ぶりっこじゃないもんｯｯ

目の前にある幸せばかり追いかけていた。

自分の気持ちばかり考えていた。

私は結局、自分を守りたいだけで、

誰かに助けてもらいたかっただけの甘えん坊だ。

そんなバカな自分に気付くのなんか

大概何かを失った後なのかもしれない。

〜放課後〜

今日は久しぶりに徹ちゃんを呼んで3人で帰る約束をしてたんだ。

小学校以来一緒に帰ってなかったからか、話に花が咲く。

あの頃はよく3人で冒険しながら帰ってたなぁ。

こんな昔みたいに気を使わず楽しめるのってなんか幸せだな。

みんななかなか部活で時間合わなくて会えないけど…

またこんな日が来たらいいのに。。

ふいに聞いた一言だった。

何事もなく、平和で

理想的な妄想をふくらませて

何も知らないでいた…

停学…？

それにひきこもってた…？

あの綾人くんが？

私の心に悔しさが込み上がる。

あの時の言葉が

脳裏に浮かぶ

綾人くんは…ずっと1人で耐えて来ていたの？

つい感情的になってしまった。

先輩に殴られて入院？

どうして言ってくれなかったの？

どうして返信してくれないの？

私だけ助けて

明るく笑顔で見送って

自分1人は辛い思いを抱え込んでるっていうの？

むかつく！むかつく！むかつく！！

私は帰りの道を一人猛烈な勢いで逆走していった。

…つづく。