テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

すべては天の仰せのままに

第32話 - それぞれの告白と想い

170

2022年05月21日

#ファンタジー

#ラブコメ

#神様

#転生

#青春恋愛

#一次創作

しふぉん

フォルトゥーナ

…っはぁ

フォルトゥーナ

（恨みっこなし…か）

フォルトゥーナ

（私、よく言った…ほんと）

フォルトゥーナ

（…あの二人が両思いなのは、目に見えてるのに）

そのとき、あの姿を見つける

フォルトゥーナ

…デス！

デス

…あ

さっきのことが気まずいのか、デスは分かりやすく目を泳がせる

フォルトゥーナ

（…うん）

フォルトゥーナ

（もう、終わらせなきゃ）

フォルトゥーナ

ね、デス

デス

ん？

フォルトゥーナ

先に言っておくんだけど

フォルトゥーナ

…私がこれから何を言っても、デスはデスの幸せを躊躇しなくていいから

デス

━━━え？

フォルトゥーナ

んふふ、難しいこと言ったかな

フォルトゥーナ

━━━もう気使う必要なんてないよ

フォルトゥーナ

私はそんなに弱くないし

フォルトゥーナ

そもそも自分であそこに行ってネイバスを守ることを…そして

フォルトゥーナ

デスたちをあそこに入れないように記憶を消すことを選んだんだから

デス

…それ、あのときのことか

フォルトゥーナ

きっとたくさん迷惑かけたけど━━━

デス

辛かったよ

フォルトゥーナ

え？

デス

フォルトゥーナがいなくなったのも辛かったし

デス

フォルトゥーナが、優しさで俺の体を守るために領地に入るのを拒んだことも

デス

それだけで簡単に記憶を消されちゃったのも

デス

…簡単に忘れた、俺も

デス

バカみてーに辛かったし

デス

今だって辛ぇよ

デス

…でもこの苦しみは俺が味わわないといけないから

フォルトゥーナ

デス…

フォルトゥーナ

もう自分のこと、そんな風に言わないで

デス

…っえ？

フォルトゥーナ

…その首の傷も、私のせいでついたんだよね

デス

フォルトゥーナのせいじゃねぇ！俺が勝手に━━━

フォルトゥーナ

"仕方ない"こと？

デス

ああ、だから━━━

フォルトゥーナ

だったらさ

フォルトゥーナ

デスがレナに心移りしたのも、"仕方ない"んだよ

フォルトゥーナ

元々私たち、好きだって言っても思っても…付き合ってたわけでもないし

フォルトゥーナ

そもそもレナが来てすぐいなくなった私としては

フォルトゥーナ

私がずっと一緒にいても、デスはレナを好きになったと思う

フォルトゥーナ

レナは…私にないものをいっぱいもってるから

デス

…なんで、そんな話…っ

デス

そんなの仕方ないなんて言葉で済ませることじゃ━━━

フォルトゥーナ

人の気持ちなんて変わっちゃうんだよ！！！！

デス

…フォルトゥーナ？

フォルトゥーナ

デスはいつまでもいい子ぶって私に構ってる

フォルトゥーナ

そんなに余裕あるの？レナがその間に他の子を好きになってもいいの？

デス

…っ

ソムニウムが私にくれた言葉を

私が、デスに贈る

デス

それは…ヤだけど━━━っ

フォルトゥーナ

好きだよ、デス

デス

……え？

フォルトゥーナ

気づいてたよね、もう

フォルトゥーナ

私が今でも好きだってこと

フォルトゥーナ

ほんとに、だいっっっすき…だった

フォルトゥーナ

だから…だから…っ

フォルトゥーナ

振って、幸せになってよ…っ！

デス

ごめん…っ

デスの声は少し震えていて、本当に力なくて

だけど顔をあげたデスはもう、強い意志を持っていたんだと思う

デス

俺は、レナが…好き

フォルトゥーナ

…うん

フォルトゥーナ

ありがとう、本当に…

シルワ

それでそんな顔してるのですね

フォルトゥーナ

そうなんだ

フォルトゥーナ

…けどね、シルワ

フォルトゥーナ

私一つすごく驚いてることがあって

シルワ

何かしら？

フォルトゥーナ

…不思議なことに

フォルトゥーナ

もう、未練なんてないんだよね

フォルトゥーナ

どっちかっていうとスッキリしたっていうか

シルワ

…ふふ

フォルトゥーナ

どうして笑うの？

シルワ

それは、"愛"ですわね

フォルトゥーナ

愛？

シルワ

デスとレナ、二人に対する愛の気持ちですわ

フォルトゥーナ

…そーかも笑

フォルトゥーナ

お母さんんんん甘やかして♡

シルワ

ふふ、お母さんとは何ですの笑

フォルトゥーナ

だってシルワはみんなのママだよ〜〜

思えば私は再会したデスへの想いが溢れて一緒にいるレナに妬いて

私の気持ちはそっちばっかに向いて、何にも考えられずに

ずっと前からもう…ただの執着になっていた、のかもしれない

レナ

はぁ〜〜〜

デビル

どした

ぼーっとしていた私は耳元の声で目が覚めた心地がする

レナ

びっくりした

レナ

…ねぇデビル

デビル

ん

レナ

これはあの、友達の話なんだけど

デビル

あー…おう

レナ

その子の仲良い子と、ライバルになっちゃったらしくて

レナ

（…あれ）

言っていて、何故かなんて分かんないけど涙が溢れる

レナ

仲良い子に告白するって言われて、すごく複雑…らしいんだけど

哀しいのか分からないけど、辛くて、苦しくて

レナ

デビルなら、どうする━━━━

次の瞬間私は頭が真っ白になる

レナ

（あれ、なんで私デビルの腕の中に━━━）

腕を解いて私と目を合わせたデビルが言う

デビル

━━━━俺ならこう言う

デビル

『そんなやつやめちまえ』

デビル

『お前をもっと幸せにしてくれるやつ周りにいるだろ』

レナ

…デビル？

レナ

えっと、その友達に対して言ってる…よね？

デビル

…そーなんだろ、お前が言うには

レナ

（今のぎゅーも、いつものノリっていうか…デビルの異常行動で）

レナ

（この言葉も私に本当に言ってるわけでもなくて…）

レナ

（そう、だよね…？）

何も言えなくなった私は呆然とデビルを見ていた

すべては天の仰せのままに

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

170

1件

誰かを好きになるって気持ちが変わっていくのは仕方の無いこと……。だからこそフォルトゥーナさんはデスさんへぶつけた想いは素敵だし、読んでて胸にじーんときた🥰🥰 レナさんはデビルさんの気持ちに気づく、のかな🤔 そしたらレナさんはもっと悩みそうだけど、レナさんが幸せだと思う道を選んでくれたら私は嬉しいな😌💭✨

しふぉん

プロフィール