藤堂
いらっしゃいませ、店主の藤堂です。何やら特別な事情をお抱えのようですね。

藤堂
よろしければその事情、私に話してみませんか?

女性客
噂をきいて、伺いました。どうか助けてください。

20代前半ぐらいの若い女性が今にも泣きそうな表情で藤堂へ懇願していた。
藤堂
魅せオンナか…

女性は事情をはなし、頭をさげ、連絡先を記した紙と前金を置き店を出た。彼女の話を聞いてすぐピンときたのはそのワードであった。
藤堂
女の類は得意分野だろう?なぜ出てこなかった?

ダン
俺にいってんの〜?無理無理あの女綺麗すぎて近寄れないもん。

藤堂
あぁ、汚れたお前は澄んだものに触れると溶けるんだっけな。

ダン
久しぶりに穢れのないオンナみたな〜。あれ、処女だぜ。んで、魅せオンナは厄介だけど、彼女の男救えんの?

藤堂
俺のもつ情報では足りん。もつべきものは賢い行動力のあるモノノ怪だな。

ダン
俺に行けってことじゃん。俺らをこき使うのお前くらいだよアリス。

藤堂
俺の名前を呼べんのもお前くらいだ。早く彼女の男に接触し、問題の別荘へ行ってこい。

ダン
へいへい。

ダン
いってきますよアリスさま

藤堂


藤堂
一日以上かけたらお前封印するからな。

ダン
はーぁ。まぁ魅せオンナはいいオンナだって聞くし、一度くらいお目にかないたいもんだよな〜

藤堂
あぁ、お前は大丈夫かも知れんが、魅せオンナの右目は絶対に見るなよ。普段は髪で隠しているが

藤堂
あれを見ればあっという間に操り人形だぞ

ダン
りょーかい。いってくるコンコン!

ダン


人間の装いに扮したダンは一瞬の煙と共に姿を消した。