kr
何でもかんでも……、いつもお前の思い通りに世界が動くと、思うなッ!

kr
……トラゾー、お前のこと

kr
ずーっと、ずっと、ずっと昔から大ッ嫌いだった

kr
嘘吐きのお前が大ッ嫌いだった

tr
……クロノアさん………?な、何言って……、

kr
……だから、黙ってッ

kr
今は、本当の本当に一刻一秒を争う事態

kr
お前を中心に、チヤホヤしている暇なんか、俺達にはないんだよ…ッ!!

トラゾーは、この世のものとは思えない形相で、歯ぎしりしながらクロノアを凝視する。
絶句したのではない。ありとあらゆる感情が、言語に翻訳できなくて脳内で詰まってしまっているだけなのだ……。
pn
お、落ち着けよトラゾーも、クロノアさんも、な……?

pn
俺たちは……、小学生の頃からの、仲良し4人組だろ……

pn
みんなで協力して、知恵を出し合えば、きっと……、何とかなるって……

kr
……4人組だったことは、認めるけどさ……

kr
仲良し4人組だったかどうかは、……分からないよ………

sn
や、やめてください……。そんなこと言わないでくださいよっ……!

kr
……確かに俺たちは、小学校入学の時、席が近くて、それ以来ずっと、4人組だった

pn
そうだよ……。中学、高校と、ずっと一緒の仲良しだよ……

kr
……ぺいんとにとってはそうだったなら、……ぺいんとは幸せだったんだよ

pn
……どういう…こと?

kr
ぺいんとさ。トラゾーに嫌われてるの、知らなかった……?

pn
え…………、

tr
……………………

kr
トラゾーはね、いっつも、ぺいんとだけは信じてなかった

kr
……ぺいんとは嘘吐きだから。信用できないから。……背中を向ける度に、そういう眼差しを向けていたんだよ

pn
ぅ、……嘘…だ…

tr
……て、適当なこと言うなよ、

kr
しらばっくれてんじゃねぇよッ!!

kr
お前、バレてねぇとでも思ってたのかッ?!

sn
クロノアさん、やめてくださいっ……そんなこと言わないでください…!

kr
しにがみくんだって可哀想だった…

kr
いっつも小馬鹿にされて、ドジなマスコット扱いされて…!

sn
それは……、本当に僕は、バカでドジだし……、

kr
それは、いつもそういう扱いされて、しにがみくんが慣れちゃっただけッ

どう向き合っていいかわからない感情が込み上げてくる。でも、それは絶対に受け入れたくない感情……。
kr
俺は分かってたよ…。しにがみくんがそんな扱いされるのが好きじゃないって事ぐらい……

sn
やめてッ!!知らない知らないッ聞こえないッ、僕は何も分かりませんッ!!

tr
勝手に決めんなよッ?!

tr
俺、しにがみさんのこと、そんなこと思ったことなんてないッ!!

tr
そんなことよりショックだよ、俺?!

tr
クロノアさんが、俺の事そんな風に見てたなんて……ッ!!

kr
……お前のこと、……昔から、何故だかずっと、嫌いだった

kr
俺のことだって、都合のいい時だけ話を聞いてくれる人扱いしてるの、ずっと知ってた

kr
しにがみくんのことを、可愛がるフリして小馬鹿にして、ずっと見下してた

pn
や、やめろって……っ。トラゾーがそんな訳ないって……!

kr
ぺいんとのことだって。……トラゾーはずっと、馬鹿にしていたんだよッ

tr
何でそんなこと、お前に分かんだよッ!!!!

kr
だって。俺たち、仲良し4人組なんだろ?

kr
……ずっとずっと、身近で見てきた。

kr
……だから、知ってる

kr
トラゾーはぺいんとのことだって、信用できないとか嘘吐きとか、

kr
……ずっとそういう目で見ていたこと、俺、知ってるんだからッ……

pn
……嘘…だ………

これまでの長い付き合いの中で、……トラゾーが時折見せた何かが、小さ く小さく、……腑に落ちなかったのだ。
それが、……今になってようやく、理解できてくるのだ……。
tr
クロノアさん……、俺、……訳わかんないです………

tr
俺とクロノアさん、親友だったじゃないですか……?

tr
何で、そんなこと…、言うんですか………?

kr
俺は、そうだと思ったことは全然ないよ……

kr
仲良し4人組だからって、何となくいつも4人でいたけど…、

kr
しにがみくんやぺいんとのこと、だとは思っても、

kr
……トラゾーだけは、そうは感じなかった

tr
嘘だ……、俺たち、親友だったよ………

kr
お前の言う親友ってのは、約束を破っても…、平気で許してもえるような関係のことだろ?

kr
この際だからはっきり言っておくけどッ。お前のこと、嫌いだった。

kr
ううん、今ならもっとその気持ちに素直になれる。

kr
トラゾー、お前のこと大ッ嫌いッ!!!
