コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夢小説
暴力表現ありあり
昔から、私は家族が大好きだった。
昔から、両親が大嫌いだった。
殴られようが、蹴られようが、暴言を吐かれようが、その全てがお母さん達なりの愛情表現だと思っていた。
毎日毎日暴力を振るわれ、言いなりにされ、寒い夜に追い出され、私の精神は既にぼろぼろだった。
だけど、妹は辛い表情をしていて、私はそんな妹を笑わせてあげたくて、いつでもにこにこすることにした。
姉は暴力を振るわれてもにこにことしていて、本当に気味が悪かったけど、強い人だと思った。
ある日、嬉しいことを聞いた!
ある日、耳を疑うような事を聞かされた。
お母さんが再婚をするらしかった!
母親が再婚をするらしい。
しかも!五人の男兄弟の子達が着いて来るって!
話によると、男兄弟が五人、新しく家族になるらしい。
すごく嬉しかった!
心底どうでもよかった。
新しく家族になるんだから、仲良くしたいと思った!
新しい家族もどうせ、姉を傷付ける最低な奴なんだろうなと思った。
妹と新しい家族と、笑って過ごせればいいなと思った!
新しい家族から、姉を守らなければと思った。
早く来ないかな!
来ないで欲しい。
大好きな弟達!
大嫌いなただの他人。
暖房が付いたエアコンに温められる部屋。
部屋の真ん中のこたつの上にはみかんの山が置かれている。
そして窓の外には塗り重ねられたかのような真っ白な世界が続く雪景色!
The!冬のゆったりとした生活!
姉妹二人でこたつに入り、ぽかぽかとした気分でみかんを口に運びながら外を眺める。
平和だ。凄く。
お母さんが再婚した後すぐに新しいお父さんと駆け落ちして家を出ていってしまってからは、姉妹二人でほのぼのとした生活を送っている。
たまに優しいお義父さんからお金が来るので、まぁ充実はしている。
でも、再婚したからには避けては通れない道がある。
......そう。
ピンポーン
莉紗
霧川 莉緒
霧川 莉緒
そう!
お義父さんの連れ子達!
今日から可愛い可愛い弟達との同居が始まるのです!
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
ガチャッ
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
私が挨拶をすると、六人の大男達がリビングの入り口で立ち止まる。
おぉー!みんなイケメン!
水色髪の子可愛いなぁ、
でも、なんか緊張してる?
解してあげないと、!(フラグ)
霧川 莉緒
霧川 莉緒
こさめ
霧川 莉緒
え?
冷たくない??
こさめくんが怯えたような目でこちらを見て、少しずつ後退りする。
莉紗
そんなこさめくんの態度が莉紗の癪に障ったらしく、こさめくんに近付いてずいっと顔を近づける。
こさめ
こさめくんは胸元辺りで両手をぎゅっと握りしめ、すぐ横にいたなつくんの背中に隠れる。
怖がっているのがよく分かる。
初見だと怖いもんね。莉紗って。
それでも莉紗は、怖がっている様子などお構い無しにこさめくんに詰め寄る。
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗はそう言うと、こさめくんを真っ直ぐ睨みつけた。
こさめ
泣きそうになりながらなつくんに助けを求めるこさめくん。
そんなこさめくんに気付いたなつくんが、莉紗とこさめくんの間を遮るように腕を出す。
なつ
莉紗よりもずっと背の高いなつくんは、莉紗を容易に見下せるわけで、
なつ
なつ
こんなこと言って莉紗を睨みつけるのも簡単。
でも流石私の自慢の妹。
うちの子はこんなデカブツにもお構い無しに言い返せる鋼のメンタルを持ち合わせている。
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
流石私の可愛い自慢の妹。
どんなデカブツにも容赦なく棘を刺していく。
うちの子、口だけは強いのです。
なつ
なつ
言い合っている二人に気をつけながら、ちらりと後ろを覗いてみる。
後ろでは、みことくんとすちくんがこさめくんの頭を撫でたり背中をさすったりして慰めている。
そしてその隣で莉紗に圧をかけているつもりであろういるまくんと、びびりながらもスマホを触っているらんくんもいる。
やばいやばい会って早々対立しちゃう......!!
