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コメント
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過去へ飛ぶようになって八ヶ月が過ぎた
過去の時間経過では約二年くらい経っていて
未来は冬で過去は夏
この急激な寒暖差にはなかなか慣れることができなかった
俺が最初に過去に飛んだ頃
未来は春で過去は夏だった
年代も期間も特に考えずに適当に決めた
それが二十四年前の夏だった
その頃の母ちゃんは恭也さんと付き合って半年くらいで
花火大会に誘われて浮かれていて
当日も浴衣姿を綺麗だと褒められて喜んでいた
そんな恭也さんと別れて少し経った頃
母ちゃんはグレた
あまりいい表現ではないかもしれないけど
これほど的確な表現はないと俺は思う
明日夢
明日夢
愛紗
明日夢
愛紗
最初は長い髪を金髪に脱色
その状態が半年ほど続き
今度は美容院で白に近い金髪に脱色してもらい
その上から自力でヘアマニキュアのピンクを入れ
母ちゃんの髪は鮮やかなピンク色になっていた
別れたショックでおかしくなったのかと思ったけど
愛紗
そう言って母ちゃんは笑っていた
明日夢
愛紗
愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
引いてるなんてもんじゃない
完全に驚きすぎて返す言葉が出てこなかった
十七年間、生きてきて
こんな色の髪をした人に会ったことがなかったから
愛紗
明日夢
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
明日夢
明日夢
愛紗
明日夢
愛紗
家にある昔の写真を何度も見たけど
どの写真の父ちゃんも髪を染めたりはしていなかった
むしろ黒髪で凛々しい姿に憧れを抱いた記憶がある
俺もいつか父ちゃんみたいになりたい
父ちゃんみたいに凛々しい男になりたいと強く思っていた
でも俺には母ちゃんの遺伝子が半分入っているからなのか
ちょっとだけ凛々しさが足りないみたいだ
明日夢
愛紗
明日夢
今まではわりと落ち着いた格好をしていたのに
服装も黒っぽい派手なものになり
ピンクの髪とも相まって凄い見た目に変貌していた
明日夢
明日夢
愛紗
明日夢
愛紗
明日夢
まるで遅れてきた反抗期のように
派手な見た目の母ちゃんは生き生きとした表情をしていた
家族は何も言わないのだろうか？
それまでわりと普通の見た目だった娘がピンクの頭になり
黒の派手な服装になっていると言うのに
愛紗
明日夢
楽しそうだけど……
明日夢
あの後、少ししてから家に帰ってアルバムを探した
もしかしたら家のどこかに
あの姿の母ちゃんの写真があるかもしれないと思った
居間や俺の寝室
父ちゃん達の寝室も軽く探してみたけど
見つけたアルバムに写る母ちゃんはどれも暗い髪色で
あんな派手な格好をした写真は一枚も見つからなかった
父ちゃんにも聞いてみようかと思ったけど
もし父ちゃんがあの姿の母ちゃんを知らなかったら
俺の言葉は変に思われるかもしれない
明日夢
丈太郎
明日夢
明日夢
丈太郎
丈太郎
明日夢
丈太郎
丈太郎
明日夢
明日夢
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
明日夢
心臓がドキドキした
こんな風に母ちゃんの話を聞いたのは初めてだったから
丈太郎
明日夢
明日夢
まさか話してくれるなんて思ってなくて
凄く嬉しかったけど
ドキドキが止まらなかった
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