もういない君の背中を追いかけて

るぅとside

…分かってる

どんなに似せても

あの人にはなれないって。

君を笑顔にしたかった

君に寂しい想いを させたくなかった

そんな言い訳を重ねて

君に近づいていく

好きになるなんて

思わなかった

もう止めれない。

もう後には戻れない

莉犬side

なに…、これ

苦くて

辛くて

息ができなくて

逃げられない

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

こんなの望んでなんかいない

…ﾊﾞｯ

図星だった

るぅとくんと分かっていても

どこかで君を重ねていた

おれを心配してくれた君

その言葉に甘えたおれ

ダメだなぁ、おれは。

　君が見たら笑っちゃうよ…

謝るべきはおれなのに

るぅとくんに迷惑をかけた おれなのに

たとえそうだとしても、

誰かが死んじゃうのはやだ

…もうやだよ

おれが今できること

それは、 誰かに辛い思いをさせないこと

…君の一番嫌いなことだから

よく晴れた空

気持ちがいい木漏れ日

君が死んでから初めての春

いつもの時間、いつもの日

毎回遅れてくるおれを叱る君

でも最後は抱きしめてくれる

『無事で良かった』

花と君の香りがするその瞬間が

おれの一番の幸せな時間だ

でも、もうやってはこない

幸せは続かない

これから先、きっとおれは

一人で桜を見上げるのだろう

見上げるおれと

　見下ろす君

なんだか懐かしくて

目が熱くなった

一年前

そう約束した君は

おれを置いていってしまった

なんで

なんで

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