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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

こんにちは!

第三話書いていきます!

いってらっしゃーい!

莉犬

あ、おかえりー

教室に戻ったのは、授業が始まる5分前。 いつものように莉犬や遠井さんが輪になってお菓子をつまんでいた。

莉犬

教科書机に置いてるよー

ころん

ありがとー

チョコレート頬張りながら、莉犬は僕の席を指す。

お礼を言って、みんなの座っている席の近くにある自分の席に腰を下ろした。

お弁当を鞄に戻すついでにポケットの手紙もさりげなく中に入れる。

遠井さん

今日の曲もボカロだったねー

ころん

あー。うん、リクエスト来てたから……

遠井さんが前の席に移動してきて、振り返りながら笑った。 遠井さんのロングの髪の毛からほんのりと太陽の香りがする。

美容に人一倍気を使ってる遠井さんは、いつも目元がぱっちりと見える メイクをしていて、髪の毛もまっすぐストレートだ。

手にしているお菓子は、最近大人気の入手困難なマカロン。

趣味は可愛いカフェをめぐって写真を撮ること。 いつだって最先端を好む。

そんな彼女の

遠井さん

ボカロだったね

の言葉と向けられた笑顔から、 ボカロを少し馬鹿にしているように感じてしまう。

流行のJ₋PОPを好まないことで、変わった子だとか、 話が合わない子だと思われるんじゃないかと考えてしまって、 つい誰かからのリクエストだと嘘をついてしまった。

それ以来、ボカロも病み曲も僕の趣味だというのに言えないでいる。

遠井さん

そんなの無視すればいいのにー。
だれも知らないでしょ、あんな音が高いだけの曲。

遠井さん

ころんがリクエストに応えてくれるから、
調子に乗ってリクエスト出し続けてるんじゃないの?

ころん

んーまあ。たまには、ね?

いい曲ばかりだと思うのだけれど、遠井さんからしたら“音が高いだけの曲”なのかと複雑な気持ちになった。

だけど、この場で

ころん

いい曲ばかりだよ

なんて言ったら遠井さんが気を悪くしてしまうかもしれないし、 場の空気も悪くなってしまうかもしれない。 そう思って話を合わせる

僕はいつもこんな調子だ。

みんなとカラオケに行ったら、引かれないように流行りの曲を歌ったり、 好きでもないアイドルの話にも相槌を打ったりする。

自分の意見を言える人であれば、 好きなものを堂々と宣言できるのだろう。 それこそさとみ君なら

さとみ

俺が好きなんだよ。

さとみ

かっこいいだろ

と、周りからどう思われるかなんて気にせずに言いそうだ。

モブ子

お昼の放送なんていつもちゃんと聞いてないけど、
水曜日のころんの放送だけはつい聞いちゃうんだよね

もぶお

確かにな。ああいう曲はどうやって見つけてくるんだろうな。

モブ子

どこが好きなんだろう?

そばにいた友達も遠井さんと同じように疑問を口にする。

もぶお

どんな人だろう?

モブ子

意外と暗かったりして~

と勝手に想像し始めて、僕はそばで偽物の笑顔を顔に張り付けながら、

ころん

どうなんだろう

と繰り返した

莉犬

いいじゃん。好みは人それぞれなんだし。

盛り上がる遠井さんたちの会話に莉犬が割って入ってきた。 みんなの視線が莉犬に集中し、その直後気まずい空気が僕たちを包んだ。

遠井さん

まあ、そうなんだけどね

笑うのをやめて少しバツが悪そうに遠井さんがつぶやく

遠井さん

でもやっぱり気になるじゃん。あまり知らない曲だし。

莉犬

だからって人の好きなもの笑わない方がいいよ。

莉犬

遠井さんだって自分ん好きなもの笑われたらいやでしょ?

莉犬はそう言って

莉犬

この話終り~

と、有無を言わさず会話を終了させた。 さすが莉犬だ。

僕なら絶対に口にできないセリフだ。 みんなが盛り上がってても気にせず言いたいことをその場で口にする。 そして、誰もそれに対して異を唱えたり、 不満を見せないのは莉犬だからこそだろう。

ほんの少し微妙な空気になったのも数分のことで、 6時間目のチャイムが鳴った時には、 みんなドラマの話や、芸人の話で夢中になっていた。

今回で20ページ行きました~~

またねー

さところ 『交換ウソ日記』第一章 赤い告白  (完結)

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501

コメント

2

ユーザー

さとみくんが出てこn(((黙ります( ¨̮ ) 好きな物否定されちゃうのは悲しいよなぁ…(誰)これまた続きが気になる!! 次回も楽しみにしてます♪

ユーザー

連載ブクマ失礼しますm(._.)m

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