TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

放課後

冬華(とうか)

ん"ッ…ん〜〜〜

授業の疲れでベンチにコロンと寝っ転がって背を伸ばす

冬華(とうか)

ナフゥ~…

空はすっかりオレンジ色…まだまだ春という季節…

桜はすでに散り…新入生に転入生…特待生チャンはすっかり周りに馴染んだであろう頃…

冬華(とうか)

……(このまま寝た様に_)

特待生)!!冬華ちゃん!

冬華(とうか)

ビクッ…と、特待生チャン?どうしたの?

特待生)??それより休憩中でしたか…?

冬華(とうか)

う、ううん!平気!ちょっと休んでただけだから

心配そうに見つめる彼女を心配させまいとニコニコと笑うと…更に心配させたのか私の隣に座って来た

特待生)嘘です、貴方は嘘をつく時悟られないように苦笑いします

冬華(とうか)

う、うぬぅ…別に、平気だよ

目を逸らすと特待生チャンは心配そうな顔をさらにした

特待生)…誰かに相談とか……

冬華(とうか)

や、やっぱり嘘ってわかる?

特待生)えぇ、なんとなくですが分かります

冬華(とうか)

……今日さ、模擬戦があったんだよ

今日あったことを話した…模擬戦終わりに翔君達と話していたらぎこちない顔をされた事を…

特待生)そうですね〜…ん〜……

特待生チャンはしばらく悩んだあと…口を開いた

特待生)多分お2人がぎこちない顔をしたのは…あなたの事が心配で…死に恐怖を抱かないことに恐怖をしたからだと思いますよ

冬華(とうか)

恐怖はわかるけど……何で心配なの?

特待生)ほら、死んじゃうほどの痛みとか苦しみが感じられるんですよね?なら、苦しむだけ苦しんで…生きて…

冬華(とうか)

苦痛だけ与えられ…何も無かったかのように……生きる事が怖いってこと?

特待生)恐らくですよ?

特待生)まぁでも…私なら怖いって…思いますかね

特待生)人なのに人じゃない…って所じゃないんです、人なのに人じゃないからこそ…私達じゃ考えられない「恐怖」があるから怖いんです

特待生)考えられない恐怖だから…与えられない恐怖だから怖いんです

特待生チャンに色々言われ…納得する部分もあった…

人は「考えられないもの」に恐怖を感じる……人は人じゃないものに恐怖を感じる…

人は些細な事で恐怖を感じる

冬華(とうか)

…特待生チャンは…こういう所にいるから……そう言うのがよく分かるのか…

特待生)まぁそうですね…笑

特待生)人なのに人じゃない人達…グールにまだ恐怖はあります、それに怪異にも

特待生)特に怪異が怖いですね…人みたいな見た目をしている怪異が居るじゃないですか?私、そういうの怖くて笑

冬華(とうか)

…そっか

そんな風に話していると「あれ…特待生に冬華?」と、声を掛けられ後ろを見ると伯玖先輩と珍しく累先輩がいた

冬華(とうか)

累先輩珍しいっすね〜、人殺してません?

累(るい)

いきなり失礼すぎない?笑

伯玖(はく)

いやいや、累さんは悪くねーよ、俺が連れ出したんだ

冬華(とうか)

そうなんすか?

2人は私達を挟んで座った

冬華(とうか)

サボり場に来るのはグールの宿命なのかしらねぇ…

特待生)ここいつもグール居ますもんね

累(るい)

冬華ちゃんも良く来てたもんねー

冬華(とうか)

まぁ…笑

冬華(とうか)

ここに来たら大抵の人には会えますから、特に赤髪のトラブルメーカーとか

伯玖(はく)

大我かぁ…あいつは本当に厄介なものしか持って来ないからねぇ…

特待生)好かれてるんですか?その大我さんって人に

冬華(とうか)

あなたを置いて行こうとした人だよ…

特待生)え!?

冬華(とうか)

あの人やけに私を見つけるのが上手いんだよなぁ……ストーカー?

累(るい)

冬華ちゃんはあんなやつじゃなくて俺ちゃんの方が嬉しいよなー?

冬華(とうか)

遠慮しますわ

累(るい)

酷ーい!

伯玖(はく)

誰だって…って、累さんなら女の子にストーカーされたら喜びそうだな……

累(るい)

特に冬華ちゃんならだいかんげー!

冬華(とうか)

抱き着かないで……

特待生)相変わらず累さんはデレデレですね笑

伯玖(はく)

ま、俺も歓迎だけどな笑

冬華(とうか)

ストーカーするほど人に惚れたことないんで

伯玖(はく)

あーあー、振られた〜笑

伯玖(はく)

特待生に慰めてもらおうかね〜

特待生)わ、私ですか!?私じゃないと思うんですけど!?

