遥輝
……朝……か
遥輝
学校……行きたくないな……
遥輝
……サボろう……かな……
遥輝
……
ぴーんぽーん
遥輝
………誰だろ
遥輝
…はーい
ガチャ
遥輝
……え?
工藤
よぉ
遥輝
工藤と…日下…?どうしたの…?
日下
どうせお前だからサボろうか考えてるんじゃねーかって思ってな
工藤
だから俺らが無理矢理連れてくんだよ
遥輝
……で………でも……
工藤
でももだってもない
日下
ほら行くぞー
遥輝
ちょ…まっ……
工藤
はいはい行くぞー(引きずる)
遥輝
嫌ぁぁぁぁぁぁ!(引きずられる)
工藤
ほーら着いたぞー
遥輝
……来てしまった……(絶望の顔)
日下
んだ?そんな顔して
遥輝
なんでもない…
モブ女
…ねぇ、またあいつ来てるよ(コソコソ)
モブ男
ほんとだ。なんで来てんだよ(コソコソ)
モブ女
しかも見てあれ。工藤様と日下様に引き摺られてる(コソコソ)
モブ男
本当に生意気(コソコソ)
遥輝
………
工藤
ん?どうした?
遥輝
………なんでもない
日下
そうか?
良翔
おーい、3人ともー
工藤
お、良翔
良翔
早く行こうぜー
イツキ
そこで突っ立ってたら時間過ぎるし、早く行こうぜ
遥輝
あ……うん。そうだね…
ガラガラガラ
(水のかかる音)
遥輝
………
工藤
大丈夫か?
遥輝
大丈夫
工藤
びしょ濡れだが…
遥輝
大丈夫だよ……ヘックシ
工藤
ダメじゃねぇか…ほら、ハンカチ
結月
工藤様~♡こんなやつにハンカチ使うなんてもったいありませんよ~♡
遥輝
……
工藤
いや、濡れてるし、このままだと風邪ひくだろ
結月
チッ…分かりました~♡
結月
ギロッ
遥輝
………
日下
大丈夫か?遥輝
遥輝
大丈夫…。工藤にハンカチ借りたし…
麻華
おはよ。朝から思いっきり水かかってたわね
零
おはよ~。すんごい勢いだったな
星
おはよ
イツキ
あ!星てめぇ!先に行きやがったな!
星
お前が遅いのが悪い
イツキ
んだとてめぇー!
麗美
相変わらず朝から元気ねぇ…
千波
それはそうね。朝からすんごい元気
零
まぁ、座ろ?もうすぐチャイム鳴るし
良翔
そうだな
遥輝
(席に座る)……
工藤
どうした?
遥輝
大丈夫
遥輝
(…放課後……屋上……か)
遥輝
…ってか
日下
どうした?
遥輝
どうしてこの席とこの班になったんだんだ…
工藤
知らねぇ
遥輝
なんであんたが知らないんだ班長
千波
あっはは、でも気になるよね
麗美
まぁそりゃ、ここの仲良しグループ全員近くにいるからね
零
遥輝の横に工藤と日下、後ろに麗美と僕とイツキ、前に麻華と千波と良翔、せいぜい星がちょっと遠いくらいって
日下
本当にどうしてこうなったんだろうね
遥輝
(…まぁ、助かってるけど……)
遥輝
(……そう。僕は無能力者。皆能力を持ってるのに…僕は無能力。……だから、陰口を言われたり、虐められたりしている…)
遥輝
(今ここのグループは、能力に縛られず関係せず、人柄で、楽しさで一緒に居てくれてる。それだけが……救いだ…)
ガラガラガラ
モブ教師
出席取るぞ
モブ教師
……チッ
遥輝
(……そう。僕は教師陣にも嫌われている)
遥輝
(…本当……
遥輝
……生きてる意味…あるのかな…)