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サイキッカー!!

第11話 - 11杯目/思いがけない勧誘

813

2025年08月14日

#司類

#冬彰

あかまる🍓🐾໊

僕はどうやら、超能力者というやつらしい。

物心ついた頃から、この先に起きる未来が見えるようになった。

初めは、これから自分の身に起きることのみだったけど、

歳を重ねるごとに、見ただけで相手の未来も見えたりするようになった。

世で超能力者は、悪とされている。

けれど、僕が超能力を持って生まれてきたのには、きっと何か理由があるはず。

ならばそれを受け入れ、僕なりに上手く生きてみようと、そう思って過ごしてきた。

類

(この後は……あっ、スーパーで臨時の特売セールやるんだ。)

類

(帰りにスーパー寄ろうっと。)

その時、前方を歩いている少女が、信号無視のトラックと衝突するシーンが見えた。

類

！

類

(今、走って間に合うか…？！)

その時また、あるシーンが見えた。

少女を庇って、僕がトラックと接触するシーンだ。

僕は躊躇いなく、その少女目掛けて駆け出した。

病院

司

トラックと衝突して入院だと？！

彰人

ちょ、店長。ここ病院っすよ。

司

す、すまん！

類

大袈裟だよ。言っても1週間だし。

司

でも入院するほどの怪我じゃないか！1週間も！

類

(結果的に、あの子は無傷だったようだし。本当に良かった。)

司

お前は……！！

司

(……本当に、何故、そんな…人のことばかり……)

司

……もっと、自分を大切にしてくれ…

類

…

類

(司くん…本当に心配性だなぁ)

彰人

まぁ、オレも店長に同意です。

彰人

センパイはもう少し、自分のことも考えた方がいいと思います。

彰人

なぁ、冬弥？

冬弥

…

冬弥

神代さんが怪我をするのは…嫌だと思いました。

類

……すまないね。

類

今後は、もう少し気を付けるよ。

1週間後

類

こんにちは〜

司

おおぉぉ、帰れ？

司

今日は来るなと言っただろう！

類

えぇ〜…でも、もう大丈夫だよ？

司

ダメだ。ともかく、今日1日は仕事禁止！

類

えっ、でも、

類

(家だと1人で寂しいから、みんなと一緒にいたいんだけど…)

司

…

司

…どうしてもと言うなら、

司

今日は奥の席で、書類の整理をしておいてくれ。

類

！いいの？

司

あぁ。その他の仕事は一切禁じるがな。

類

ちょっとくらいダメ？

司

ダメだ。

類

むぅ…分かったよ。

彰人

あれ、類センパイ来てるじゃないすか。

司

あぁ。来るなと言ったんだがな。

司

とりあえず、今日は書類作業だけしてもらうつもりだ。

彰人

あぁ、なるほど。了解です。

司

今日も3人だからな。2人とも頼むぞ。

彰人

はーい

冬弥

はい。

ガヤガヤガヤ

お客さん

すみませーん！店員さーん！

彰人

はーい！お伺いしまーす！

お客さん

すみませーん！こっちも！

冬弥

はい。

司

(これが2番テーブル、これは8番テーブルだな。)

司

お待たせ致しました！唐揚げ2人前と餃子3人前です！

お客さん

あっ、ありがとうございます！

司

(類は…)

類

(よし、先月の売上のまとめ終わり。時間あるし、近年の売上の動向を分析して…)

司

(うむ、順調そうだ。)

彰人

今日めちゃくちゃ忙しいんすけどーー

彰人

店長〜、やっぱ給料上げてくださいよ〜

司

おぉ、そんな事言える余裕があるなら大丈夫だな。

彰人

ケチーーー

冬弥

彰人、向こうのテーブル。

彰人

あぁ、はいはい。了解。

カランカランッ

司

いらっしゃいませ！！！

少女

1名で、お願いします。

司

1名様ですね！カウンター席でよろしいですか？

少女

大丈夫です！

司

では、こちらのお席へどうぞ！

少女

ｷｮﾛｷｮﾛ

司

(……何か、探してる…のか？)

司

(ちょっと不審だな…)

彰人

っ？！

司

？

彰人

(はっ？！え、なんで？！)

司

(な、なんだ？どうした？！)