ここは長女の私がなんとか......!
霧川 莉緒
しかし、私の声は虚しいことに誰にも届かず、私の可愛い可愛い自慢の天使のような妹に掻き消された。
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
果たして何が違うのだろうか。
私にも分かりません。
それでも、まるでゴミを見るかのような眼差しで怒鳴り上げている莉紗に反射的に叱ってしまった。
私霧川莉緒、実は正義感つよつよなのかもしれません。
莉紗
莉紗
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
莉紗
私がちょっっっと強めの口調(?)で宥めると、二人の喧嘩は流れ星のように過ぎ去っていった。
さっきまでの喧嘩どこ行ったおい。
辺りが一気に静まり返り、気まずい空気が流れる。
そんな空間をぶち破るかのように、莉紗が私に向かって吐き捨てるように呟く。
莉紗
言い終わるより先に、莉紗の体が動いた。
霧川 莉緒
呼び止めようにもその言葉は届かず、そのままバタリと扉が閉まった。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
こさめ
私が振り返ると、皆の冷たい目が降り注ぐ。
こさめくんはまだ涙目のままで、私を見ながら怯えている。
トラウマ植え付けさせちゃったよね...
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
いるま
おっ、お返事くれた。
やっぱ莉紗って怖いイメージなのかな、
にしてもイケメンだなぁ、
私こんなイケメンと同居するのかぁ...
幸先不安だけど、楽しみだな...!
ふへへ(
霧川 莉緒
不躾な発言をどうかお許しくださいお願いだからそんな気まずい雰囲気を出すのはお辞めくださいまし(
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
私の言葉を合図に、すちくんがみことくんの袖をちょいちょいと引っ張る。
すち
その様子に気付いたみことくんも何かを察したようで、すちくんに微笑み手を取った。
そして二人仲良く手を繋ぎながら二階へと上がって行った。
それに続いて他の四人も二階へと着いていく。
それから少しして、部屋が決まったのか扉が閉まる音がした。
皆決めるの早ぁ、
まぁそれくらい仲良いんだろうなうんうん。
霧川 莉緒
それはさておき、
リビングに私一人だけになり、改めて辺りが静まり返ったのが分かった。
霧川 莉緒
あの兄弟、どことなく、
いや、あからさまに様子がおかしい。
こさめくんが見せたあの怯えた様子。
なつくんから向けられたあの冷めたような目。
そしてまともに返事を返してくれない冷たい態度。
霧川 莉緒
私、
っていうか私達、
嫌われてるな。
霧川 莉緒
もしかして差し入れを渡さなかったのが癪だった?
想像してたよりずっとブスだった?
いくら考えても分からない。
もしや、昔虐めてた...?
虐めをした経験は無いんだけど......
五歳の頃ジャングルジムから落として怪我させたあの子達だったりして...
いや、あやつらと関係を持った記憶など一切ない。
さっきの喧嘩...より前から冷たかった。
霧川 莉緒
何度考えても分からない。
ホントニワカラナイ
ワーアタマガパンクシチャウヨー
その瞬間、スマホからUNI○ON S○UARE GA○DENのシュ○ビスのイントロが流れてきた。
私の電話の着信音です。
私は突然の電話に驚きながらも宛先を確認した。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
そう、
着信の主は私の親友であり、
学校中で絶対的陽キャ美少女で話題の、安良城夏恋ことかっちゃんであった。
突然なるきゃわちい親友からの着信に、私の気分は急上昇して、弾んだ気持ちで電話の応答ボタンをポチッと押した。
霧川 莉緒
安良城 夏恋
やっと繋がったよー!安心したー!
と言わんばかりに嬉しそうに私の名前を呼ぶ天使。
安良城 夏恋
安良城 夏恋
霧川 莉緒
あっちゃんとは、私の小学校からの友達。
学校では清楚系天然マドンナと呼ばれるほど美人の城宮飛華だ。
そんなあっちゃんが私に小さな相談事があるという。
なんという大チャンス
この機会を逃す訳には行くまい!!
私は電話を切り、夕飯は莉紗に任せて家を出た。