テラーノベル
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※雨が降っていると思ってください※
肩にかけていた学校用の鞄を置く。
雨が濡らした砂浜に素足でつける。
足にあたる海水の温度が冷たく感じる。
打ち付ける雨が、俺の喪失感を現すようにただひたすらと降っている。
今、俺の目の前には雨のおかげで増水した海が広がっている。
もうッ、決めたじゃんッッ………、
足を中々踏み出すことができず、その場で棒立ちになる。
みこちゃんにっ、 俺は釣り合わない……、
それに、みこちゃんはきっと あの女の子と付き合う……ッ、
……仲、良かったしっ、
それに俺とみこちゃんは 同性だからなぁッッ……
みこちゃんが 同性愛者とも限んないしッ…
そんなことが頭の中でぐるぐると回っている。
「俺を見つけに来ないかな」
なんていう甘すぎる想像をする。
そして、波の音と俺の体に当たり鳴る雨音がそれを打ち消すように耳に響く。
Suchi
足を一歩前に出す。
また一歩。
冷たい海水を足で掻き分けながら、俺は段々と海に沈んでいく。
飲み込まれていく。
最初から浸かっていた足の感覚はほぼない。
麻痺しているようだった。
冷たすぎる水の感覚が、壊れた俺を表しているかのようで、
そんな現実から目を逸らしたくなる。
水が、体の3分の1までくる。
進んでいく内に、いつの間にかそこまで来ていた。
深く、黒い海が俺の命を歓迎しているように、波が迫ってくる。
───目を閉じる。
次に目を開いた時、俺は既に水中の中に居た。
水面が雨に打たれ、波紋のように広がっていくのをただ見つめる。
綺麗だな……
その光景は、今から死にに行く人とが見ていいのか分からないぐらい。
とても綺麗で、幻想的でもあった。
みこちゃんと見れたらどれだけ 良かったか……(笑
今更ながらに少し、後悔する。
この景色を彼と見て、居なくなりたかった。
不思議と涙が溢れてくる。
それが、「まだ生きたい」と願う本心のようなだった。
だが、「時すでに遅し」だろうか。
俺がやってしまった行動は、仲間に亀裂が入ってしまうかもしれないような行動で、
戻った時、みんなに笑顔を向けれる自信がなかった。
*ゴポッ*
息が辛くなり始める。
息を吐いた時に出来た水泡が、ゆっくりと水面へと上がっていく。
俺が救われる距離は、水泡が遠くなる事に長くなっていく。
手を水面に近づけようとしても、そこには水面はなくて、
「自分は沈んでいっている」
そんな事だけが、確かな事実として胸の中にあった。
暗く淀んだ冷たい海水。
そんな海水が俺の体を包み込む。
海底に近づいていっているのが分かる度、
「俺はもう助からない」
そう思うようになる。
酸素が足らなくなってきたのか、思考が上手く働かない。
ここで、終わりかな…
そう諦め、俺はゆっくり瞼を下ろし始める。
大切な王冠のネックレスを持っていた手に力が入らなくなる。
俺の視界に、王冠のネックレスが映る。
左右にゆっくりと揺れ動く。
無性に虚しくて、涙があふれる。
あぁ、迎えに来てよ…。
俺の王子様《みこちゃん》───。
さいごに思ったのは、結局は彼の事だった。
意識が遠のいていく。
ただ、王冠のネックレスが海から差し込む光に反射し、光っている。
俺は最後の最後まで、彼の事を思っていた。
……どんだけ、、好きなんだか__
黒く、荒れ果てる海の中。
一人の青年が、海へ沈んでいた。
そしてその青年を追いかけように、もう1人の青年が海へ飛び込んでいた。
17話 生死の行方 _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
7件
いやぁ すっちー! 続きが楽しみすぎる

うあああああぁ ちょほんとにえちょあーやばい 普通に生きてくれええええ死なないでぇぇ えでも、バトエンも見てみたいと思ってしまう自分が居る((( まぁうん続きが見たぁぁぁい!!!(
わぁぁあーーーみこちゃぁぁん!!!まにあってぇぇぇ