彰人

(なんで…あの人が、ここに……？！)

彰人

(何が目的で…オレらを捕まえるためだけなら、わざわざあの人が来なくてもいいはず、)

彰人

(なら一体、何が目的で…？)

司

(……今のだけじゃ、何かはよく分からんな、)

司

(だが…何かヤバそうだな。)

司

あの、もうすぐ閉店になりますが、

少女

あっ、はい！ご馳走様でした！

司

(め、めちゃくちゃ食べるな、この人…)

少女

えへへ、とっても美味しかったです！

司

ありがとうございます！

類

店長〜。せめて僕も片付けくらいは…

少女

！！

類

おや？貴方は…

司

(む、類の知り合いか？)

少女

恩人さんっ！！

司

…恩人？

少女

あのっ！ずっと探してたんです！

少女

先週は助けて頂き、本当にありがとうございました！

類

助けただなんて、そんな。偶然ですよ。

司

(あぁ、なるほど。類が先週助けた人か。)

少女

いいえ、たしかに助けて頂きました。

少女

貴方は、自分が怪我を負うと分かっていながらも、私を助けてくれました！

類

！

少女

今日はそのお礼に来たんです。

少女

これが、今回の慰謝料と謝礼になります。

類

え？！

司

(す、スーツケースの中に、札束？！億くらいありそう！！？)

類

い、要りません！お金なんて！

類

僕は見返りなんか求めていません。貴方に怪我が無かった、それでいいんです。

司

(お前は聖人か…？？)

少女

…

少女

…そうですか。

少女

ならやっぱり、別の方法でお礼させて頂きますね。

類

別の…？いえ、そんなお気遣いなく…

少女

今日は、もう帰ります。

少女

東雲彰人は、この後ナンバー108を連れて、この店に来るように。(耳打ち

彰人

は、はい…

司

(ナンバー108……？)

少女

ご馳走様でした！これ、お代です！

司

(さっきのスーツケース？！？)

司

こ、こんなに必要ありませんよ！！

少女

多い分にはいいですから！

司

(限度があるだろ！！)

司

えっと、5300円だから……4700円と、残りはそのままお返しします。

少女

本当にいいんですか？ちゃんと本物ですよ？

司

そ、そこは疑ってませんよ！

司

代金に見合ったもの、それ以上に満足していただけるものを提供する。それがオレのポリシーなんです。

司

ですから、5300円しか受け取れません。

少女

…分かりました。

少女

本当に美味しかったです。ご馳走様でした！

司

(ふぅ……ちょっと焦った…)

司

(あんな大金初めて見た…怖い…)

司

(あの人、何者なんだ…？)

司

って、彰人。何してるんだ？

彰人

いや、遺書書いとこっかなって。

司

遺書？！？

類

な、なんで？！そんな縁起でもない…！

彰人

んー、結構シャレにならないんすよね。

彰人

だから、オレが今後ここに来なくなっても気にしないでください。

司

気にするわっ！！！

類

…

類

大丈夫だと思うよ。

類

君はきっと明日もここに来て、いつも通り忙しなく働いてるさ。

司

(……未来予知が言うと、説得力あるな。)

彰人

…そっすか。

彰人

ま、とりあえず片付けしましょ。

司

あ、あぁ。

司

…彰人、やはり…さっきの少女、かなりマズイのか？(ｺｿｯ

彰人

かなりっつーか、激ヤバです。

彰人

(あの人、異能規制隊のトップのご令嬢なんですよ。)

司

？！？

彰人

(ヤバいでしょ？)

司

や、ヤバいな…

彰人

(で、呼び出し食らってるんすよね。めちゃくちゃ焦ってます。)

司

おぉ…顔には全く出とらんが…

彰人

(まぁ、どんな用件かは分かりませんが…ワンチャン死ぬ可能性もあるんで、ピンチなんですよ。)

司

？！

彰人

(でも、それは神代センパイが否定してくれましたけどね。)