冬華(とうか)

貰われろ〜笑

伯玖(はく)

嫉妬はしてくれないのかい?冬華

冬華(とうか)

ちょっとモヤっとするだけなので

累(るい)

え〜!珍しい!冬華ちゃんが嫉妬してるー!

冬華(とうか)

嫉妬…?とは何です?

伯玖(はく)

(感情の欠如…代償か?)

累(るい)

嫉妬かぁ……んー…大好きだから他の人に取られたくないって気持ち?

冬華(とうか)

ふーん…

伯玖(はく)

(このまま行くと人形みたいになっちまうぞ?)

特待生)…あの、伯玖さん

伯玖(はく)

お前さんも気づき始めたか…後で理事長のとこ行くぞ

冬華(とうか)

??(なんか喋ってる……)

累(るい)

(呪いか代償か…まだ分かってないことがこの子の中にはある…早くわかって……俺のところでずっと独り占めしたいな…)ギュゥ…

冬華(とうか)

る、累先輩痛いです…

累(るい)

え?あ〜!メンゴメンゴ!笑

その日の夜…私は伯玖先輩と累先輩に「呑みに行こ」と誘われ…シノストラのBARに来ていた

冬華(とうか)

んくッ…ゴクッゴクツ…

伯玖(はく)

お〜、いい飲みっぷりー

冬華(とうか)

プハァ…一気キツ…飲めるからいいけど……

お酒の着いた唇を軽く舐める

累(るい)

美味しい〜?

冬華(とうか)

まぁ…

冬華(とうか)

美味しいですけど…

大我(たいが)

お、やっぱ居る♪

冬華(とうか)

うげッ…

大我(たいが)

失礼だな殺すぞ

冬華(とうか)

なんのようですかァ……

大我(たいが)

お前が来るって伯玖から聞いたから来た♪

累(るい)

珍し〜

大我(たいが)

うっせぇ死神黙ってろ

冬華(とうか)

大我さん!‪💢

大我(たいが)

( -𐃷-)

冬華(とうか)

ったく…‪💢(やっぱりこの人は苦手だ…)

伯玖(はく)

(ここの学生から聞いたな?コイツ冬華の事になるとすぐ来るからな…)

この人…赤髪のトラブルメーカーこと…星喰大我は苦手な人だ…

大我(たいが)

俺も飲ませろ

冬華(とうか)

いーやーでーす!

大我(たいが)

あ"?殺すぞ

冬華(とうか)

語尾に殺すが着いてますよ……

大我(たいが)

やっぱ殺す

冬華(とうか)

死にませーん

大我(たいが)

チッ…

この人のことを「先輩」「パイセン」と呼べる気は全くない……というかこの人が自分の先輩と思いたくない…だから呼ばない

マジでこの人ぐらいだわ…名前で呼ぶの……累さんも累さんで呼ぶ時はあるけど…

冬華(とうか)

で、何のようなんですか…私お酒飲みたいです

大我(たいが)

お前肉体年齢未成年だろ

冬華(とうか)

ん〜……まぁほら、そこは実年齢ってことで

伯玖(はく)

お前の体便利だな

冬華(とうか)

(`・ω・´)✧︎ドヤァ

3人)(コイツ可愛いな)

大我(たいが)

とーにーかーく!呑ませろ!オイラだって呑みてぇ!

冬華(とうか)

あーあー、もう分かりましたよー

冬華(とうか)

(この人ほんっと子供っぽいなぁ…面倒見るこっちが大変だわ…)

大我(たいが)

よっしゃー!

冬華(とうか)

え?え?

大我さんに突然…脇の下に手を突っ込まれそのままグイッと上に持ち上げられ…私が座っていた椅子に大我さんが座り私はその膝に座らされた

冬華(とうか)

なぁーんでこうなのよォ…‪💢

大我(たいが)

〜♪こっから離れようとしたら殺す〜♪

冬華(とうか)

逃がす気さらさらないくせに何言ってんだ…

大我さんの左手が後ろから私を抱き寄せる

冬華(とうか)

う"〜……

ブツクサ文句言っても無意味だと思い…お酒を流し込む

冬華(とうか)

!!待ってぇ…これ度数強い!

大我(たいが)

あ?あ〜…悪ぃ笑それオイラが呑むように頼んだやつ笑

冬華(とうか)

こ、こんにゃろぉ…‪💢

伯玖(はく)

あーあー、笑ほんと仲悪いなぁ笑

大我さんは私が持っていたグラスを手に取りグイッと一気に呑んだ

大我(たいが)

プハァ♪んまぁ〜

冬華(とうか)

うわぁ…早く肝臓悪くなって己で風穴開けねぇかな…

大我(たいが)

オイラがするわけねぇだろ〜♪

そう言って今度は両手で私を抱き締め背中に顔を押し付けてくる

冬華(とうか)

嫌やぁ〜…助けてぇ〜……

伯玖(はく)

大我は気に入ったやつ離さねぇからなぁ笑

冬華(とうか)

もう…笑

気を治してお酒を呑み進めていると…突然背中に手を入れられた

冬華(とうか)

びゃぁ!?

