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時 透 s i d e .
刀鍛冶の里
静かな山奥にひっそりと佇むその地に、無一郎はいた
風の音も、刀の打音も、何処か遠く感じる
瞼を閉じても、思い出すのは芙梛の顔──
いや、上弦の零のあの気配
突然、背後から声がした
「 鋼鐵塚 」が仮面越しにこちらを睨む
時 透
鋼 鐵 塚
鋼 鐵 塚
無一郎は、薄らと目を伏せた
時 透
鋼 鐵 塚
鋼 鐵 塚
鋼鐵塚の問いに、無一郎は何も返せなかった
ただ、刀に映る己の顔を見つめる
時 透
問いの答えが出ないまま、日々が過ぎていく
芙梛とは、会えていない
その不在が、心を締めつけるように痛い
蓮 華 s i d e .
その日の夜
無惨からの次の命令は、まだ来ていない
だが、それが永遠に来ないとは限らない
蓮 華
猗 窩 座
民家の屋根の上で考え込む蓮華に、声を掛けたのは猗窩座だった
猗 窩 座
蓮 華
蓮華は目を伏せたまま、唇を噛む
蓮 華
猗 窩 座
猗窩座の声に、蓮華は小さく首を横に振った
蓮 華
蓮 華
猗 窩 座
蓮華は静かに頷いた
猗窩座は少しだけ目を細め、黙って夜空を仰ぐ
猗 窩 座
猗 窩 座
蓮 華
蓮 華
蓮華の言葉は、夜風にさらわれた
蓮 華
コメント
3件
続き待ってます❗️(*>∇<)ノ
初コメ失礼します。 恋って楽しいけど、切ないですよね。よういう感情がこもった一品だと思います❣️ もしこれが料理ならきっと甘酸っぱいでしょうね。これからも応援しています