彰人

あの人の事は、信用できる。だから多分、明日もここには来ます。

彰人

それで最後になるかどうかは、分かりませんけど。

司

…大丈夫だ！

司

お前がここを好きで居てくれる限りは、ずっと大丈夫だぞ。

彰人

…はい。

彰人

ありがとうございます。

司

うむ！

彰人

はぁー……

彰人

正直、ちょっと言っていい？

冬弥

あぁ。

彰人

普通にめちゃくちゃ怖い。

冬弥

俺もだ。

彰人

！

冬弥

行きたくない。

彰人

同意だよ。

彰人

オレら、確実にクビ切りか、極刑だよな。

冬弥

あぁ。

彰人

ま、そういう覚悟ではあったんだけどさ…

冬弥

だが、大丈夫だろう。

冬弥

神代さんがそう言っていたから。

彰人

…まぁな。

彰人

腹くくるか〜…

スタッフ

会員証、もしくは紹介状はございますか？

彰人

(うわ、高そうなBAR…会員制かよ…)

彰人

えーっと、"鳳"の連れです。

スタッフ

鳳様の！

スタッフ

失礼いたしました。奥へどうぞ。

彰人

失礼します。東雲彰人と、青柳冬弥です。

えむ

あぁ、いらっしゃい！そこの席どうぞ。

彰人

失礼します。

えむ

来てくれてありがとう。

彰人

いえ、当然です。

えむ

それで早速、用件なんだけど…

えむ

……東雲彰人、ナンバー108。

えむ

貴方たちは天馬司、神代類の2名が超能力者と分かっていながら見逃し、本部への報告を誤魔化して隠した。

えむ

これは立派な違反行為であり、組織への裏切りです。

えむ

それ相応の処罰があると、覚悟しての事ですか？

彰人

はい。

彰人

自分で決断しました。そして、後悔もしていません。

えむ

…ナンバー108は？

冬弥

俺も、処罰を受ける覚悟をした上での判断です。

えむ

…

えむ

ならば、どうしてその判断に至ったか、教えてください。

彰人

(この際だから、言っちまうか)

彰人

「超能力者は悪である」という組織の理念に、疑念を抱きました。

彰人

当初はオレもその理念に従い、数々の超能力者を逮捕してきましたが、

彰人

天馬司、神代類の2名と関わり、その理念に不信感を感じました。

彰人

彼らは超能力者でありながらも、その力を犯罪や、人々を脅かすために使っていない。

彰人

それどころか、人のために超能力を使っている。

彰人

人を助け、人の役に立つことの、何が悪なのでしょうか。

彰人

オレたちが捕まえるべき相手は「超能力者」ではなく、「犯罪者」なのでは無いでしょうか。

彰人

そういう理不尽さを感じ、組織に対する忠誠が薄れ、今はもうほとんどありません。

彰人

以上が、今回の違反行為に至った理由です。

えむ

……

えむ

ナンバー108は？

冬弥

俺も同じく、組織によって組み込まれたプログラミングに納得できなくなったからです。

冬弥

俺は、「超能力者」全員が必ず「悪」だとは思えません。

冬弥

そして、俺はもう組織へ貢献する気も一切ありません。

彰人

(おぉ、ハッキリ言うなぁ…)

えむ

…正直、想定外でした。

えむ

東雲彰人、ナンバー108に、私から処遇を言い渡します。

えむ

私は東雲彰人、ナンバー108の判断と行動を評価し称え、そして支持します。

彰人

…はい？

彰人

す、すみません。評価と、支持とか聞こえた気がするのですが…

えむ

そう言いました。

彰人

(は？？？)

彰人

えっと…え？どういう…？

えむ

これはまだ機密事項なのですが、貴方たちには聞く権利があるとして、話します。

えむ

私、鳳えむは現在、反異能規制派を集め、統率しています。

彰人

？！

えむ

私も、2人の意見と同じ考えです。

えむ

「超能力者」が必ずしも「悪」だと言うわけではない。

えむ

私たちが本当に捕まえるべきは、「超能力者」の「犯罪者」である。

えむ

そして、既に同じ考えの同志も、異能規制隊の中に複数存在しています。

彰人

！

えむ

今日は、勧誘と交渉に来ました。

えむ

東雲彰人、ナンバー108。私たちと組み、今の異能規制隊と世の中の風潮を変えませんか？

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意外なてんかいになってきた!

楽しみ続き待ってますえむちゃんかわいいw

うわ、これめっちゃ続き楽しみです😇今まであんまり見たことない設定だったので凄い好きです😖💗

あかまる🍓🐾໊

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