小さい頃、 フラワーショップで見かけた花がどうしても欲しくて
自分のお小遣いで1輪だけ 買ったことがあった.
大事に、とても愛情を込めて育てた. 枯れないように、萎れないように
毎日毎日世話してた.
だけど....
花は結局枯れてしまった.
買ってから、間もない時に
あんなに愛情を込めたのに. あんなに大切にしたのに
僕は全く原因が分からなかった.
𝗧𝗛 .
あれ、僕寝てた ?? てか、家に帰って来てたんだ...
全く覚えてない、 店を出てからの記憶がすっぽり抜けてる. あぁ、頭も痛いし、
割れるように痛い頭を抱え再び横になろうとすると、手に何か暖かいものが当たった.
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
ソファーに腰を寄りかからせ、膝には畳み掛けのTシャツと、横で山になってる洗濯物. テーブル上にはバスタオルと、畳み終えた服や下着が並んでいた.
畳んでる途中で寝てしまったんだろう.
疲れて寝てるところ起こすのも悪くて、自分の布団を1枚取り、ジョングク に掛けた.
𝗝𝗞 .
布団、 テヒョニヒョン が掛けてくれたのかな
ぅ、首が痛い. うっかりあのままソファーに寄りかかったまま寝ちゃうなんて.
体も変に力入っちゃって痛いし、 山にしたまま洗濯物置きっぱにしちゃったから下の方シワになってるかも.
𝗝𝗞 .
...ヒョン は、大学に行ったのかな. 酔い潰れた次の日に学校って、 大丈夫なのか ??
朝の冷えた部屋の中をスリッパで歩き、キッチンの方へ向かおうとすると
いつも何も無いテーブルの上に、 今日は食器が並んでいた.
𝗝𝗞 .
ご飯と、昨夜僕が作った残り物のおかず.棚の中にあったカップスープ. 料理出来ないから、残り物をレンジで温めて出す感じ ヒョン らしい.
ちゃんとラップまでしてるし..... これって、ヒョン が朝食用意してくれたってことなのか ??
𝗝𝗞 .
よく見るとスプーンの下に 【昨日はありがとう】 とメッセージが書かれたメモも添えてあった.
殴り書きのような、急いで書いた荒っぽい字が、僕にとっては愛らしく感じた.
𝗝𝗞 .
そのままそっとメモをポケットにしまった.
➥作業室
朝の僕はまだ酔いが覚めて無かったのかも知れない. ジョングク にメモを残しただけでなく、ご飯まで用意するなんて.
嗚呼、 なにしてんだか.
𝗧𝗛 .
今朝の行動を恥ずかしく思いながら作業スペースに戻ると、
自分の作品の前に先生が腕を組みながら立っていた.
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗛 .
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗛 .
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗛 .
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
ル ・ サロン パリのグラン・パレ・エフェメールで開催されるフランスの歴史ある公募展.
そこで最高賞の金賞を受賞すれば、国際作家として活躍する道が開けたも同然.
絵画を専攻して以降、 ずっと先生から勧められていたフランス交換留学も簡単に出来るだろう.
でも.....
僕は、 僕の本音は
“行きたくない”
この気持ちが少しでも変わることは今まで無かった.
才能がどれだけあると言われても、 僕には自分の絵に自信が持てる程の輝きがあるとは思えない.
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗛 .
絵画、彫刻科を行き来して 展覧会やコンテスト出品間近にしか顔を出さない教授.
去年、自信喪失と精神的に辛かった時期僕に止めを刺した元凶だ.
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗛 .
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗛 .
ここで僕が出来ると返したところで、 あんたは嘲笑うんだろう.
嘲笑われる以上に腹が立つのは、 自分が嘘でもその問に頷けないこと.
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗛 .
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗛 .
何処か彼奴に似た顔は 意識しても、 絵には現れてしまってる.
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗛 .
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
始まった. 去年もそうだった教授は僕と幼なじみである ジミン を比べてくる.
所謂、教授にとってお気に入りである ジミン と.
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗣𝗿𝗼𝗳𝗲𝘀𝘀𝗼𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗛 .
【ダッ】
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
𝗧𝗲𝗮𝗰𝗵𝗲𝗿
【ダッ】
𝗝𝗠 .
𝗝𝗠 .
「ヤーッ キム テヒョン !!」
𝗧𝗛 .
テヒョナ に会いに絵画室を除くと先生の声が響く中俯いたまま、廊下を疾走する テヒョン の後ろ姿
何が起こったかその後ろ姿で分かった気がした.
𝗝𝗠 .
𝗝𝗠 .
徐々に遠ざかっていく背中は、彼奴が苦しんでた時期の背中と似ていた.
【カタンッ カタンッ】
𝗧𝗛 .
先生の呼び止める声を聞いて、 次に気がついた時にはアパートの扉前に立っていた.
部屋の中で待ってるであろう ジョングク.
今、彼奴の顔を見るのが、
怖い
【ガチャッ】
【ガチャッ】
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
帰ってきて早々淡々とした様子で、冷たく引き離す感じ.
少しつづ距離が縮みはじめたと思ってたのに、再会した日と同じように顔を逸らし続けるヒョン.
𝗝𝗞 .
今、 ヒョン を1人にしたら 心の距離がまた開いてく
無視を続ける彼の肩に手を添え
𝗝𝗞 .
名前を呼んで見るけど
ヒョン は肩を跳ね上がらせ 反射的にだろうか. 添えた手を振り払うように身体を大きく捻った.
【ガタッ】
𝗝𝗞 .
捻った身体は近くの棚にぶつかり、 衝撃で2冊のスケッチブックが静かに落ちた.
彼が拒み行き場を失った僕の手は、 スケッチブックへと伸びる
𝗝𝗞 .
【ポツポツ...】
雨漏り ??
床に落ちる無数の雫の粒.
見上げると、 テヒョニヒョン の眉間には深い皺、唇は震え大きな雨粒のような涙を流していた.
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
スケッチブックの絵 ?
手に持つ緑色のスケッチブックは2冊とも所々鉛筆の芯で黒に染まっていた.
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
外で振る雨が
まるで ヒョン の涙のようで
雨の音 耳に響く ヒョン の泣き声、耳を傾けず一方的に話す声 それらに腹が立ってしまった
雷鳴に似た僕の怒鳴り声
自分の口から出たものだと 自覚するには余りにも遅すぎた.
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
【ダッ】
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
器から溢れた怒りの声と 僕を置いて
逃げるように テヒョニヒョン は雨が降る外へ飛び出していった.
𝙏𝙤 𝙗𝙚 𝙘𝙤𝙣𝙩𝙞𝙣𝙪𝙚𝙙 ⇢⇢
コメント
2件
続きが気になりすぎてやばい😭ハート100まで押しちゃった!