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雪村 麻耶🦇🩷 。🦅🖤
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第十話
『気づき』
START
4時間目
移動教室のために、俺と慎太郎は3階の理科室へと向かう階段を歩いていた
廊下は次の教室へ急ぐ生徒たちでごった返している
その雑踏の向こうから、一際大きな笑い声と、人波が割れる気配がした
北斗
心臓がドクッと嫌な音を立てる
前方から歩いてきたのは、やっぱり樹先輩とジェシー先輩、そして京本先輩の3人だった
樹
ジェシー
声で笑う二人の後ろで、京本先輩はポケットに手を突っ込んで、ふふ、と上品に微笑みながら歩いている
やっぱり、どこからどう見ても遠い世界の人たちだ
俺は波風を立てないよう、壁際に寄って俯き、気配を消してすれ違おうとした
なのに
樹
すれ違いざま、樹先輩の低くてハスキーな声が俺の名前を呼んだ
ビクッと肩が跳ねる
ジェシー
ジェシー先輩が大きな体を屈めて、俺の顔を覗き込んできた
その背後で、京本先輩が「あっ……」という顔をして小さく目を見開いているのが、俯きがちな視界の端に見えた
北斗
俺が営業用の愛想のない挨拶を返すと、樹先輩は京本先輩の肩を肘で小突きながら、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべた
樹
大我
京本先輩は一瞬で耳まで真っ赤にして、樹先輩をペシペシと叩いている
樹
慎太郎
慎太郎がいつも通りカラッと返事をしている間に、3人は笑いながら通り過ぎていった
去り際、京本先輩がすれ違いざまに、一瞬だけ、縋るような、でもどこか気まずそうな視線を俺に送ってきた
その瞳の熱に、俺の胸はまたズキズキと音を立てる
慎太郎
3人の足音が遠くなった頃、隣を歩く慎太郎の声が、いつもより一段低いトーンに変わった
北斗
慎太郎
階段の踊り場で、慎太郎がピタッと足を止めた
振り返ると、いつもはおちゃらけている慎太郎が、見たこともない真剣な目で俺をじっと見つめている
慎太郎
北斗
頭を殴られたような衝撃だった
動揺を隠そうと「そういう目って何だよ」と言い返そうとしたけれど、喉がギュッと詰まって言葉が出てこない
慎太郎
慎太郎
慎太郎
慎太郎は腕を組んで、少しだけ寂しそうな、でも俺を心配するような目でため息をつく
慎太郎
慎太郎
野生の勘、なんてレベルじゃない
毎日一緒にいる親友だからこそ、俺のほんのわずかな変化を、慎太郎は見逃してくれなかった
♡ 💬 待 っ て ま す ⌒ ♪
コメント
5件
オゥェイ これ、ほくしん来るか、?
やっぱ最高ですね神
うわ、慎太郎の洞察力がエグい…!「そういう目で見てんの?」って核心をストレートに突かれて、読んでるこっちまでドキッとしちゃいました。北斗の呼吸が止まる瞬間とか、京本先輩がすれ違いざまに見せるあの「縋るような熱」、二人の間に確かに流れてる空気感がすごく丁寧に描かれてて、親友だからこそ気づく変化って切ないけど熱いなあと。次が気になります!