はもう残っていないので、 この家がなくなったらオレたちが愛し合っていた証拠はほとんど残らないのだ
Ak
Pr
Pr
Pr
Ak
何となくPrーのすけと目があって2人の間に甘い空気が流れたので、 年に一度だけ会える恋人の唇に優しく口付けを落とした
__3日目。
久しぶりにつけたPrーのすけの家のテレビで、 オレたちの運命を引き裂いたあの日のニュースが流れた
アナウンサー
アナウンサー
アナウンサーの無機質な淡々とした声を聞きながら、 オレたちは黙って画面に映し出される当時の故郷の様子を眺める
オレはあの日のことを思い出しているのか少し震えている Prーのすけの手をぎゅっと握って、 「大丈夫だよ」なんて無責任な言葉を吐いた
Pr
Ak
Ak
瞳に涙が溜まっているPrーのすけを抱きしめて、 彼の震えが少しでも早く治るようにと願いながら彼に寄り添った
Ak
Pr
Ak
まだ少し涙声のPrーのすけの手を引っ張って、 オレたちは二人で分けるアイスを買いに駄菓子屋に向かった
__4日目。
Pr
ラーメン屋のおじさん
ラーメン屋のおじさん
Ak
Ak
Ak
ラーメン屋のおじさん
そうやってニコニコと人当たりのいい笑顔を浮かべていた 顔見知りのラーメン屋の店主さんは、 先祖代々伝わってきたらしい秘伝スープを使った醤油ラーメンを机に置く
ラーメン屋のおじさん
Pr
優しいおじさんに満面の笑みで感謝の言葉を告げて、 オレたちは学生時代に学校帰りによく寄り道していた行きつけの店の 懐かしい味のするラーメンに舌鼓を打った
ラーメンをはふはふと食べているオレの顔を、 Prーのすけが瞳に焼き付けるかのようにじっと見ていた
__5日目。
オレの家があった場所の真ん中に座ったオレたちは、 目を閉じて懐かしい青春の日々を思い描く
Ak
Ak
Pr
独り言のようにそうつぶやくオレの姿を見ながら、 Prーのすけは泣きそうになりながらオレの腕にぎゅっとしがみつく
Pr
Ak
Pr
Pr
Prーのすけはオレの腕に絡めていた腕にさらに力を込めて、 この一瞬を手放したくないという心の底からの叫びを震える体で教えてくれる
数日前は幸せに染まっていた若葉色の瞳は、今は深い悲しみで溢れていた
Prーのすけの瞳からこぼれた涙が何もない地面に落ちて、 ぬくもりを持ったしょっぱい液体は乾いた土に吸い込まれていく
Pr
Ak
Pr
俺の前から、いなくなってもーたん?
そんなのオレにもわかんないよ、という苦しい言葉は オレの喉から放たれることはなく、きっとそれはPrーのすけもわかっていた
__6日目。
お互いにぐちゃぐちゃになるまで愛し合ったベッドの上で、 先ほどまでオレの下で可愛くとろけていたPrーのすけが 今度は悲しい気持ちでいっぱいの涙をこぼしながらオレにしがみついていた
Pr
Ak
Ak
Pr
数年前のあの日、家で学校の課題をしていたら急に大きな音がして、 家の近くの山から大量の土が降ってきた
山のすぐそばにあったオレの家はその土の波に飲み込まれて 跡形もなく全壊し、家にいた家族はもちろん全員助からなかった
その土砂崩れで命を落としたのは、オレも例外ではない
Pr
Pr
Pr
Pr
ぎゅっとオレの体にくっついているPrーのすけの素肌から、 彼の体温が伝わってくる
でもそのぬくもりも、 オレの体が少しずつ透き通っていくにつれて感じなくなっていく
Pr
Ak
Pr
Pr
Pr
Ak
Ak
Ak
Pr
Pr
不安そうな恋人にオレは優しく笑いかけ、 その震える唇に最大限の愛を込めて口づける
ちょっとだけ微笑んでオレの口づけを受け入れたPrーのすけの目は、 先ほどの行為の影響もあるのかとろりととろけている
Ak
Ak
Pr
オレの愛の告白に頷いたPrーのすけは、ボロボロと涙をこぼしながら 少しずつ消えていくオレの姿を見つめている
そんな顔しないでよ、って言いたくなったけど、 彼を悲しませているのは他でもないオレであるので、 結局何にも言えなかった
__7日目。
俺が目を覚ますと、もうそこには最愛の彼はいなかった
Pr
8月中旬、死んだはずの恋人に会える特別な7日間
一年間会えない分、彼は1週間という短い時間の中で 体と心の両方で俺への愛を伝えてくれるし、そこに不満はない
だけど、人間というのは欲張りなもので、 たくさん愛を与えられるともっともっと欲しいと思ってしまうのだ
俺が服を着ていない体を持ち上げながらため息をつくと、 カランという音がしてまたひとつ増えた色違いのキーホルダーが一組、 机の上から床に落ちる
毎年2個ずつ増えていくキーホルダーに俺が涙をこぼすのも、 Akは知らないお盆の終わりのお決まりだった
Pr
Akがいない一年が俺にとってどんなに辛いものなのか、 きっとあいつは知らない
でも俺は他の人たちと違ってもういないはずの彼に会えるのだから、 つくづく運がいい方だとは思っている
だけど、やっぱりAkの熱を感じられる分彼がいない時の落差が大きくて、 これはこれで結構しんどかったりするのだ
Akの余韻が残っているのか少々痛む腰を抑えながら、 俺はベッドから起き上がって後始末をし、 荷物をまとめて普段俺が暮らす都会に戻る準備を進める
俺の青春時代のほとんどを過ごして きっと来年も帰ってくるであろう我が家の扉を閉めて、 俺はぐーっと伸びをした
Pr
Pr
かすかな希望に「期待するな」とブレーキをかけるネガティブな自分に 心の中でそんな言い訳をしながら、俺は夏の夢から現実世界に戻って 次の夏の夢に備えて夢の外側の世界へ歩き出した
主。
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主。
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コメント
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最初めーちゃくちゃぷりっつくんが幽霊だと思って見てたらあっきぃくんで1人で……ッ!?!?みたいな感じでもうとりあえず固まった笑どんでん返し天才すぎでしょ!あっきぃくんが自分で幽霊っていうまで気づかなかったよ!!お話もとっても切なくて泣ける🥲あとまぜの幽霊もすごくハラハラして最後のシーンが素敵だったけどまた違った感じで感動したしメリバぽくて泣けた😭まじで語彙力ありすぎな!今回も天才すぎるよぉぉぉ!
うわぁぁぁぁぁんっっ(号泣) 切ないのに暖かいのは何でなのっ!? 途中からもしやっ!?と思ったらやっぱり逆でした!! お話の持っていき方マジ神ですぅ! 止まらない涙で語彙力流されましたぁ!! 素敵な作品ありがとうございますぅ!!!