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ちゅぴちゃぱ
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夜通し降り続いていた激しい雨が、嘘のようにピタリと止んだ
雲の隙間から、世界をオレンジ色に染め上げる美しい朝焼けの光が差し込み始めている
スマホの画面に表示された、なおきりからの最期のメッセージ
それを見た俺は、狂ったようにシェアハウスを飛び出し、泥を跳ね上げながら裏手の大きな庭園へと走っていた
ゆあんくん
息を切らし、冷たい空気で肺を焦がしながら、庭園の奥へと突き進む
視界が開けたその時、朝焼けの眩しい光の中に、それはあった
朝日に照らされ、藤棚のツタから静かにぶら下がっている、大きな、大きな人影
そのすぐ隣には、あの日2人で笑いながら作った、小さな白い不器用なてるてる坊主が並んで揺れている
ゆあんくん
声にならなかった
足元には、無残に倒れた木製の椅子
近づくまでもなかった
その優しい青髪も
いつも自分を「お兄ちゃんに任せなさい」と守ってくれていた大きな体も
すべてが大好きな
俺たちのお兄ちゃんだった
ゆあんくん
ゆあんくんはその場に崩れ落ち、冷たくなったなおきりの足元で、ただ呆然と上を見上げることしかできなかった
じゃぱぱ
えと
リビングから、じゃぱぱたちの明るい声が聞こえてくる
何も知らないメンバーたちが、ようやく訪れた晴天を喜びながら、外の空気を吸いに庭園の方へと歩いてくる
じゃぱぱ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
近づいてきたじゃぱぱの声が、途中で凍りついた
続いてやってきたメンバーたちも、息を呑んだまま一歩も動けなくなる
美しい朝焼けの光に照らされた庭園の真ん中で、ゆあんくんがうずくまり、その頭上には、変わり果てた姿のなおきりが静かに佇んでいた
静寂のなか、ゆあんくんが乾いた声で、ぽつり、ぽつりと呟いた
ゆあんくん
涙が、ボロボロと地面の泥にこぼれ落ちていく
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
俺は、なおきりの足元を縋るように抱きしめた
ゆあんくん
晴れを願って吊るされたはずなのに、みんなに最悪の雨を降らせてしまった、哀れな逆さのてるてる坊主
最年長としての苦悩に気づいてあげられなかった
一番近くにいたはずなのに、何も知らなかった
そんな取り返しのつかない無力感と後悔が、メンバーたちの胸を激しくかきむしる
けれど、ツタに吊られたなおきりは、もう何も答えてはくれない
隣で揺れる小さなてるてる坊主だけが、主の遺志を証明するように、のんきな笑顔のまま揺れている
からぴちの全員が涙に暮れるなか、皮肉なほどに美しい朝焼けの光が
広い庭園と、冷たくなった彼らをどこまでも優しく照らし続けていた
『遠い僕はてるてるぼうす』
〜END〜
Thank you for reading
コメント
34件
この話めちゃ好きでした! あと、めちゃずっと泣いてましたw 他の話も楽しみにしてますね!🎶
うわ〜、ゆあんくん辛かっただろうな 急にいなくなってメンバーもびっくりしたよね…切ない物語だな…そしてみずもちさん天才だな
