コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
学校の帰りのホームルーム。
クロもななもいない。
そんな中でA子さんの机の上で花瓶が倒れて水びだしになっていた。
そこにいけてあった花はなぜか枯れていた。
先生
B子
なぎさ
苦笑いしながら、みんなこちらを見てくる。
これがいじめなのか?
私は何もしていない。
そして私は目を疑った。
私以外のみんなの顔の横に耳元でささやく姿をしたA子さんの生首が教室中の全員に付いていた。
なぎさ
先生
B子
A子さん
B子
先生
みんな、一斉に不気味な笑い声をあげる。
私は勢いよく、教室を飛び出した。
長い通路の先も。
他の教室も。
私の目に映るのはA子さんの生首とそれを横並びした生きた人たちの頭だらけ。
なぎさ
学校の玄関口でクロのことを思い出して、呼びかけた。
校舎内に残ってるかもしれない。
そう思って、後戻りをしようとした時だった。
下駄箱から小さく弱々しい姿の影がゆっくり現れた。
黒猫
なぎさ
クロの体には痛々しいほどの傷跡が付いていた。
なぎさ
黒猫
近寄ってくるクロに私も近寄る。
クロを抱きかかえた。
クロの頭が私の右肩に乗る。
黒猫
なぎさ
今のはクロ?
でも確かにその声はななだった。
後ろから大勢の気配を感じた。
後ろを振り返る間もなく……。
” き み ” が 悪 い
私たちを見るかのように生徒や先生の多くの人が集まっていた。
その中にはB子さんも門番先生もいた。
みんなで私たちを指でさして、一斉に先ほどの言葉を発したのだ。
私が呆気にとられていると、学校の玄関から私の真横を通り過ぎる気配を感じた。
A子さん
私は何も言えずに人間とも思えないほどの力の強さをした彼女の手で学校の外へと追い出されてしまった。
A子さん
玄関の扉が閉まっていく。
黒猫
クロは私の頭の真横で閉じられた奥の空間に向けて威嚇していた。
爪を立てられてなかったのは不幸中の幸いか。
なぎさ
黒猫
不思議そうにこちらを見つめるクロ。
なぎさ
いつの間にか辺りは暗くなっていた。
私がやるべきことはただ一つ。
この子を連れて家に帰ることだけだ。
黒猫
なぎさ
私の体から飛び跳ねるようにクロは下りた。
クロは私の先頭に立つかのように帰り道へと体を向ける。
なぎさ
黒猫
こちらを見つめるクロに微笑む。
すべてが終わることを祈って。
そして奇跡を呼び起こすために。
学校に向かって一言。
この日にちなんだ飛びっきり最高の挨拶を。
なぎさ
暗い世界へと私たちは足を歩めるのだった。