累(るい)

ん"〜…?どうしたの〜……?

冬華(とうか)

せ、背中!大我さん!‪💢

大我(たいが)

すっげぇムラムラする……

冬華(とうか)

この性欲モンスターが!‪💢

冬華(とうか)

だからこの人と呑むの嫌なのよ!

大我(たいが)

なぁ〜…良いだろ?

冬華(とうか)

良くないから言ってるの‪💢

大我(たいが)

1回ヤればわかるからさ〜

冬華(とうか)

ちょ、止めてよ伯玖君!

伯玖(はく)

ん〜?面白そうだから止めなーい

冬華(とうか)

楽しそうでいいなぁ!?‪💢

大我(たいが)

つーかなんで酒呑んでムラつかねぇの?

冬華(とうか)

性欲が無いから?

大我(たいが)

はぁ?ゼッテェねぇし!あんだろー!嘘つくなよ!

冬華(とうか)

何でそうなるのよ…笑

ギャーギャー騒ぐ大我さんの頭を優しく撫でると肩に顔を乗っけてきた

大我(たいが)

お前以外にはされたくねぇな〜、つーか触りたくねぇ

冬華(とうか)

特待生チャンを置いて行こうとした人がなにかいってらぁ

大我(たいが)

は?何?アイツと暮らしてんの?

冬華(とうか)

サボってたからいなかったかぁ…

冬華(とうか)

寮分けが上手く出来なかったんだって

大我(たいが)

チッ…理事長に嘘つかれたんだけど?‪💢

冬華(とうか)

は?何を

大我(たいが)

お前が来ねぇって騒いだら「時期にそっちに行く」つってよ

冬華(とうか)

(本当の事を言ったら暴れるからでしょ……)

冬華(とうか)

だから会うたんび会うたんび「早く来いよ」って急かしてた訳ね…

累(るい)

え〜、冬華ちゃん所属してないの〜?

冬華(とうか)

累さんも累さんで引きこもりフェーズしてたか……そらそうか…

累(るい)

俺のとこ来てくんないの?

真っ赤な顔をしながら小首を傾げお酒で少し潤んだ瞳で見つめてくる累さん

少し期待をしているようだが……残念!

冬華(とうか)

顔は出す可能性はありますけど所属する気はサラサラありませんね、特待生チャンが心配なので

冬華(とうか)

て言うか私が特待生チャンと暮らしているのって彼女を守る目的でもあるんですから!

累(るい)

来てくれないの?

冬華(とうか)

行きません

冬華(とうか)

私がどこかに所属するなら彼女を連れて行くかどこかに預け無ければなりません

そうはっきり言うと今度は伯玖君が「じゃあ俺らんとこなら遠慮とか要らねぇよな?」と詰め寄ってきた

冬華(とうか)

貴方までもが言い始めるか……

伯玖(はく)

特待生を嫌うヤツなんてホタルビには居ねぇよ?

伯玖(はく)

累さん所は累さんっつー死神が居るし?大我は特待生が嫌いだろ?

大我(たいが)

こいつが来るなら我慢するし〜

冬華(とうか)

嫌いな人がそばにいたらストレスになるよ

大我(たいが)

……でも冬華居るし

冬華(とうか)

無駄に拗ねるな‪💢

伯玖(はく)

な?な?

累(るい)

俺ちゃん死神って言わたァ…グスン

冬華(とうか)

伯玖君って好きな事とかだと容赦なく人の事蹴落とすよね

伯玖(はく)

ん〜…冬華が好きだから?

コテンと小首を傾げ真っ赤に染った顔を見せて来る

お陰で少し色っぽく見える、累さんもそうだが

冬華(とうか)

はいはい…笑

累(るい)

はくっち告白したのに塩対応ー!

冬華(とうか)

あーもうしつこいわね笑

累(るい)

じゃじゃ!俺は?俺はどう?

冬華(とうか)

ダメでーす笑

累(るい)

ん"〜…振られたァ……

ショボンと拗ねた累さんの頭を優しく撫でるとスリスリと頭をこすり付けてきた

冬華(とうか)

…(本当……この人達のLoveの大きさは困ったものねぇ…)

冬華(とうか)

……私なんか辞めちゃえばいいのに…

一言…誰にも聞こえないように呟く

大我(たいが)

……ギュゥッ…

冬華(とうか)

ん?どうしたんです?大我さん

大我(たいが)

いや?ただ…お前はお前だなって思っただけだ

冬華(とうか)

はいはい笑

こうして…私と大我さんは呑み直し…各々の部屋へと戻った

新人グールは忙しい(東ディバ)

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

36

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