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キーン コーン カーン コーン……
かすかに聞こえるチャイムの音で、つばきは目を覚ました。
つばき
つばき
つばき
エミリ
つばき
出かかった本心を、グッとこらえる。
エミリの口には、未だ赤い傷が一筋、走っていた。朝、彼女を殴りつけた時の傷だ。
エミリ
エミリ
つばき
つばき
エミリ
つばき
つばき
つばき
エミリ
エミリ
何気なく放たれた疑問に、つばきはぎくりと肩を竦めた。
図星だったのだ。わざわざ嫌いなエミリに話し掛けたのも、彼女の怪我が心配だったからでは無い。
クラスメイト達から、自分はまだ好かれているだろうか。
これだけが気がかりだったのだ。
つばき
エミリ
エミリ
つばき
エミリ
エミリ
エミリ
つばき
エミリ
エミリ
つばき
つばき
つばき
エミリ
つばき
つばき
つばき
エミリ
エミリ
エミリ
つばきは、少しだけほっとしていた。
千冬が自分に原因があると言ったことで、つばきに向けられる敵意や悪意は減った。
もしクラスメイトが自分を嫌っても、千冬はきっと味方でい続けてくれるだろう。
すっかり落ち着きを取り戻した、つばきの心の中で、悪意がむくむくと顔を覗かせる。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
可愛らしい顔の下で、最低な悪巧みをするつばき。
緩く口角を上げる彼女の横顔に、エミリはそっと話し掛けた。
エミリ
エミリ
エミリはスマートフォンを取り出し、するすると画面に指を滑らせたかと思えば、とあるアプリを開く。
エミリ
つばき
画面に映るのは、昨日XYZに投稿した、とある写真。
ふわふわとしたウサギのぬいぐるみに顔を寄せる、加工とメイクの施された、つばきの写真であった。
つばき
つばき
エミリ
エミリ
エミリ
つばき
エミリ
言い出せるわけなんてなかった。
自分が目の前のエミリより可愛いのだと、オシャレなのだと認めて欲しい。
そんな無差別な承認欲求からだなんて。
エミリ
エミリ
エミリ
エミリ
エミリ
つばき
エミリ
エミリ
エミリ
つばき
つばき
つばき
つばき
エミリ
エミリ
つばき
つばき
エミリ
自分とは立場が違うのだと、明確に突きつけられている。それが悔しくて、憎たらしくてたまらない。
俯くつばきに何を感じたのか、エミリは無言で保健室の扉へと向かっていく。
エミリ
エミリ
エミリ
エミリ
エミリ
エミリ
軽く手を振りながら、エミリは保健室の外へと去っていった。
能面のような、感情の色があせた表情で、彼女を見送っていたつばきだったが――
つばき
つばき
思わず両手で頬を抑えないといけないほど、抑えきれない笑みが溢れる。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
悪意の赴くままに、つばきは保健室を出て、教室へと向かう。
その足取りは、今にもスキップしそうな程軽やかであった。
教室に行き着いたつばきは、視線を気にしながら、恐る恐る扉を開ける……振りをする。
つばき
千冬
こうして、クラス中の視線を集めたら、本番スタートだ。
シンと静まり返る教室の中、つばきの脳裏で映画のカチンコが鳴る。
つばき
千冬
千冬
つばき
つばき
つばき
千冬
つばき
つばき
つばき
千冬
千冬
千冬
千冬
しんと静まり返った教室の中、千冬はバツが悪そうに、つばきから顔を背けた。
その間も2人には、クラスメイトの視線が向けられている。
千冬の軽率さに怒っているのか、 つばきの様子に戸惑っているのか、 彼らの心境は、はっきりと分かりはしない。
だが、結果として、 エミリから注目を奪った。
その事実だけが、つばきの心を歓喜で満たしていた。
つばき
つばき
つばき
これまでにない感覚に、つばきは打ち震える。
なら、もっと注目されるように、振る舞わなくちゃ。
そう思ったつばきは、千冬の両手をやんわりと、己の両手で握りこむ。
つばき
つばき
つばき
つばき
千冬
つばき
千冬
千冬
千冬
感動的な仲直りの光景に、クラスメイト達は口々に「よかった」と安堵の言葉を口にする。
先程、柄にもなく真剣な面持ちだったエミリですら、満面の笑顔で2人を見つめていた。